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各駅停車の旅【6日目:山形~上野】7日間乗り放題11,330円で青森まで往復してみた!

湯川カオル子旅・グルメ・温泉流浪人

6日間ローカル線の旅も、長かったようであっという間の最終日。この日は356.3kmを9時間ほどかけて移動します。さすがに足などが疲れてきたので、途中かみのやま温泉で足湯に浸かり、のんびり帰ることにしました。

※切符の詳しい内容は「1日目」に紹介しています

≪山形の街を眺望≫

旅の最終日は山形から東京を目指します。山形駅からは仙台を経由して東北本線を南下するルートと、奥羽本線を米沢まで南下して、福島から東北本線を利用するふたつのルートがあります。今回はかみのやま温泉で途中下車するため、米沢まわりになりました。

電車の出発まで少し時間があったので、山形駅横にある市内一の高層ビル「霞城セントラル」に昇ります。

展望ロビーは無料で、山形の街を一望。写真は24階にある天望スペースです。

「霞城セントラル」の北側からは山形城(別名霞城)跡を一望。中央付近に見えるブルーシートの敷かれた場所が、本丸御殿のあった場所。城のすぐ東側(写真右横)にはJR奥羽本線と山形新幹線が通っています。

「霞城セントラル」から南東の方向に蔵王連峰を望みます。
今回は行けませんでいたが、蔵王温泉は私の好きな酸性泉で、お気に入りの温泉地のひとつです。

山形駅11時7分発米沢行きに乗車。足湯に入りにかみのやま温泉駅に向かいます。

さきほど「霞城セントラル」から眺めた蔵王連山が車窓からも見られます。

≪かみのやま温泉で足湯とワイン♪≫

かみのやま温泉駅は山形から3駅なのであっという間に到着。11時20分に着いて、次の12時29分に乗れば、1時間ちょっと散策できます。

駅から足湯へ向かう途中、別名月岡城ともよばれる上山城が見えてきます。
1982年に建てた鉄筋コンクリートの郷土歴史資料館になっていて、天守の資料がなかったため、現存天守が残る愛知県の犬山城をモデルにしています。

駅から一番ちかい「前川足湯」は徒歩5分ほど。市内を流れる前川に架かる前川橋のたもとにあります。

この日は酷暑の真夏日なうえ、足湯も47度以上ありそうな激アツ。のんびり楽しむなんて不可能な熱さでしたが、ちょっとお湯に触れた程度で脚が軽くなりました(以前利用したときは、ちょっと熱めの適温でした)。

駅に戻って、駅横の観光案内所にオープンしたお店でご当地ワインを試すことに。

観光案内所の一画には、2023年4月に『山形ワインカーブ』がオープン。地元かみのやまワインや山形県内のワインを中心に、ワイン用のブドウを使ったジュースやおつまみを用意します。

「タケダワイナリー ブラン・ド・ノワール樽熟成(辛口)」 グラス\660
「タケダワイナリー ブラン・ド・ノワール樽熟成(辛口)」 グラス\660

いろいろあるメニューから、地元上山市にあるタケダワイナリーのワインをチョイス。黒葡萄マスカットベリーA使った白ワインは、樽発酵の余韻が残る軽やかな口あたりで、昼間から軽く飲むにはぴったり。途中下車したかいがありました。

店内にはワインセラーも設けられ、お土産にオススメ。近年上山のワインは都内の有名ホテルにも置かれ人気です。
かみのやま温泉では年に一度ワインの祭典「山形ワインバル」が開催されます。2024年は5月11日(土)です。

山形ワインカーブ
住所:山形県上山市矢来1-2-1
営業時間:9時30分~16時30分
公式サイト(外部リンク)

≪米沢から福島へ鉄道遺産的レール旅≫

13時4分に、牛肉で有名な米沢に到着。乗り換え時間4分で、福島に向かいます。窓の外は、同じ線路を走っている山形新幹線とすれちがい。

峠駅は、山深い奥羽山脈の無人駅ですが、JR東日本管内の駅で今でも立ち売りをしているのはここだけ。停車時間も30秒と短いので、力餅を買いたい人は1,000円札を握りしめドアの前でスタンバイ。この日も数人のお客さんが買っていたためか、ちょっと長めに停車したように思います。

峠駅やお隣の板谷駅は、ホームが雪に備えたスノーシェッドで覆われています。よく見ると、骨組みの一部に古いレールが使われています。
福島-米沢間は、急勾配が続く峠越えの難所で、昔は赤岩駅(2021年廃止)と板谷駅、峠駅、大沢駅の4駅でスイッチバック方式を採用していました。山形新幹線開業にともない廃止されましたが、今でも遺構として残ります。

≪福島駅から東北本線にもどって一路東京へ!≫

福島駅に降り立つと、とにかく暑い!しかもこの日は、ホームに吹く風は熱い風を通り越して、もう暖房!
40分ほど乗り換え時間があったので、涼しい駅ビルに入って食べ物を物色することに。

福島県郡山市周辺のご当地パン、ロミオの「クリームボックス」を発見。小ぶりの食パンにミルク風味のクリームが分厚く塗られ、優しい甘さでパンは柔らか。おやつにピッタリでした。
郡山やその周辺のパン屋さんでは、お店独自のクリームボックスも売っています。

新白河駅では、乗り換えに時間があるのと、在来線は駅構内にお手洗いがないため一度改札を出ました。
鼻筋のとおっただるまさんは、時の白河城主が城下の繁栄を願ってだるま作りを奨励したのが始まりだとか。毎年2月の中旬に、白河だるま市が盛大にひらかれます。

旅の1日目と同じく、新白河駅の乗り換えは同じホーム。手前が郡山から乗ってきた新白河行きの電車。その先に、乗り換え予定の黒磯行きの電車が入線してきたところです。

新白河駅17時12分発に乗って黒磯には17時35分着。さらに17時43分発宇都宮行きに乗り換えます。
宇都宮では同じホームの対面乗り換えだったので楽でした。18時40分発の上野行き快速ラビッに乗って20時9分に上野駅到着。宇都宮線は通常22駅に停車しますが、快速なら13駅なので、最後にちょっと得した気分です。

≪5泊6日ローカル線の旅を終えて≫

6日間の総移動距離は1548.7km。これを正規料金でまわると31,630円になりますが、7日間使えるJR東日本の「北海道&東日本パス」を使って11,330円で巡りました。
旅のコツは、乗り換え時間を事前に調べておくこと。タイミングによっては、トイレに行けないこともあるので、事前の下調べは重要です。逆に、乗り換えに1時間以上、場所によっては数時間から半日かかる駅の場合は、周辺の散策を楽しむのもいいですね。旅のプランはあなた次第です!

6日目(山形→上野)
所要時間:8時間44分(乗り換8回)※途中下車をしなければ7時間53分ほど
移動距離:356.3km(積算距離:1548.7km)
正規運賃の場合:6,510円(山形→上野)
6日間の正規累積運賃:31,630円 ※「北海道&東日本パス」:11,330円

※この旅行記で紹介したダイヤは、曜日や時間帯、ダイヤ改正等で変わることがありますので、ご注意ください。

旅・グルメ・温泉流浪人

温泉にハマって全国を旅するようになって、2017年からは旅ライターをしています。ホテルなど宿泊施設の紹介や観光ガイド。グルメ記事では、アフタヌーンティーやカフェスイーツ、ホテルグルメもレポートします。特に草津温泉には今まで200泊以上。ガイドブックには載っていないレアな情報や、草津旅を満喫する方法もお知らせします。

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