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【ミッキーと戦隊が米国で共演?!】世界に輝く5つ星!!海外で躍進した日本のスーパー戦隊とは?

二重作昌満博士(文学)/PhD(literature)

みなさん、こんにちは!

文学博士の二重作昌満(ふたえさく まさみつ)です。

この度も、記事をご覧頂きまして誠にありがとうございます。

寒い日が続きますが、皆様元気でお過ごしでしょうか?

今回の記事のテーマは「スーパー戦隊シリーズ」です!!

さて突然ですが、皆様はスーパー戦隊シリーズをご覧になったことはありますか?

スーパー戦隊シリーズは、漫画家・石ノ森章太郎先生と八手三郎先生が原作の、カラフルなコスチュームを纏った5人のチームヒーローを主人公にした、東映製作の特撮ヒーロー番組です。

「5人揃って・・・!」秘密戦隊ゴレンジャー(筆者撮影)
「5人揃って・・・!」秘密戦隊ゴレンジャー(筆者撮影)

1975年に第1作「秘密戦隊ゴレンジャー」が放送されて以降、「ジャッカー電撃隊(1977)」、「太陽戦隊サンバルカン(1981)」、「恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)」、「海賊戦隊ゴーカイジャー(2011)」等、シリーズは継続され、現在放送中の「暴太郎戦隊ドンブラザーズ(2022)」まで全46作品が製作されました。

放送20周年「爆竜戦隊アバレンジャー(2003)」(筆者撮影)
放送20周年「爆竜戦隊アバレンジャー(2003)」(筆者撮影)

この記事を読んでくださっているお父様・お母様の中には、「子どもと一緒に観ているよ」という方や「子どもの頃に観ていたよ」という方もいらっしゃるかもしれません。

現在も毎週日曜日の朝番組として、仮面ライダーシリーズと並び放送されているスーパー戦隊シリーズですが、当シリーズは現在100カ国以上の国々で放送がされていることはご存知でしょうか?

海外でのスーパー戦隊シリーズの名前は・・・「パワーレンジャー(Power Rangers)」。

1993年よりアメリカでパワーレンジャーの放送が開始され、爆発的なヒットを記録して以降、現在も新シリーズの放送が継続される等、約30年にも渡って、日本生まれのカラフルなヒーロー達は世界中の子ども達の心に寄り添いながら悪と戦い続けました。

そこで今回は、パワーレンジャーのアメリカでの爆発的なヒットについて解説する傍ら、私自身がアメリカやニュージーランドでの本作を通じた体験談についてもお話ししたいなと思っています。

※概要的にお話をしますので、ゆっくり肩の力を抜きながら当記事をご覧頂けますと幸いです。

☆【クリントン大統領夫妻がホワイトハウスにご招待?!】アメリカで人気が大爆発!!

さて、パワーレンジャーが米国で放送を開始したのは1993年のこと。番組のタイトルは“Mighty Morphin Power Rangers(マイティ・モーフィン・パワーレンジャー)”と題し、ロサンゼルスやニューヨークの大都市圏で月曜日から金曜日にかけて午後3時からレギュラー番組として放送されました。(日本のアニメや特撮作品は、毎週1話ずつ新エピソードが放送される環境ですが、アメリカではチャンネル数も多い上、放送環境やペースも異なるのです)

“Mighty Morphin Power Rangers(1993)”(筆者撮影)
“Mighty Morphin Power Rangers(1993)”(筆者撮影)

番組内容は、スーパー戦隊シリーズ第16作「恐竜戦隊ジュウレンジャー」をベースに、日本人の俳優さん達の出演シーンを現地俳優さん達の出演シーンに差し替え、着ぐるみやミニチュアを使った戦闘シーンは日本で撮影した映像を流用する形で、約30分の番組として編成したものでした。

当内容で放送された本作は、アメリカで爆発的なヒットを巻き起こします。ロサンゼルス地区のテレビ局では最高9.1%の視聴率をたたき出した上、あまりの人気にクリントン大統領夫妻は本作の出演俳優をホワイトハウスへ招待したほどでした。

また関連商品の販売においても、本作の玩具を求めてショッピングモールに親達が殺到する現象が見られたほか、品薄となった玩具の取り合いで客同士の喧嘩が起こり、警察が出動する騒動にまで発展したそうです(実は、このパワーレンジャーの玩具が品切れした騒動を基に、1996年に公開されたアーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画「ジングル・オール・ザ・ウェイ(Jingle All the Way)」が製作されました)。

このように、アメリカで爆発的なヒットを飛ばした「マイティ・モーフィン・パワーレンジャー」は「アメリカの歴史上、もっとも成功した子ども番組」と評されるまでに至りました。

"Power Rangers Dino Fury(2021)"(筆者撮影)

その後も「忍者戦隊カクレンジャー(1994)」や「超力戦隊オーレンジャー(1995)」等、後に放送された日本のスーパー戦隊シリーズを題材に、パワーレンジャーシリーズが継続されていきました。米国放送開始30年目に当たる2023年には「騎士竜戦隊リュウソウジャー(2019)」をモチーフとした最新作“Power Rangers Cosmic Fury”のNetflixでの配信がスタートする等、その人気は留まることを知りません。

☆【なんでだ!ミッキーと戦隊が共演?!】ディズニーパークとストアにパワーレンジャー登場?!

さてここからはパワーレンジャーを巡る、海外での私の体験談についてお話ししたいと思います。タイトルのとおり、実はパワーレンジャーはミッキーマウス達ディズニーキャラクターと肩を並べ、アメリカのディズニーパークのパレードに出演したり、ディズニーストアで玩具が発売されていた時期がありました。

これには、アジア以外でのパワーレンジャーシリーズの放送権利が、2002年よりウォルト・ディズニー・カンパニーに移行したことが背景にあります。その後ディズニーが2011年に権利を別会社に譲渡するまで、パワーレンジャーはフロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内にあるテーマパーク「ディズニーMGMスタジオ(現在のディズニー・ハリウッド・スタジオ)」内のパレードに出演していたほか、ディズニーストアでもアクションフィギュアが販売されていました。

実は、私もアメリカ・ハワイ州の大型商業施設「アラモアナショッピングセンター」内にて当時営業していたディズニーストアに、玩具欲しさで訪れていたものでした。

アラモアナ・ビーチ・パーク(2018年筆者撮影)
アラモアナ・ビーチ・パーク(2018年筆者撮影)

あれは2007年のこと。ディズニーストアでは当時の最新作(「パワーレンジャー・オペレーション・オーバードライブ(轟轟戦隊ボウケンジャー)」)を中心に、店内でフィギュアがたくさん陳列され、脇目を見ればミッキーやミニーマウスの縫いぐるみがどっさり配置されているという、店内が非常に不思議な光景だったのもその時代ならではの良き思い出です(笑)。

※権利の関係で店内の写真が掲載できないのが惜しい・・・(泣)

”Power Rangers Operation Overdrive”放送時商品(筆者撮影)
”Power Rangers Operation Overdrive”放送時商品(筆者撮影)

住所:1450 Ala Moana Boulevard, Honolulu, HI 96814
電話番号:+1-808-955-9517
URL:https://www.alamoanacenter.com/ja.html(外部リンク)

私事ですが、コロナ前までハワイでロングステイをする機会がよくありました。ハワイの玩具事情ですが、ずばり「海外でのお買い物は一期一会」と考えております。                  

”Power Rangers Dino Charge(2015)”より悪役達(筆者撮影)
”Power Rangers Dino Charge(2015)”より悪役達(筆者撮影)

アメリカは国土が広いため、新商品の入荷時期が州によってばらつきがあるほか、クリスマスやニューイヤー等の時期は「ギフト」として玩具は買われることが多いので、「買うか買わないか、後で決めよう」と思って売り場に戻ったら商品が消えていたということがよくありました。ヒーローだけでなく敵側のフィギュアも売れるのが米国市場の特徴なので、皆様も海外旅行でハワイを訪れたら、是非お店の空気感の違いを楽しんでみてくださいね。

☆【それは未知への冒険!】スーパー戦隊の聖地・ニュージーランドへ行ってみよう!!

皆様は「ニュージーランド」と聞くと、どのようなイメージが思い浮かびますか?

キウイ? 自然アクティビティ? マオリ族? ジャイアントモア?

マジピンクの後ろ、世界的に有名なタワーとは?(2017年筆者撮影)
マジピンクの後ろ、世界的に有名なタワーとは?(2017年筆者撮影)

実はニュージーランドはこれまで、日本のスーパー戦隊シリーズやパワーレンジャーシリーズの撮影がたくさん行なわれてきた、ファンにとって正に「聖地」な国でもあるのです。

スーパー戦隊シリーズでは、「魔法戦隊マジレンジャー(2005)」や「獣拳戦隊ゲキレンジャー(2007)」の撮影(OP・ED)が行なわれているほか、パワーレンジャーシリーズも2003年から現在にかけてニュージーランドで撮影が行なわれてきました。代表的な場所のひとつは、ニュージーランド北島北部に位置する大都市オークランド。

オークランド市内。スカイタワーがそびえ立つ(2017年筆者撮影)
オークランド市内。スカイタワーがそびえ立つ(2017年筆者撮影)

オークランドの観光名所のひとつである「スカイタワー」。高さ328mで、南半球では一番大きなタワーなのだとか。スカイタワーは186mの展望台から街の景観を360度一望できます(入場料が必要)。(番組のOPでスカイタワーを周遊したマジレンジャーになった気分♪)

展望台の景色。遠くまで一望できます。(2017年筆者撮影)
展望台の景色。遠くまで一望できます。(2017年筆者撮影)

また、192mの高さから落下する「スカイジャンプ」等のアトラクション(有料)や、タワー内には複数のレストランやバー等も営業しているので、天にも昇るような気持ちで満喫してみてはいかがでしょう?

住所:Corner Victoria and Federal Streets, Auckland, 1010
メール:skytower@skycity.co.nz
電話番号:+64 9 363 6000
URL:https://skycityauckland.co.nz/sky-tower/(外部リンク)

いかがでしたか?

私達日本人の目線から見るとお馴染みな「スーパー戦隊シリーズ」ですが、

海外に目を向けてみるとまだまだ新しい発見が盛り沢山♪

果て無き冒険スピリッツを胸に、未知の世界へと飛び立ってみませんか?

最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。

(参考文献)
・坂本浩一、「映画監督坂本浩一全仕事」、株式会社カンゼン
・長澤博文・今井智司(ノトーリアス)、「スーパー戦隊の常識 ド派手に行くぜ!レジェンド戦隊篇」、双葉社
・尾上克郎・三池敏夫、「平成25年度メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業 日本特撮の関する調査」、森ビル株式会社
・JUDY REVENSON・RAMIN ZAHED、”SABAN'S POWER RANGERS THE ULTIMATE VISUAL HISTORY”、INSIGHT EDUCATIONS
・小川由美子、「るるぶ海外ディズニー・コレクション」、JTBパブリッシング

この記事を読んで頂き、「海外での日本特撮やアニメ作品の展開に興味を持った」という皆様、私の過去の記事やTwitterにて、海外現地での様子や商品展開についてもお話をさせて頂いております。宜しければ、ご覧ください。

博士(文学)/PhD(literature)

博士(文学)。日本の「特撮(特殊撮影)」作品を誘致資源とした観光「特撮ツーリズム」を提唱し、これまで包括的な研究を実施。国内の各学術学会や、海外を拠点とした国際会議へも精力的に参加。200を超える国内外の特撮・アニメ催事に参加してきた経験を生かし、国内学術会議や国際会議にて日本の特撮・アニメ作品を通じた観光研究を多数発表、数多くの賞を受賞する。国際会議の事務局メンバーのほか、講演、執筆、観光ツアーの企画等、多岐に渡り活動中。東海大学総合社会科学研究所・特任助教。

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