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【丸亀市】柔らかベーグルは子供と高齢者にもGood! 東京から移住7年の店主が焼く10種のフレーバー

ちぃちぃライター(丸亀市・善通寺市)

丸亀市内の住宅街を走っていると、田んぼの脇に突然ぽつんと小さなベーカリーが姿を見せます。ベーグルだけ10種類ほどを提供しているベーカリー「旅ベーグル」(丸亀市中津町)です。東京都台東区から移転して7年。香川県内外のマルシェでお馴染みの人もいるかもしれません。知る人ぞ知る丸亀のベーグル店にお邪魔しました。

平日9種類、土日12種類が並ぶ

店内に入ると、焼き立てベーグルの香りがふんわり漂っていました。プレーン、エブリシ ング、レーズンなど9種類が並びます。平日は9種類、土日・祝日は12種類のベーグルを 焼いているそうです。

午前と午後の2回、焼き立てのベーグルが並びます
午前と午後の2回、焼き立てのベーグルが並びます

オーナーの松村純也さんは、朝は午前3時半からベーグルを焼き始めます。「オープンの時間は焼き立てが並ぶのですが、それを目がけて近所の人が買いに来てくれることが多いです。時には、パジャマ姿のお父さんが『家族に頼まれたから』と買って帰ることも」と松村さん。

定番のプレーンベーグルは250円。ベーグルといえば、噛み応えのあるハードなタイプをイメージしますが、「旅ベーグル」では、あえて柔らかく焼いています。松村さんは「丸亀には、お年寄りもたくさんいらっしゃるので、食べやすさを大切にしています」と話していました。

棚に並んだベーグルから、松村さんのオススメを教えてもらいました。今日のオススメは、デュカ、あんこ黒ごま、アールグレイ・オレンジピールの三つです。いずれも280円。

デュカは、中東のスパイスのことで、クミン、黒ごま、アーモンド、コリアンダー、フェンネルの5種類が混ざっています。一口食べてみると、ほんのりスパイシーな味わいでした。

スパイシーな風味の「デュカ」
スパイシーな風味の「デュカ」

松村さんは「ベーグルにデュカを使ったのは、僕が初めてだと思います。お好みでさまざまなスパイスの組み合わせが楽しめるのですが、僕の場合はアーモンドや黒ごまの甘さを加えています」と教えてくれました。

あんぱん風に食べられる「あんこ黒ごま」
あんぱん風に食べられる「あんこ黒ごま」

次に、あんこ黒ごまにもチャレンジ。「あんぱんのような感覚で、楽しんでほしいベーグ ルです」と松村さん。優しい甘さのあんこが練り込まれていて、黒ごまが入ることで、引き締まった印象を醸し出していました。

三つ目のアールグレイ・オレンジピールは、他にはあまりないユニークな組み合わせ。「紅茶が好きな人が多いので」(松村さん)、発案されたレシピだそうです。

松村さんは「ベーシックなベーグルの味を壊さないように焼き上げています。ここから、 サンドイッチに使ってもらったり、ご家庭で自由にアレンジしてもらえたら」と話していました。

年間ベースでは、40種類ものベーグルを焼いているとか。お芋など季節の素材を使った限定ベーグルも登場するので、時々足を運んでみると新たな出合いがあるかもしれません。日曜日や祝日は早い時間帯に売り切れることもあるので、気をつけてくださいね。

旅とベーグルの組み合わせ

ところで、「旅ベーグル」という詩的な店名は、どこに由来があるのでしょうか。松村さんが東京都内でベーグル店を開いたのは、2006年。会社員を辞めて独立するために、どんなお店が良いか検討を重ねていたそうです。

住宅街の角に立つ「旅ベーグル」の看板
住宅街の角に立つ「旅ベーグル」の看板

「単品で出せる食べ物という条件で、ベーグルに決めました。独学でベーグルを勉強したので、どこかで修行したような経験はないんです」と松村さん。お店のネーミングは、「みんなが好きなもの。愛されるもの」にしようと思い、電車に乗っていた時に「旅」という雑誌の広告が目に止まったので、旅とベーグルを組み合わせたとのこと。

「深い意味はなかったのですが、その後、『世界を旅するように』して集めた素材でベー グルを焼いているという意味も、持たせるようになりました。後付けなのですが」と笑顔で教えてくれました。

丸亀市内に移住したのは、子育て環境を考えてのことでした。「東京では当時、待機児童の問題があって、子育てにとてもお金がかかってしまうことが悩みでした。そんな時に、 丸亀にある妻の実家に相談したら、空いているスペースでベーグルの店を構えることができたんです」。

移住してみての感想は、「正解でした」と松村さん。空港や新幹線にもアクセスしやすい ので、関東や関西に出かける際も不便を感じないそうです。「おじいちゃん、おばあちゃんと日常的に接することができるので、子供たちにとっても良い選択だったと思います」 と話していました。

実は2018年から、丸亀市のふるさと納税の返礼品にもベーグルが採用されています。「ふるさと納税で選んでくれる方は、東京都内の方がほとんどです。移住する前からのお客さんが通販で定期的に購入してくれる場面も多いのですが、ずっと忘れないでいてくれるのは嬉しい限りです」。

東京都内と丸亀市内の両方で、ファンが育っている旅ベーグル。松村さんは「僕の中で は、『丸亀の旅ベーグル』という気持ちも大きくなっています」と笑顔で話していました。野菜が手に入った土日などには、イレギュラーでサンドイッチを作ることもあるそうです。お店にサンドイッチが並んでいたら、「ラッキーな一日だ」と思えるかもしれませんね。

「旅ベーグル」の外観。小さなコンテナ風の店構え
「旅ベーグル」の外観。小さなコンテナ風の店構え

基本情報
名称 : 旅ベーグル
住所 : 香川県丸亀市中津町979
アクセス: JR丸亀駅から車で10分程度(駐車場1台)
営業時間 : 午前9時15分から午後4時(火曜から金曜)、午前7時半から午後4時(土日・ 祝日)、各日とも午前11時半から午後12時半は昼休み
定休日 : 毎週月曜日(イベント出店などで臨時休業あり。年末年始)
電話番号 : 0877-43-2341
公式サイト

ライター(丸亀市・善通寺市)

ヘルシーなごはん、そして、雰囲気を含めた「心地よい食体験」が大好きです。時には、知的な発信も手がけたいと思っています。香川県丸亀市・善通寺市での時間を楽しんでいただけたら嬉しいです。

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