Yahoo!ニュース

【四條畷市】旅人を見守り続けて約700年──サンタを探す道中で「逢阪五輪塔」に出会う

具志堅浩二フリーライター(四條畷市・交野市)

 市内にサンタ像を設置して地域の活性化を目指す「100にんのサンタクロースプロジェクト」の82体目を探すため、むろいけ園地に向かっている道中で、古そうな石塔を発見しました。気になるので、少し寄り道して見にいくことにしました。

逢阪バス停から国道163号線を奈良方面へ
逢阪バス停から国道163号線を奈良方面へ

最初の交差点を右へ
最初の交差点を右へ


 石塔を見つけたのは、四條畷市コミュニティバスの逢阪バス停から国道163号線を奈良方面に向かい、次の交差点を右折してすぐのところでした。

進行方向の右側、道路から少しそれたところに石塔がありました
進行方向の右側、道路から少しそれたところに石塔がありました


 近づいてみると、サイコロのような立方体の形をした1つの石の上に、丸い石や屋根の形をした石などが積まれています。

石塔の付近に立て札が
石塔の付近に立て札が


 説明板には「逢阪 石造五輪塔」と記されています。大阪府指定文化財であり、高さは約2m。上の石から順に、空輪・風輪・火輪・水輪・地輪と呼び、密教思想を伝える鎌倉時代の様式を表しているとか。

金属製の説明板
金属製の説明板

木製の説明板も
木製の説明板も


 地輪に刻まれた銘文によると、建立時期は延元元(1336)年とのこと。この街道を行き交う旅人の安全を願って、逢阪の人々が建てたと言われているそうです。今年は2024年ですから、建立から688年ということになりますね。四條畷市の公式サイトによると、当初はここから約30m北の清滝街道沿いにありましたが、昭和42(1967)年にこの地へ移設され、今に至ります。

別の木の札も。清武峠には江戸時代末期まで茶屋があったことが記されていました
別の木の札も。清武峠には江戸時代末期まで茶屋があったことが記されていました


 このような古い歴史を持つ石塔に、サンタ像を探す道中で思いがけず出会うことができ、少し得した気分ですね。

逢阪五輪塔のおおまかな場所(Yahoo!マップ)

フリーライター(四條畷市・交野市)

1968年大阪府生まれ。バス・タクシー業界紙、電機業界誌の記者などを経て、2015年に独立。現在は、ヤフーニュースオリジナルTHE PAGEや週刊エコノミストなどで、環境問題、食料安全保障、公共交通から街ネタを含めて幅広いジャンルの記事を取材・執筆中。Yahoo!ニュース エキスパートでは、「地域とそこに住む人が好きになる」記事を追い求めて頑張ります!

具志堅浩二の最近の記事