「部活動の実績によって内申点があがる」は本当?
高校受験(高等学校入学者選抜)では、調査書(いわゆる内申書)が活用されます。
この調査書については、公にならない情報もあり、不確かな噂も多いですよね。
今回は「部活動の実績で内申点があがる」という噂は本当なのか、文部科学省の資料を基に解説していきます。
部活動の実績で内申点がUPすることは実際にある
調査書における部活動の記録の入学者選抜への活用にあたって、
- 部活動の実績を点数化
- 得点への加算
が実際に行なわれている学校があります。
実は、2023年5月に公開された文部科学省の状況調査の資料でその内容が明らかとなったのです。
全ての学校で加点しているのは埼玉県のみ
この調査資料によると、活用にあたって、部活動の実績を点数化、得点への加算をしている都道府県は、以下の通りです(公立高等学校)。
全ての学校・形態の選抜で加点している
埼玉県(1県のみ)
一部の学校や、一部の形態の選抜のみで加点している
青森県、秋田県、福島県、茨城県、群馬県、千葉県、山梨県、岐阜県、三重県、奈良県、佐賀県(11県)
加点はしていない(総合的に判断する際の資料としてのみ用いる)
上記以外の31都道府県
埼玉県では、調査書に特別活動等の記録を記載する欄があり、その記載をどのように評価するかは、各学校が選抜基準を定めています。
その一方で、31都道府県では「加点」という形を取っていません。
ただし、こうした都道府県でも総合的に判断する際の資料として用いられており、影響がゼロとは言えません。
部活動の経験は無駄にはならない
就職活動や将来就く仕事においても、学生時代の部活動経験が重要な役割を果たすことがあります。
優れた学業成績はもちろん評価されますが、部活動を通じて得られるスキルや経験は、教室内での学習だけでは得難いものがあるからです。
受験前には勉強時間を確保するために「部活動を辞めた方が良いのではないか」と悩む生徒もいます。
しかし、部活動で得られる経験もまた、重要ですよ。
部活動の実績が内申点にどのような影響があるのかは受験先の高校によって違います。
そのため、部活動に関して悩んだときにはまず学校の先生に相談してみてくださいね。