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北海道でサザエと言えば、貝ではアリマセン。北海道のソウルフード「サザエ食品のおやきと、おはぎ」

赤坂美附和菓子ソムリエ

北海道で「サザエ」と言えば貝ではありません、それは「サザエ食品」
そして「回転焼き・今川焼き」を「おやき」と言います。

サザエのおやきは、あんこもイイけど、酪農王国北海道はカスタードクリームもお薦めです。
サザエ食品とは、十勝の小豆を使用したおはぎ、今川焼をはじめ、おにぎりや、おこわを販売している、北海道のデパ地下で抜群の知名度を誇る、食品のお店。
サザエ食品の名前の由来は、長年にわたり日曜の夕方を知らせる人気漫画の「ザザエさん」。
創業者は、函館の朝市で食堂を営んでいた女性で、主人公のサザエのようなお人柄だったそうです。

日本の農地面積1/4を占める北海道のソウルフードで、昭和のダンディズム、石原軍団の御用達でも名を馳せたのが「サザエの十勝おはぎ」です。

当時の爆破豪快ドラマ「西部警察」で、北海道ロケに来た石原軍団が、今や「水曜どうでしょう」の聖地で知られる “平岸高台公園”で、ハリウッド映画の舞台挨拶なみにヘリコプターが飛び交うイベントを行い、あの丘を埋め尽くす人の波の中から、サングラスの大門団長を見た小学生の頃の記憶が、ヨミガエル、味。

大き目のぼってりとしたフォルム。
大きなおにぎりのような半殺しのもち米に、北海道産の小豆の旨味を感じる粒あんをまとったおはぎ。創業の地、函館の朝市でおやつ代わりに振る舞っていたところ評判を呼び、おはぎ屋さんへ転身したという、サザエのアイディンティティとも言える逸品から、創業者のあたたかな人柄をも感じます。

そのおはぎを、西部警察の北海道ロケでの際に、石原軍団の小林専務が食べて気に入り、石原裕次郎さんへお土産で持ち帰って以来、石原軍団の差し入れで使われるようになったある日のこと。

「北海道から取り寄せるのが面倒なので、三越に入ってくれないか?」

と、サザエは石原軍団の依頼で、日本橋三越へ東京初出店したそう。1回の発注が数百個と言われる、石原軍団のおはぎ注文は、サザエの発展にも繋がったことと思いますが・・・

日本橋三越本店 ライオン像
日本橋三越本店 ライオン像


現在、日本橋三越にあるサザエ食品の本社所在地は「兵庫県」

首都圏の事業不振から、2015年、サザエ食品は大きな痛みを伴う変革を余儀なくされ、北海道事業は白い恋人の石屋製菓、首都圏から西は、かつてのれん分けした創業家の親族でもあるサザエ食品が営んでいます。
石原軍団とともにサザエも変化されましたが、日本橋三越のあんこの味は変わりません。

ちなみに、元石原軍団 舘ひろしさんの「舘プロ」は差し入れおはぎ文化を継承し、ご自身で選び抜いた「柿安のおはぎ」をお使いだそうです。

今度、大門団長のサングラスをかけて、サザエと柿安のおはぎを食べ比べてみようと思う、和菓子ソムリエ 赤阪美附です。

和菓子ソムリエ

北海道・札幌生まれ、東京在住。無類のあんことお餅好き。コロナ禍で和菓子離れが囁かれたことがキッカケで、和菓子のおやつ喚起「テレワークは3時に和菓子を」をテーマに、和菓子の紹介や和菓子屋さんの創業史をinstagram・音声メディアVoicy ・twitterから発信しています。本業はセールスプランナー・講師。

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