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戦艦ゴールドウイングに採用されているオートマシステムDCTは劇的進化を遂げていた

相京雅行下町のバイクパーツメーカー/ディレクター

バイクは本来右手、右足でブレーキ。左手、左足でギアの操作をする乗り物です。

ギアは左手でクラッチを操作して左足でギチェンジをする形です。

近年ではホンダがギアの操作をコンピューター制御で行うDCT【デュアルクラッチトランスミッション】を開発。

初めて採用したのはNC700Xというバイクでしたが、以降様々なバイクに技術転用し、主に大型バイク中心に広げています。

大型バイク中心に採用されているのは、ギアの操作がなくなることでツーリングでの疲労軽減につながるからでしょう。

ですが、実は筆者はDCTがあまり得意ではありません。

クラッチがないということはエンストの心配はありませんが、半クラッチができないということ。極低速のスピードコントロールがやりずらいのです。

特にDCTが初めて採用されたNC700Xではアクセルを開けるとスイッチのオン、オフのように唐突に加速し始める印象があり、極低速が求められるUターン操作がやりにくい印象が強かったのを覚えています。

それ以降、なんとなく苦手という意識があったのですが、VFR1200Fやアフリカツインなどへの採用を経て熟成されゴールドウイングに搭載されたDCTはコントロールしやすくなっていました。

ここ数年でアクセル開度のコントロールがアナログから電子制御に変更されつつありますが、ホンダのフラッグシップともいえるゴールドウイングは後者。

アクセルの細かい操作にニュートラルに反応し、極低速時のコントロール性が大幅にアップしていました。

以前は二輪のオートマ免許を取得しても乗れる車種が限られていましたが、DCTの導入によって選択肢が大幅に広がっています。

コーナリングの体重移動や風を切る心地よさなどのバイクの魅力は据え置きで、ライダーの負担が軽減されるDCT。

ギアが操作がないのはつまらない!という方も一度は試して頂きたいと思います。

下町のバイクパーツメーカー/ディレクター

下町の小さいバイクパーツメーカーで番頭を務めています。面白い事には大抵首を突っ込みます。ワークマンでアンバサダーをやっていたり、オールアバウトでバイクガイドを担当していたりします。

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