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【丸亀市】ビールの多様性と出合えるブリューパブ 今なら桃のクラフトビールがオススメ

ちぃちぃライター(丸亀市・善通寺市)

丸亀駅の北側に倉庫を改装したブリューパブ「MARUGAME MIROC BREWERY(丸亀ミロク・ブルワリー)」があります。クラフトビールの醸造とパブの機能を一体化させており、多様なビールを楽しめるとあって、ビール好きが集う名店。代表兼醸造責任者の岩城知明さんを訪ねました。

独特の個性が楽しめるビール

メニューを開くと、個性的なクラフトビールが9種類ほど並びます(ハーフパイント660円)。フルーティだったり、苦味がしっかりあったり。迷ってしまう人のために、岩城さんのオススメを教えてもらいました。

ライ麦を使った「般若」
ライ麦を使った「般若」

最初に紹介してくれたのは、「般若」。ライ麦を使ったIPAです。IPAとは、ホップを大量に使っており、香りや苦味がかなり強いのが特徴。「苦味とコクがありながら、どんな料理にも合いますよ」と岩城さん。

ラベルには、般若の怖い顔がデザインされていて、いかにもパンチのある飲み口が想像できます。店内で飲む場合は、口の広い特性グラスに注いでくれます。

飯山町の桃を使っている「夏っ子」
飯山町の桃を使っている「夏っ子」

次に、季節のビールとして、「夏っ子」を上げてくれました。こちらは、桃を使ったビールで、果汁のフレッシュな味わいが色濃く残るサワーセゾンです。一般的なビールのテイストとは大きく異なる個性があって、後味に酸味が残ります。

丸亀市飯山町は桃の栽培でよく知られていますが、農家から「桃でビールを作れませんか」という提案があって実現。「桃とビールなんて変わった組み合わせですね」と質問すると、「一緒に発酵させると、ビールの液体と桃の液体が一つになっていきます。ワインのようなキャラクターですよ」と教えてくれました。10月いっぱいくらいまで飲めるそうです。

グループでも一人でも楽しめる店内
グループでも一人でも楽しめる店内

ミロクブルワリーのビールは、海外の麦芽とホップを使い、土器川の伏流水を仕込みに使用。非熱処理で無ろ過の酵母が生きているビールです。地元の水で作るビールは、丸亀を飲み干すような風情にも浸れるので、とても味わい深いと感じました。

実は、ビールのネーミングも個性的なんです。「阿字観(あじかん)」「麻麦(まばく)」「旋風」など、漢字を使った和のテイストが中心。「阿字観」は、空海の瞑想方法のことで、「麻麦」は、ブッダの修行のことです。仏教にちなんだ言葉が選ばれていました。

色とりどりのラベルもクラフトビールの楽しみ
色とりどりのラベルもクラフトビールの楽しみ

ラベルのかっこよさも手伝って、どのビールも岩城さんが作り出すクールな世界観を体現していると感じました。一つ一つの違いを味わいながら、好みのビールを飲み比べて探す人も多いそうです。

「うちは、ビールだけの店だと思われがちなんですが、ワインも置いていますし、他のドリンクもこだわって作っています。料理は地産地消を意識して、丁寧に作っているんですよ」と岩城さん。

パブでは、人と人が出会うことに意味があると考えている岩城さんは、ビールが飲めない人も楽しめるように、ソフトドリンクにはクラフトコーラやミネラル発酵ドリンクなどを準備。いずれもこだわって作られています。

地産地消を意識した料理(提供)
地産地消を意識した料理(提供)

また、有機栽培の野菜を使ったサラダや瀬戸内海の地魚を使った料理も自慢です。例えば、ビールのお供として定番の「フィッシュ・アンド・チップス」では、魚は瀬戸内海のもの、じゃがいもは香川県産のキタアカリが使われています。

「旬のものが美味しいという考えが根底にあります。丸亀では新鮮な素材が手に入りやすいので、そのメリットを活用しています」

岩城さんの話を聞くと、料理メニューにも丸亀らしさが感じられるように思えました。

「ビールなら情熱で負けない」

「ミロクブルワリー」について語る岩城さん
「ミロクブルワリー」について語る岩城さん

美味しいクラフトビール文化を丸亀にもたらした岩城さんですが、以前は造船の仕事をしていました。「当時、造船に対する熱意が周りには勝てないという悩みを抱えていました。でも、サイレンスバーという世界のビールが置いてある店と出合い、そこでビールの面白さを知っていたんです」

ブリューパブというスタイルを知ったのもその頃でした。自由に表現できるビールに魅了された岩城さん。「丸亀でやってみたい」という気持ちが強くなり、2017年のオープンにこぎつけます。それまで、関東などにビールを学ぶために足を運んだそうです。

「ビールは多様性があって面白いんですよ。ビールへの情熱なら負けないという思いで、クラフトビールを始めました。今もその情熱は変わらずあります」と、岩城さんは目を輝かせていました。実際にミロクブルワリーで飲めるビールは、華やかさがあったり、どっしりしていたり、多様性に富んでいます。

店の楽しみ方は、ビールだけでなく、夜カフェやバー、居酒屋っぽく使ってもらってもオッケーだそう。午後2時からオープンしているのは、「昼に飲めるととても自由を感じるから。お客さん同士も仲良くなりやすいんですよ」と教えてくれました。

そして、「ビールが好きな人も飲めない人も、ぜひ、気軽に来てみてほしい」というメッセージをくれました。決まったスタイルにこだわらない自由な雰囲気が、ミロクビールの魅力だと感じました。

雰囲気がある「ミロクブルワリー」の入り口
雰囲気がある「ミロクブルワリー」の入り口

基本情報
名称 : MARUGAME MIROC BREWERY(丸亀ミロクブルワリー)
住所 : 香川県丸亀市北平山町2-5−15

アクセス : JR丸亀駅から車で4分程度(駐車場あり)
営業時間 : 午後2時から午後10時(金・土曜日・祝日の前は午後11時まで営業)
定休日 : 毎週月曜日

電話番号 : 0877-43-7067
公式サイト

ライター(丸亀市・善通寺市)

ヘルシーなごはん、そして、雰囲気を含めた「心地よい食体験」が大好きです。時には、知的な発信も手がけたいと思っています。香川県丸亀市・善通寺市での時間を楽しんでいただけたら嬉しいです。

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