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【新宿区】アコースティックな音の響きに酔いしれる!和楽器バンド「HIDE×HIDE」の月イチLIVE

嵐山ゆりかライター(東京都新宿区)

東京メトロ「飯田橋駅」B3出口から徒歩3分。神楽坂の路地の奥に、アコースティックな音が楽しめるホール「神楽坂THEGLEE(ザグリー)」はあります。

ここで毎月ライブをしている和楽器バンド「HIDE×HIDE(ヒデヒデ)」
HIDE×HIDEは、石垣秀基さん(尺八)と尾上秀樹さん(中棹三味線)のユニットで、伝統的な邦楽の枠を超え、メロディアスでアグレッシブな音楽が大変魅力的です。

2007年にデビューして以来、日本のみならず海外でも精力的に公演活動をしているHIDE×HIDE。8年前から神楽坂THEGLEEで月イチLIVEをしています。
9月18日のLIVEでは105回目!今回はそのLIVEのようすをご紹介いたします。

会場入り口のようす

THEGLEEの看板の傍に、HIDE×HIDEのボードが用意されています。

THEGLEEの入口
THEGLEEの入口

「HIDE×HIDE月イチLIVE 三尺秀水(さんじゃくしゅうすい)~ZIPANG~」というタイトルが、105の数字の向こうにデザインされています。これはTHEGLEEのスタッフの方が書かれたものですが、見ているだけでもわくわくしてきます。

四字熟語「三尺秋水」をHIDE×HIDEお二人の名前「秀」に変える遊び心よ!
四字熟語「三尺秋水」をHIDE×HIDEお二人の名前「秀」に変える遊び心よ!

オリジナルカクテル

会場の受付でチケット代(事前予約4,500円)とドリンク代(800円)を支払います。その際、HIDE×HIDEのお二人が考案されたオリジナルカクテルがあることを教わりました。毎月、アルコールの有無を交代しながら考案されているそうです。

今回はアルコール入りの「ビックロープ」と、ノンアルコールの「SANPAI(さんぱい)」。
初めて聞く名前に、どんな味なのか想像がふくらみます。

可愛いデザインのメニュー!解説文にも期待が高まります
可愛いデザインのメニュー!解説文にも期待が高まります

今回はLIVEのレポートをしたいので、石垣さん考案のノンアルコールカクテルをいただきました。
ジンジャーエールとライムジュースのさっぱり感が、LIVEのあった暑い日にはぴったりでした。

「SANPAI(さんぱい)」で乾杯!
「SANPAI(さんぱい)」で乾杯!

ちなみに、オリジナルカクテルの名前について、LIVEのトーク中に種明かしがありました。そのやりとりがチャーミングで!音楽だけでなく、お二人の人柄にも惚れた瞬間でした。

いざ、LIVE!

ライブ会場に入ると、会場中央は舞台まで続く通路で、左右に客席が配置されていました。飲食ができるようにテーブルも配置されていて、ゆったりと座れます。手荷物を各座席下にしまえるように籠が用意されていて、リラックスして過ごせる工夫が有難かったです。

開演前の会場は、小鳥のさえずりのBGMが流れていました。その音量が小さくなると、HIDE×HIDEのお二人と、共演するピアニストのワキマル・ジュンイチさんが登場!

ピアノから始まり、3人の演奏が重なると、会場の空気が一気に変わりました!

1曲目は、「妖艶なる舞~タマミツネ」。一気に異空間へ連れていかれるようです!
華やかで激しいメロディーかと思えば、しっとりと、尺八のかすれたような音(ムラ息)や三味線の弦をシュッとするような小さな音まで聞こえてきます。伝わってくる音の振動と表現の幅広さに、一曲目から鳥肌がたちました。

2曲目の「unison!」では、会場から手拍子が起きました。
和楽器で手拍子?と思われるかもしれませんが、もう、ここはHIDE×HIDEワールド!自分の鼓動がドラムのようにドキドキと聞こえるようです。

HIDE×HIDEのお二人とも長身の美丈夫。演奏をずっと見ていたい気もしますが、あえて目を閉じると…会場全体が、そして自分の身体の全てが、音に包まれていることを実感します。例えるなら、舞台から風が吹いてきていて、その風が胸の内を通るような…内側から清められるような。極上の音楽を全身に浴びて、体の芯から共鳴するようです。生の音の醍醐味がここに!

それにしても、曲間に語られるお二人のトークの楽しさと言ったら、たまりません。
尾上さんの可愛らしいボケ(?)に石垣さんが優しく突っ込むのが、じわじわ笑いを誘います。音楽を聴きに来たはずなのに、トークが終わるのが残念だなんて…。
LIVEの前半と後半の間に20分間の休憩があるのですが、休憩時間の途中からお二人のトークタイムがあって、本当に嬉しかったです。

最後のアンコールでは、アンプラグドの演奏も!
最後のアンコールでは、アンプラグドの演奏も!

和楽器というと、以前の私のイメージだと「格式が高く、古典的な上品な音楽」といったものでした。
でもHIDE×HIDEの音楽は、民謡からロックなものまでジャンルの幅が広く、しかも音が素晴らしく美しい!
HIDE×HIDEのLIVEを初めて体感して、和楽器のイメージが覆されました。和楽器の表現できる音楽の可能性は、限りなく広がるように感じました。

石垣さんの尺八は、龍が歌うならこのようなものかと思い、尾上さんの三味線は、温度までも伝わってきそうな情感たっぷりな艶めいた音。感動している間に、2時間ほどのLIVEはあっという間に過ぎてしまいました。トーク中にも話題にあった「楽しい時間ほど早く過ぎる」現象は、本当です。

物販コーナー

LIVE会場らしく、CDなどの販売もありました。全部欲しくなってしまいます。
今日は公演のサブタイトルがZIPANGだったので、私はアルバム「ZIPANG」を購入しました。

CDジャケットのデザインは、かっこいい系から可愛い系まで。お二人のキャラクターを感じさせます。
CDジャケットのデザインは、かっこいい系から可愛い系まで。お二人のキャラクターを感じさせます。

トーク中に案内のあった、尾上さん直筆POPの「夕暮れの散歩道」があります。
そして、ピアノのワキマル・ジュンイチさんが11月12日にするLIVEのチラシもあります。

ワキマル・ジュンイチさんの分も、F-O-A2のもあります
ワキマル・ジュンイチさんの分も、F-O-A2のもあります

お知らせ

尾上さんは9月がお誕生日!バースデーライブが9月24日(日)に四谷LiveBar Grottoで開催されます。詳細は尾上さんのホームページに掲載があります。まだご存じでない方、ぜひご確認くださいね。

HIDE×HIDEの月イチLIVEは、第1回からニコニコ動画公式サービスで配信されています。やむにやまれぬ事情でライブ会場まで行けないファンには有難い限りですね。
HIDE×HIDEのホームページに詳細が記載されておりますが、ニコニコ動画にある「HIDE×HIDEチャンネル」の有料会員になると特典があります。月イチLIVEのチケット予約時に申し出れば、定価より500円割引で購入できます(4,000円)。石垣さん曰く、「出血サービスならぬ、ただの出血」とのこと。ファンとしては申し訳ないような…でも嬉しいですね。

コロナ禍の自粛期間では、2回無観客LIVEをされたそうです。8年前からオンライン対応されていた時代感覚が素晴らしいですね!
100回以上も毎月LIVEを続けてこられたのは、尾上さん曰く「楽しかったから」とのこと。「楽しさがありつつも、半分は意地」とは石垣さん談。
LIVEを体感してみて、心の底から楽しかった身としては、楽しさと意地を通してくれたお二人の心意気に、感謝と尊敬しかありません!

LIVEが終わって

終演後、来場したお客さんを見送る笑顔のお二人。「ありがとうございました」と言ってくださるけれど、極上のLIVEをこちらこそありがとうございました!
今後のLIVEも、ますます楽しみです!

終演後の石垣秀基さん(左)、尾上秀樹さん(右)
終演後の石垣秀基さん(左)、尾上秀樹さん(右)

HIDE×HIDE月イチLIVEは、次回106回目の公演は10月16日(月)18時30分開場、19時30分開演。
その後は11月6日(月)、12月11日(月)の予定です(開演時刻は上記と同じ)。

お店の情報
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神楽坂THEGLRR(ザグリー)
【住所】東京都新宿区神楽坂3-4 AYビルB1
【電話番号】03‐5261‐3123(イベント開催日のみ)
ホームページ
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本日のセットリスト
1.妖艶なる舞~タマミツネ(作曲 裏谷怜央)
2.unizon!(作曲 石垣秀基)
3.一龍万倍(作曲 尾上秀樹)
4.炭鉱節(福岡県民謡)
5.Dark eyes(ロシア民謡)
6.閃烈なる蒼光~ジンオウガ(作曲 牧野忠義)
7.百渡世(作曲 石垣秀基)
8.トンテケトン(作曲 尾上秀樹)
9.明鏡(作曲 杵屋正邦)
(休憩)
10.ピアノソロ alone again(作曲 ギルバート・オサリバン)
11.Plaisir(作曲 尾上秀樹)
12.Symphony No.2(作曲 セルゲイ・ラフマニノフ)
13.悠久の刻(作曲 ワキマル・ジュンイチ)
14.ZIPANG(作曲 尾上秀樹)
15.一期一会(作曲 尾上秀樹)
16.颯(作曲 石垣秀基)
~アンコール~
輝ける秋の水(作曲 石垣秀基)

ライター(東京都新宿区)

新宿区在住15年。華やかな繁華街のイメージだけではない、暮らす街としても魅力的な新宿をお伝えいたします。

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