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中国の勢い、輸入メーカー増加、アウトドア、電動がキーワード 東京モーターサイクルショー2022

相京雅行下町のバイクパーツメーカー/ディレクター

コロナ禍でイベントが自粛ラッシュでしたが、3年ぶりにモーターサイクルショーが開催!今年は初開催の名古屋、大阪、東京の3か所で行われました。

僕は東京モーターサイクルショーで仕事をもらっていたので、金、土曜日に行ってきました。

終わってみれば前回開催よりは動員数は少なかったということですが、例年より混雑している印象を受けました。

出店メーカー数が多く、通路も広く設けられていましたが、それでも混雑していました。二日間朝から夕方ぐらいまでいましたが、皆さん滞在時間が長かったように思います。

ホンダのブースなんて人数制限していて2時間待ちとかになってました。コロナで混雑を避けるためとはいえ驚きました。

展示に関して今年の目玉はホンダのダックス125、カワサキZ650RSあたりじゃないでしょうか?

人によって気になる展示は異なると思いますが、全体を見ていて今年のモーターサイクルショーは今のバイク業界の傾向を反映させる展示がされていました。

キーワードは、中国の勢い、輸入メーカーの増加、アウトドア、電動の4つです。

1:中国の勢い

毎回モーターサイクルショーは取材していきましたが、小さなブースで中国の工場や市場などの出店が見受けられました。

展示の内容も地味で、コストを抑えてパーツを作りたいという日本メーカー中の人以外は気にならないような出店だったと思います。

ですが近年、色々な国のメーカー製品をOEM生産してきた中国工場がメーカーになっています。

今年の出店で見れば用品を扱うSCOYCO、タイヤのティムソン、車両メーカーのゾンテスなどです。

それぞれ代理店が入り日本企業の出店ではありますが、もはや世界の工場ではなく自分たちがメーカーとして販売する形になってくるあたりに中国企業の勢いを感じました。

2:輸入メーカーの増加

コロナの影響で製造できるバイクの台数が減少してしまい出店しなかった海外メーカーもありましたが、

GPX【タイ】、HYOSUNG【韓国】、ベネリ【イタリア】、ハンウェイ【中国】、ゾンテス【中国】などなどアジア圏の輸入メーカーが増えている印象を受けました。

実はここでも中国の勢いを感じるのですが、ゾンテス、ハンウェイは中国メーカーなのはもちろんなのですが、ベネリは中国企業の傘下に入っており、製造も中国で行っています。

実はバイクパーツメーカー勤務時代に中国のベネリ生産工場に行ったことがあり、テストコースで走らせてもらった経験もあります。

今や日本メーカーも台湾、タイ、インドネシアなどアジア圏で製造することが増えてきていますが、インフラが整ってきているので参入も増えてきているように思います。

3:電動

ホンダのベンリィやキャノピー、日本郵政やマクドナルドなどでも採用されるaidea、BMWのCE04、Xeamのブースでは6ブランド20車種を展開。

一際目を引いたのはイタリアのエネルジカの電動スーパースポーツバイク。

電動化というキーワードはバイクが好きな人からすれば、あまり良いイメージは持てないですがオフロード、スーパースポーツなど趣味性の高いジャンルにも電動が進出してきています。

技術者の努力によって電動も楽しい乗り物になっていきそうな気がします。

4:アウトドア

今年ラフアンドロードが大体的にアウトドアライクな展示をしていましたが、他にもアウトドアを感じさせる展示が多かったように思います。

コロナ禍以降も観光業は大打撃ですが、キャンプ場は賑わいを見せています。

キャンプツーリングも徐々に盛り上がり始めていますが、去年ぐらいからはテントやシュラフといったキャンプのメインツールをバイク用品メーカーが作り始めています。

デイトナやラフアンドロードなど製品展開を広げていっているので注目したいところです。

下町のバイクパーツメーカー/ディレクター

下町の小さいバイクパーツメーカーで番頭を務めています。面白い事には大抵首を突っ込みます。ワークマンでアンバサダーをやっていたり、オールアバウトでバイクガイドを担当していたりします。

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