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木村拓哉主演『レジェンド&バタフライ』入門 来日した宣教師が見た織田信長の重臣・明智光秀の意外な素顔

濱田浩一郎歴史家・作家

木村拓哉さん主演の映画『レジェンド&バタフライ』が公開されています。木村さんが演じるのは、有名な戦国武将・織田信長。そして、信長の重臣・明智光秀を演じるのは、俳優の宮沢氷魚さん。これまで、光秀というと、大河ドラマなどにおいては、謹厳実直(真面目で正直)なタイプとして描かれていました。

1996年に放送された大河ドラマ「秀吉」(主演・竹中直人さん)では、光秀役を村上弘明さんが演じていましたが、そこでの光秀も生真面目な武将でありました。では、戦国時代において、光秀はどのように「他者」から見られていたのか?

来日した宣教師ルイス・フロイスの著作『日本史』には、織田家の生え抜きではない光秀が、織田家中において嫌われていたことが記されていたのですが、その他にも、光秀についての興味深い記述があります。

織田家中の者から嫌われていた光秀ですが、主君(織田信長)からの「寵愛」を保ち、それを増大させるための「不思議な器用さ」を備えていたというのです。つまり、処世術に長けていたということでしょう。

また、同書に曰く、光秀は「裏切りや密会を好み、刑罰を科するに残酷で、独裁的でもあった」「己れを偽装するのに抜け目がなく、戦争においては謀略を得意とし、忍耐力に富み、計略と策謀の達人」であったとされます。謹厳実直な光秀イメージを覆すのに十分な記述でしょう。

光秀は、どちらかというと、映画『レジェバタ』で描かれたような感じだったのかもしれませんね

歴史家・作家

1983年生まれ、兵庫県相生市出身。皇學館大学文学部卒業、皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員、姫路日ノ本短期大学講師、姫路獨協大学講師を歴任。『播磨赤松一族』(KADOKAWA)、『北条義時』『仇討ちはいかに禁止されたか?』(星海社)、『家康クライシスー天下人の危機回避術ー』(ワニブックス)ほか著書多数

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