【四條畷市】「歴史」に刻まれた災害の記録を期間限定で展示──市立歴史民俗資料館で特別展
四條畷市立歴史民俗資料館で10月3日より、第38回特別展「天ニ不時之災害ヲ起ス有リ、後ノ記憶ト為ス─遺跡と記録にみる災害と防災─」が始まりました。前回記事で予告した通り、早速行ってみました。
歴史民俗資料館の入り口のドアを抜け、左奥の展示スペースに目を向けると、通常時とは違った光景でとても新鮮に感じます。
この特別展では、「一.災害を記録する」「二.残された地震の記録」「三.記録された水害・洪水」「四.写真記録でみる台風被害」「五.現代の災害と防災」という5つのテーマに沿って展示を展開しています。
1885(明治18)年に淀川が決壊して大洪水になったときの様子を詳細に記録した「浸水日誌」をはじめ、貴重な資料が展示されていますが、個人的に興味を引かれたのは、地震の跡が残された地層の展示です。
市内にある城遺跡から切り出した地層の展示では、生駒断層を見ることができます。額縁の向かって右端にある白い三角形の印から、斜め上に黒い線が伸びています。これが断層の境界面です。出土品や地質の調査の結果、この断層が前回動いたのは約2000年前より後、奈良時代より前であることがわかったそうです。
門真市の西三荘遺跡付近から切り出した地層の展示には、地震の激しい揺れによって粘土の層を突き抜けて砂が吹き出した生々しい「噴砂」の跡が残されています。1596(文禄5)年9月に発生した慶長伏見地震によるものとされています。
この他、イオンモール四條畷建設時の発掘調査で発見された、古墳時代に洪水被害を受けた水田跡の写真や、1934(昭和9)年9月の室戸台風で倒壊した旧制府立四條畷中学校(現・四條畷高校)の講堂の写真など、思わず見入ってしまう貴重な資料が数多く展示されています。
開催期間は12月10日まで。興味のある方はのぞいてみてはいかがでしょうか。この期間にしか見られない展示物ばかりで、私は非常に楽しめました。
特別展「天ニ不時之災害ヲ起ス有リ、後ノ記憶ト為ス─遺跡と記録にみる災害と防災─」
期間:10月3日(火)〜12月10日(日)
休館日:月曜日(10月9日(月)は祝日のため開館。翌10日(火)が休館に)
開館時間:午前9時30分〜午後5時
関連講演会:
(1)11月7日(火)午前10時〜正午「生駒断層の調査とその成果」
(市立歴史民俗資料館長・野島稔さん)
(2)11月21日(火)午前10時〜正午「新発見の古写真にみる災害記録」
(四條畷市教育委員会・實盛良彦さん)
四條畷市立歴史民俗資料館
所在地:大阪府四條畷市塚脇町3-7
電話:072-878-4558
入館料:無料
最寄り:JR四条畷駅から徒歩15分、コミュニティバス・京阪バス・近鉄バス塚脇停留所から徒歩3分