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子どものお小遣いはいくら?子ども3人主婦も実感!いまどきの“子どもの小遣い事情”

あき/家計管理アドバイザー家計管理アドバイザー

子どもが大きくなると、「子どもの小遣い」について悩むことが増えませんか?

筆者にも3人の子どもがいますが、子どもが大きくなるにつれて、いまどきの「子どもの小遣い」については実体験としても「悩ましい」と感じることが多くなりました。

今回は、3児の母としての経験談と、これまで家計相談をお引き受けしてきた事例から、「いまどきの子どもの小遣い」について、ご紹介します。

お子さんがいらっしゃるご家庭の「あるある」を通じて、ご家庭のマネーリテラシーを高めるきっかけにしていただければ幸いです。

知っておきたい!いまどきの子どもの「小遣い事情」

高校生、中学生、小学生の3人の子どもがいる筆者ですが、過去の家計相談の事例や、実際の子育ての経験論からも、最近の子ども達の小遣い事情は、私たちが子どもの頃とは大きく変わってきています。

100円を握りしめて買い物に行く、昔ながらの「駄菓子屋」のような場所は少なくなりましたし、今では大人もピピッとタッチするだけで支払いを済ませる「キャッシュレス」が当たり前の時代です。共働き世帯の増加、少子化、成年年齢の18歳への引き下げ、学校での金融教育のスタートなど、お金に関する環境も、昔とはずいぶん異なっています。

今、まだ幼いお子さんがいるご家庭では、家庭教育の一環として「そろそろ、うちの子にもお小遣いを」と考える時期かもしれませんが、やはり「子どもの小遣い」は、いまどきの事情を考慮した上で、「いくら渡すのか」「どのように渡すのか」と言ったことを考えてほしいと思います。

子どもの小遣いで増加している「キャッシュレス」

まず、いまどきの子どもの小遣い事情として考えたいのは、キャッシュレスをめぐるお金の使い方です。

「デジタルネイティブ」という言葉もあるように、幼いころからIT製品に触れてきた子ども世代にも、キャッシュレスは当たり前のように浸透しています。

幼い子どものおままごとでも「支払いはカードでお願いします!」などというセリフが飛び交っているのを目の当たりにした時は、時代の変化を感じたものです。

そのような時代の変化を受け、最近の子どもは、親からの小遣いとして、キャッシュレスの「個人間送金」を利用しているという声も多く聞くようになりました。

親としても、現金を持たせるよりも紛失の心配が少なく、親と行動を共にしていない時に小遣いが足りなくなった時にも即座に対応できるという安心感から、個人間送金を選択する人が増えています。

「キャッシュレス」で金銭感覚が薄くならない工夫を

小銭をジャラジャラと財布に入れる必要もなく、ピピッとタッチするだけで支払いが済ませられるため、キャッシュレスは大変便利なツールです。しかし、このキャッシュレスの浸透により、「お金を使っている感覚」が希薄になっている人が増えているのも事実です。

大人でも金銭感覚がマヒしやすいものですから、当然子どもの金銭感覚も育ちにくく、クレジットカードは「いくらでもお金が出てくる魔法のカード」だと勘違いしている子どももいます。小遣いをキャッシュレスで渡す場合には、足りなくなったらすぐに送金するといった「ダラダラ渡し」をしないなど、「キャッシュレスならいくら使ってもいい」と言う勘違いをさせない工夫をしましょう。

共働き世代に増えている際限のない「都度渡し」

近年は、「パワーカップル」という言葉もあるように、夫婦共働きで、世帯年収の高いご家庭も増えてきています。

「お母さんは専業主婦」というご家庭より、「お母さんはバリキャリ」というご家庭も増えてきました。

それに加え、少子化問題もあり、「子ども1人にかけられるお金が多い」というご家庭も増えてきています。

世帯年収が高いことは、お金を使って行動する自由度が広がるという点では非常にすばらしいことです。しかし、とはいえ、「子どもに欲しいものは何でも与える」「足りなくなったらすぐに小遣いを追加する」といった行動をとっていると、子どもは「うちにはいくらでもお金がある」といった勘違いをし始めます。

世帯年収の割に貯蓄が少ないご家庭であるにもかかわらず、お子さんに金銭教育をしていなかったがために、お子さんが毎月のように友達と遊園地に出かけたり、ブランド物の洋服を買いあさったりして、家計を余計に苦しめるようなケースもありますから注意しましょう。

子どもの健全な金銭感覚を育てよう

「欲しいと言えばいくらでももらえる」と考えてしまうお子さんは、お金の重みを知らないことが多くあります。なかには、「お金がないから買えない」といった経験に乏しいため、「欲しいものを我慢する」ということが苦手で、欲しいものが手に入らないとかんしゃくを起こすようなお子さんもいらっしゃいます。

実際に、世帯収入が高めなご家庭では、高校生前後のお子さん1人の月の小遣いが「パートで1ヵ月働くのと同じくらい」というケースも珍しくありません。もちろん、それだけの小遣いを渡しても生活できるほど世帯収入が高いということもできますが、お子さんには「そのお金を稼ぐにはどれだけの労働が必要か」といったこともしっかり伝え、「お金は遊んでいるだけで簡単に手に入るものではない」という、お金を手にするための厳しさも伝えましょう。

さらには、親自身が「なくなったら小遣いを渡しているので、子どもにいくら小遣いを渡しているかも知らない」といったケースもありますから、まず親自身の金銭感覚をしっかりすることも大切です。

子どもの小遣いについて考えよう

子どもの小遣いは、昔のように「毎月いくらと決めて現金で手渡しすればよい」といった風潮ではなくなってきています。

少子化だからこそ、「子どものために」と小遣いが多くなりすぎてしまうご家庭や、お子さんの金銭感覚がマヒしてしまうケースが多くなっています。さらに、キャッシュレスという昔とは違う支払い方に、親自身がうまく適応できていないケースも見受けられます。

だからこそ、まず親自身がお金に無頓着にならないように注意しましょう。なおかつ、「月にいくらまでなら使ってもいい」といった金額を具体的に提示し、「小遣いを無計画に使わせすぎない習慣」をつけてください。その上で、細かなお金の使い方や、労働と報酬といった社会の仕組みについて説明すると、お金を大切にしながらお金を使うといったことにもつながると私は考えています。

お小遣いを「お子さんの欲求を叶えるための道具」にするのではなく、お金の使い方やお金の大切さを学ぶための「教育ツール」としてぜひ活用してくださいね。

家計管理アドバイザー

家計簿・家計管理アドバイザー。東京都在住。子供3人の5人家族の主婦。家計簿歴20年以上。主婦業、家計簿、家計管理、ポイ活などが専門。テレビ出演や雑誌などへの掲載多数。著書に「あきの新ズボラ家計簿(秀和システム)」「ズボラ家計簿」練習帖(講談社)など。

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