【これが中国製品の末路なのか?】激安汎用エンジン「中華エンジン」で長距離ツーリングした末路がコチラ
いわゆる「中華エンジン」と呼ばれる中国製の汎用エンジンを搭載して 随分走ってきましたが、これまではノントラブルだったものの今回のロングツーリングで決定的な故障したので皆様にレポートしたいと思います。 同じエンジンを使っている方や興味ある方に、 少しでも参考になれば幸いです~!
(YouTubeへのリンクです)→ 【動いてたのが奇跡?】北海道まで2000キロ走った 中華エンジン 分解したらボロボロだった?よく頑張ってくれました。感謝しかないぞ!
原付バイク、リトルカブで北海道ツーリングに行ってきました。
ざっくりこんな感じのルートですが、
家からフェリーに乗るまでの距離を足せば往復でおよそ2000 km
なんたって頑丈さで有名なスーパーカブシリーズのバイクなので純正だったらなんてことないツーリングだったと思います
だけど今回はちょっと違うんですよ
搭載してるエンジンが純正品ではなくて、 いわゆる「中華エンジン」と呼ばれる中国製の
汎用エンジンでした。
ヤフーオークション落札したそのエンジン、値段聞いて驚くことなかれ12,840円!!
まあそんなこんなで無謀ともいえるようなツーリングに行ったのですが、 やっぱりというか予想通りの珍道中になりましてね~
折り返し地点である日本最北端宗谷岬の手前から変な音がし始めて、 手持ちの工具でなんとかごまかしながらも家まで帰ってくることはできました
帰宅後早速原因追求のためにエンジンを分解してみます
症状としては、エンジンの回転数に連動する「カチカチ」という音
そんでもって、ギクシャク感!
とどめが、走れば走るほどにパワーダウン!!!
普通ならばタペットクリアランスの調整不足による、 カムシャフトとロッカーアームの打音と判断する音なのですが、実際にシックネスゲージを使ってタペットクリアランスを見る限り、どうやらそうじゃないみたい
・・・はて? 原因はどこにあるのでしょうか。
次にオイルを抜いてみました
何か破片が出てきたらそれが決定的な問題になるのですが、 オイルは汚れてはいたものの異物の混入は認められず
そんなわけで次は腰上を分解してみました
案の定というか予想通りピストンにはかなりの傷が
何故か片側だけ傷がついているのですが、 でもこれは直接音の原因とは考えづらい
果たしてどこから音が出ているのか??
燃焼室はこんな感じ
プロではないので良い燃焼だったかどうかはよくわかりませんが、強いて言えばちょっと燃料が薄かったか?? でもここに音の原因は認められず
はてさて音の原因は腰下のクランクやミッションかなと思ったところで目に付いたのがシリンダーヘッドの中身
なんか変な汚れかたしてないかい???
真っ黒になっているだけなら見慣れていますが、なんか細かい粒上の汚れが付着してるように思います
なんかここが怪しい!!!!!
そんなわけで分解してみると
ぎゃあっ!!! わかったこれが原因だ~!!!
ご覧くださいこのロッカーアームの削れっぷり
そんでもってカムシャフトもこの有様
カム山が削れて、端っこの方がめくれ上がるほどの惨状・・・
エンジンからカチカチと音がしてタペットクリアランスを調整すると多少良くはなるもののまた10 km ほど走ると音が大きくなっていたので、 このカムシャフトがどんどん削れていってタペットクリアランスが広がっていたんですね
これで全ての謎が解けました!!
ここから悩みどころなのが中華エンジンの面白いとろ
さあここからが問題です
国産エンジンならばカムシャフトとロッカーアームを交換することによって一応はこのエンジンは復活するはずです
だけどこのエンジンは輸入もの。しかもノーブランドのエンジンなので、 そもそもどのメーカーが作ったかも分からず当然のごとく補修部品が手に入らないのです
中国の通販サイトを探す事によって見た目は似たような部品がいっぱいあるのですが果たしてそれが使えるという保証はどこにもないわけで
最悪の事態としては部品を買ったところでそれがまたすぐ焼きついたり削れたりする恐れがあるのです
この「中華エンジンあるある」で、下手に補修部品を探すよりもまた新しく新品のエンジンを買ってしまった方が金額的にも手間的にも安上がりと言われる所以がここにあるんですね~・・・
そもそも何でこんな事になってしまったのか??
でも問題の本質は
そもそも何でこんな状態になってしまったかってことなんですよね
一番考えられるのが単純に材質の強度不足
これは素材の脆さもありますが表面処理が足りてない可能性もあります
もう一つ考えられるのがオイルの潤滑不足
これはカムシャフト周りへのオイルの通路が何らかの原因で詰まってしまって供給されるオイルの量が極端に減っていたか、もしくはシリンダーヘッドオイルはあまり回っていなかったか、さらにはオイルポンプそのものが性能低下していた恐れも考えられます
暴力的な結論を言ってしまうと「やっぱり汎用エンジンは 品質的に国産エンジンには及ばないよね」 ということになってしまうのですが、 長持ちしているエンジンが存在することも事実なので、 やっぱりどこかしらでオイルの供給が不足していたと考えるのが自然なのかもしれません
こんな風にトラブルが起きてしまうのが、この「中華エンジン」の 最大の弱点である一方で、 品質の高い国産エンジンではまず起こらないトラブルであり、ドラマであり、これがまた楽しみでもある・・・そんなふうに感じてしまうのはちょっと変なのでしょうか(笑)
このリトルカブはまだまだ乗りたいので、新品のエンジンを買うか、補修部品を探してみるか、はたまた国産エンジンに戻すか?これはこれから考えてみます!!
(YouTubeへのリンクです)→ 【動いてたのが奇跡?】北海道まで2000キロ走った 中華エンジン 分解したらボロボロだった?よく頑張ってくれました。感謝しかないぞ!