Yahoo!ニュース

【札幌市中央区】妥協のないフランスパンを味わうなら、まずはPAUL(ポール)に行ってみよう。

ゆべーる地域クリエイター(札幌市)

フランスのリールという街をご存知ですか?私の専門領域のひとつである空知の「炭鉄港」地域と同様、1960年代までは石炭産業で有名な鉱工業地域でした。フランスやイギリスにとっては炭鉱がさかんということはブラスバンド、つまり音楽演奏がとても栄えた地域です。

長年パリで活躍して後に現在は東京の音大で指導しているフルート奏者の私のいとこが、このリールの街のオーケストラ奏者だったこともあり、私にはとても親しみのある町なのです。

そして、私がもうひとつリールに親しみを覚えるのが、このベーカリー。この街の郊外で19世紀末に生まれ、今や世界的な規模となったブーランジェリー(ベーカリー)&パティスリー(ケーキショップ)のブランドが「PAUL ポール」です。

札駅にも、かつて東京やパリ、ロンドンでお世話になった「ポール」ができる!これで札幌にいても本物のフランスパンを食べることができる!と知った時の私の喜びようは格別でした。以来、ずっと定期的にお世話になっています。

今日はそんなフランス文化を背負った名ブランドの、まずはブーランジェリー(ベーカリー)としての魅力の一部をご紹介していきます。

「ポール」があるのは、札幌駅(札駅)コンコースの東口です。「赤いオブジェ」(Legs-旅人の残像)のある方の通路ですね。

ワインの「エノテカ」がとなりにある、いう駅ナカの美食地帯。注意をしないとポールでおいしいパンやヴィエノワズリ(菓子パン)、ケーキを買ってエノテカに飛び込むという無限ループを引き起こしてしまいます。

まずご紹介したいのが、なんといってもフランスパンの基本であるバゲット

フランス人のバゲット好きは相当なもので、おいしいバゲットがあるブーランジェリーの近くの部屋の賃料が上がるとさえ言われています。

ポールのバゲットは小麦や使用する水にもこだわり、材料をフランスから調達したりするなど伝統的な製法を守りながら作り上げられています。もちっとした北海道産スタイルのバゲットとは一味違う、フランスパン本来の「しっかりした歯ごたえでおいしい」充実のバゲットだと思います。

私は本当にバゲットが大好きで、時にはこのように、バゲットとコーヒーだけで食事をカフェスペースで済ませてしまうこともあるんですよ!

そしてもちろん、このバゲットやこだわりの食事パンを使ってのサンドウィッチは、大のおすすめです。

これが3日前に行った時のオーダーです。「カナール・ユズコショウ」「セザム・サーモン・カマンベール」です。どちらもあっという間に完食してしまいました。

まず「カナール・ユズコショウ」。発酵がしっかりしたフランスパンに、合鴨(カナール)トレビス(赤チコリ)をはさんで、柚子胡椒で整えたもの。フランスでは定番の素材を、日本の知恵である柚子の香味と胡椒(ここでは唐辛子の意味)のスパイシーさがきちんと受け止める、ポールの人気作です。

合鴨のトロッとした食感と柚子胡椒のアクセントが本当にマッチしており、口に入れた瞬間溶けてしまうようにハラハラと消えて、コクのある余韻が残ります。

ここで忘れてならないのが、パン自体のもつ発酵テイストがとても熟成した風味を感じさせて、トレビスの苦味もアクセントとして効果的だということ。いつも頼んでしまうお気に入りのサンドです。

しかし今回は、この「セザム・サーモン・カマンベール」に初めて出会い、ハートを撃ち抜かれました。胡麻(セザム)の風味が香るパンに挟まれた、芳醇なスモークサーモンカマンベールチーズのふくよかな風味が最高。

特筆したいのは、その硬めのパンの中に挟まれたクリーミーな食感!そしてどうやら使っているバターにとても特色がある。口福!

本当はヴィエノワズリ(菓子パン)であるクロワッサンベースのサンドウィッチも美味しいのですが、ポールのクロワッサンの魅力は深すぎるので、書ききれません。

また改めて紹介します。

というわけで、今回はまずはフランスパンベースのハードなサンドウィッチをご紹介しました。

おっと忘れてはいけない。ここはブーランジェリー(ベーカリー)だけではなく、パティスリー(ケーキショップ)でもあるんだった。フランスではブーランジェリーとパティスリーが兼用しているのはごく普通のことで、パン屋さんの作るお菓子は、どちらかというと小麦とバター、砂糖という共通の原料の旨味を活かしたものが多いようです。

特に、このブルターニュの伝統菓子であるポールの「クイニーアマン」の美味しさに関しては、それだけでずっと語り、食べ続けてしまいそうな魅力があります。

ヴィエノワズリ、そしてパティスリーの甘い魅力は、また改めてご紹介しますね!

カフェスペース(イートインコーナー)も快適ですし、実はポールのランチも素晴らしいのです。これもまた改めて。

■PAUL ポール 札幌ステラプレイス店■

住所:札幌市中央区北5条西2丁目5番地 JRタワー札幌ステラプレイス イースト1F

営業時間:8:00-21:00 (カフェスペースのラストオーダーは20:30)

定休日:無し

電話番号:011-209-5189

公式サイトは、こちら

公式Instagramは、こちら

地域クリエイター(札幌市)

通訳案内士(全国&札幌)、そしてライターや町おこし組織の認定ガイドとして、いつも札幌市内の出来事やおすすめ情報を探しに歩いてます。コーヒーショップ、ワイン、レストランなどが大好き。またホルン奏者でもあります。

ゆべーるの最近の記事