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「50代で貯蓄ゼロ」「老後資金が不安」手遅れ寸前から逆転した人の“3つの条件“

あき/家計管理アドバイザー家計管理アドバイザー

老後資金の準備が必要になる50代を「貯蓄ゼロ」で迎えてしまった人は、もう「手遅れでは?」と心配になることもあるでしょう。

しかし、なかには「50代からの貯蓄に大成功」という逆転ストーリを持っている方にお会いすることもしばしばです。

そこで今回は、家計管理アドバイザーから見た「50代から貯蓄に大成功した人の条件」をご紹介します。50代からの貯蓄を成功させたい人は、ぜひ、参考にしてください。

1:支払いを整理する

50代に突入したばかりのAさんは、大学生のお子さんと高校生のお子さんがいらっしゃることから、学費の支払いに苦しめられていました。奨学金の支払いはもちろん、カードローンなどで借入れもある上、下のお子さんの塾の費用や、もともと浪費家なことから無計画な出費も重なり、借金を借金で返すようなサイクルになりつつありました。

「このままでは破産する」という危機感から、本格的に家計の見直しに着手。まず奨学金のような金利の低いものより、カードローンのような金利の高いものの繰り上げ返済からスタートしました。浪費家だった生活を改め、数年間は旅行なども控えめにしたそうです。その結果、まずカードローンの完済に成功。その後は、学費の支払いも徐々に終わったことから数年後には貯蓄数百万円を築くまでになっていました。

50代は、子どもの学費など、大きな支払いをいくつも抱えている人が多く見られます。しかし、その大きな支払いに対し、「借金で借金を返済する」というサイクルから早めに脱却できたことがAさんの成功の秘訣です。

2:老後に借金を残すのやめた

Bさんは、遅めの結婚だったこともあり、住宅ローンを組んだのが40代。35年ローンで70代まで支払いが残っていることに50代になってから危機感を覚えたそうです。お子さんも小さく、60代まで学費の支払いも続きます。40代の頃は「60代、70代も仕事をすれば大丈夫だろう」とたかをくくっていたそうなのですが、50代になり健康面でも少しずつ心配なところがでてくると、とたんに「60代、70代まで今の収入を維持できるだろうか」と不安になったそうです。

そこでBさんは、お子さんが中学受験を希望しなかったこともあり、公立の中学校への進学を決定。その分、お子さんの学費といざとなったら住宅ローンの繰り上げ返済をできるだけの貯蓄を50代では意識したそうです。その結果、お子さんの学費を無借金で支払うことに成功。学費の支払いに借金をしなかったことから、その分住宅ローンの返済も視野に入れた貯蓄にも成功するなど、お金の循環が良くなったそうです。

晩婚化の傾向から、老後資金の準備をすべき時期に、お子さんの塾の費用や学費などの支払いが重なってしまう人が多く見られます。若年夫婦よりも、所得が高いことから、お子さんの教育費が過剰になりすぎてしまう人も多い中、Bさんは公立の中学校を選択したことでぐっと教育費を抑えたことが成功の秘訣です。

3:思い切って副業を始めた

Cさんは、50代になるまで貯蓄がなかったそうですが、ケチケチと節約するのは性に合わず、「とにかく収入を増やして何とかするしかない」と考えたそうです。

そこで、これまでの経験を生かして、副業を開始。比較的早い段階で、そこそこの収入が出せるようになったことから、起業仲間からは「そろそろ独立しては」と言われるまでになったそうです。しかし、Cさんは「あくまで副業」という路線を貫き、本職を継続しながら、副業で得た収入は「なかったもの」として貯蓄に回したそうです。その結果、50代で大きく貯蓄を増やすことに成功。定年後は副業を中心とした仕事の継続にも関心を持っているとのことです。

「貯蓄ができないのであれば、その分仕事を増やして収入を増やせばいい」と考えるのはもっともなことですが、実はそれと同時に多いのが「収入が増えても、その分支出が増えてしまう」という現象です。20代よりも収入が高いことの多い50代は、収入が多くなる分、支出も多くなりがちですが、Cさんは、収入が増えても支出を増やさなかったことが成功の秘訣です。

50代からの貯蓄を成功させるには

反対に、50代でも貯蓄に成功しにくい人は、上記のような条件に当てはまらない人が多く見られます。「払えない支出は借金で返せばいい」「子どもの教育費は借金をしてでも払うべき」「収入さえ増やせば貯蓄も増える」といった思い込みから、老後に向けますます苦しい家計にしてしまう人も見られます。

思い描いた老後の生活を実現するためにも、50代は大切な時期です。「気づいた時には手遅れだった」とという悲しい思いをしないよう、早めの行動を心がけましょう。

家計管理アドバイザー

家計簿・家計管理アドバイザー。東京都在住。子供3人の5人家族の主婦。家計簿歴20年以上。主婦業、家計簿、家計管理、ポイ活などが専門。テレビ出演や雑誌などへの掲載多数。著書に「あきの新ズボラ家計簿(秀和システム)」「ズボラ家計簿」練習帖(講談社)など。

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