【札幌市中央区】ローカルガイドが見つけた、「創成イースト」の不思議な光景4選
札幌を東西に分ける創成川。その東側がいわゆる「創成川イースト」という地域として最近脚光を浴びてきています。もっとも、最近では「創成イースト」「イースト」さらに一部の地元の方は「東」とさえ呼びます。
どちらにしても、札幌の都市計画が出来上がる前から河川交通が発達し、ほとんど都心部では唯一と言ってよい自然発生的な界隈が形成されたのです。最近は「創成イースト」という呼称で定着しつつあるようですね。今日もその呼び方で統一します。
今日は4つほど、そんな「創成イースト」を官庁関係のガイド&ガイド講師として活動する「ローカルガイド系の通訳案内士」である私が、ウォーキングツアーをしばしば引率している中で出会った不思議な光景4つをご紹介します。
いずれも、歴史の浅い北海道の中でも比較的時間的な蓄積のあるこの地区ならではの、知られざる深みがなせる技かもしれません。
1 「隠れ軟石」を探せ!
以前私は、地元の名門喫茶店「寿珈琲」の中に埋もれていた札幌軟石の壁の歴史について書いたことがありました。
ちなみに、この壁は2軒奥のレストランの軟石と連続しています。
建物が密集したこの地域には、昔の建築の上に覆いかぶさるように別な建物ができてしまった結果、今は外部から見ることができなくなった歴史的軟石が、壁の向こうに潜んでしまっている例が他にもあると思います。
先日も建物が取り壊された敷地から、今まで存在があまり知られていなかった軟石壁が出てきました。
きっと他にもあるはず!軟石は札幌市民のロマン。この夏、みなさんのお邪魔にならないようにしつつ、ここで「隠れ軟石」が出るんじゃないだろうかというポイントがいくつからあるので、探りに行こうと思っています。
2. 失礼ですが、どなた様ですか?
創成イーストといえば、もちろん「二条市場」が大きなシンボルです。川の港があった時代に石狩方面から来た魚を売り捌く「魚町」として栄えはじめてからの、長い歴史があります。
そんな二条市場にはいくつかのモニュメントがありますが、由来や製造年がどうもはっきりしない、と複数の二条市場の関係者の方に伺いました。
このようなものです。きっと皆さんも見たことがありますよね?
これは今年の5月のプライベートツアーの際に撮影したもの。(写り込んだ方からは写真掲載の許可はもらっています。)しかしどうもくすんでいてはっきりしない。
写真の彩度を、周囲が白くなるほどまでにおもいっきり上げてみると、目ではほとんど見えない緑青が浮かび上がってきます。一見ほとんど濃いグレーに見えるこれらの像は、ブロンズ製のようですね。
いつ頃に作られたものなのか、継続して情報を集めてみます。
3. 狸小路マイナス1丁目?
かねてから狸小路にはマイナス1丁目が存在するのでないか、と地元の飲食店では囁かれていたりしますが、その光景がこちらです。
二条市場の裏から狸小路を眺めたアングルですが、確かに「マイナス・・・」と言われても不思議ではありません。記録によると狸小路は元々現在の西2丁目に当たるところから西側に広がっていたと言われており、そうするとオリジナルの狸小路からは少し離れていたであろうこの道路が、何らかの狸小路と関係して意図的につくられたのか、それとも単なる偶然かはわかりませんが。。。確かに東1丁目からつながって見える狸小路は、なんだか新鮮です。
この冬は豪雪だったので、この付近では「下町登山」が楽しめると言われたくらい雪が盛り上がり危険でした。
創成川向こうの狸小路入り口付近のあったとされる、伝説の「狐小路」と共に、時間があれば歴史を紐解いてみたいです。
4. 歩道橋の先端は未来に消えたのか?
大通東1丁目にある、不思議な歩道橋。テレビ塔を見るための展望台?先端がどこか時空の違うところに消えたのか?インパクトのある中途半端さです。
これはうっすらと、かつて創成川通りが今の形ではない時にもっと大きな歩道橋であった記憶があります。おそらく、この部分もカットしてしまうと強度の問題があるのではないかな、と思うのですが。
結論 創成川を越えてイーストに入ると、不思議な光景にたくさん出会える
これだけ見ても、この「創成イースト」が札幌の中では不思議な魅力を持っている、何の歴史のメタファ(隠喩)かわからないけど、面白い由来がありそうなものがたくさんあるとわかって頂けるのではないでしょうか。また定点観察をして、面白いものが集まれば発表しますね。
■創成(川)イースト地区■
札幌市中央区北5条から南4条付近、東1丁目から東5丁目付近(諸説あります)
創成イースト(川)紹介記事のひとつの例は、こちら(スカイマーク)
二条市場の基礎情報は、こちら。