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バイクの免許取ったら用品はどこまで買えばいい?ヘルメット以外に買った方がいいものとは?

相京雅行下町のバイクパーツメーカー/ディレクター

コロナ禍でバイク免許を取得する人が増えているのだそうです。最近まで特に実感することもなかったのですが、身近な人から「バイクの免許とったんですよ」と聞くことが増えました。

先日も大学生のころから通っている美容院のスタイリストから、免許を取得したことを聞きました。その際に。

「相京さんバイクの仕事してますよね?バイク用品ってどこまで買えばいいんですか?」という質問をされました。

バイク用品店に行って、上から下まで全て揃えれば間違いありませんが、決して安い買い物ではありません。

教習所代金やバイクの購入費用等出費も多いはず。最低限どこまで購入すればいいか?

選び方や買った方がいいものをバイク歴20年、バイク業界10年の二輪ジャーナリストがお知らせしたいと思います。

快適にバイクに乗れるを基準に考える

精神的に落ち込んでる時や、体調が悪い時には乗り物を運転するべきではありません。特にハンドルを回せば曲がる車と違い、バイクは荷重移動によって曲がる乗り物。

寒くて体が委縮している状態や、暑さで朦朧としている状態では、まともにコーナーを曲がることも難しくなります。

そのため、まずは環境に適合し快適にバイクに乗ることができるアイテムを揃える事を基準に考えてください。

最低限揃えるべき4つのアイテムと選び方

上記基準を頭に入れつつ最初に揃えるべきアイテムは以下の4つです。

  1. ヘルメット
  2. グローブ
  3. ライディングブーツ
  4. インナープロテクター

それぞれの選び方を説明します。

1:ヘルメット

バイクに乗る際にはヘルメットを被らなければいけません。教習所に入る前に購入している人も多いはず。

バイクに慣れたらデザインで選ぶのも楽しいですが、まずは「快適」をテーマに選びます。

透明なプラスチックの「シールド」と呼ばれるパーツが付いていないヘルメットもありますが、裸眼で走っていると虫が目に入って悶絶することもあります。

熟練ライダーなら冷静に対処することも可能ですが、初心者ライダーだと事故につながることも。まずはシールド付きのフルフェイスかジェットヘルメットを選んでおけば間違いありません。

個人的におススメなのはSHOEIのZ-8かOGK KABUTOのAERO BLADE。どちらもヘルメットとしての基本性能が高く「軽量」なのがウリです。

ヘルメットの重量は意外と首や肩に負担になります。もともと首や肩が凝りやすい人は特に注意。軽量なヘルメットを選んでおけば間違いありません。

また初めてのヘルメットは必ず量販店等でサイズを測ってもらうことをお勧めします。インターネットで買った方が安いケースも多いですが、サイズの合わないヘルメットは本来の性能を発揮できません。

またヘルメットメーカーによって頭の形に内装を調整してくれるサービスもあります。ぜひ活用してください。

2:グローブ

バイクの操作は手と足で行います。クラッチ、ブレーキ、アクセルは手で行いますが汗で滑ってしまうと危ないのでグローブは必須アイテムです。

グローブ選びで一番大事なのは自分の手に合ってサイズにすることです。バイクのスイッチ操作は指で行います。特にウインカー操作を行う親指が余っていると押しづらくて困ってしまうことも。

他の指は多少指先が余っていても大きな問題はありませんが、親指部分はできる限りぴったりなサイズがお勧め。

使い勝手がいいのはレザーのグローブです。転倒時などに引き裂き強度に優れたレザーは手を守ることができます。

また風を通さないので長く使うことができます。できれば真夏用のメッシュグローブ、春、秋に使うレザーグローブ、真冬に使うウインターグローブの三種類があるとベスト。

バイクに乗り始める時期によって初めに購入するグローブを選ぶといいでしょう。

3:ブーツ

ギア付きバイクの場合にはシフトチェンジとブレーキ操作は足で行います。ギアの操作をする際に布靴だと傷むのが早くなります。

足を守る観点から言ってもレザーのブーツがお勧め。加えて言えば滑りにくいソールを採用している製品がお勧めです。

雨の日や、雨上がりの路面状況は滑りやすく、特に白線の上などはよく滑ります。足を着いたときに滑ってしまうと転倒につながるので滑りにくい製品が良いのです。

紐が長い場合にはペダルなどに引っかからないように、結び方を工夫するとよいでしょう。

4:インナープロテクター

夏場のメッシュジャケット、春秋に使えるスリーシーズン用、冬に使えるウインタージャケットの三種類のライディングジャケットを用意できればベストですが、バイク用のジャケットは比較的高額。

今持っているアパレルメーカーの製品を使いつつ、防御力を追加するインナープロテクターを一着持っていると便利です。夏場はそのままメッシュジャケット的な使い方ができる製品もあります。

アパレルメーカーの製品を選ぶ際には冬場は風を通さないもの、夏はよく風を通すものをえらび、動きを妨げないストレッチ生地を使っている製品を選ぶのがポイントです。

人の話はほどほどに聞くのがポイント

全身プロテクターが入ったバイク用品メーカー製品を着用しないでバイクに乗ってはいかん!という方もいるかもしれません。

気軽な格好でバイクに乗った写真をSNSなどにアップした人が叩かれている現場を見たこともあります。

もしかしたらコメントしている人は、過去にプロテクターなしでバイクに乗っていて転倒時大けがをしたのかもしれません。

ヘルメットを被らないでバイクを運転していたら警察に捕まって罰金を支払うことになりますが、プロテクターを装着するかどうかは、その人の判断であって自己責任です。

バイクに乗る際には、まずは体調を万全に、そして快適に運転できることを意識してもらえればと思います。

下町のバイクパーツメーカー/ディレクター

下町の小さいバイクパーツメーカーで番頭を務めています。面白い事には大抵首を突っ込みます。ワークマンでアンバサダーをやっていたり、オールアバウトでバイクガイドを担当していたりします。

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