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11月26日(日)まで|企画展「メナシのアイヌとともに生きる」”松阪の偉人”松浦武四郎の世界を知ろう

原井けいこライター・デザイナー(津市・松阪市)

三重県松阪市にある「松浦武四郎記念館」をご紹介します。北海道の名付け親で知られる松浦武四郎は、三重県松阪市に生まれ、幕末から明治維新に活躍した偉人です。あふれる知識欲と冒険心で調査のために日本全国を歩き続け、紀行本や地図を出版しました。画才もあり、アイヌ民族の文化を生き生きとした絵で伝えることにも努めました。

外観

「松浦武四郎記念館」は、常設展と2ヶ月ごとに変わる企画展示で構成されています。(別の場所になりますが、「史跡松浦武四郎誕生地」もあります)

常設展

常設展では、松浦武四郎の生涯とその功績をきわかりやすくまとめられた展示と貴重な資料で学ぶことができます。見どころは、手書きの「東西蝦夷山川地理取調図」。16歳で初めて三重から東京へ旅をし、日本全国を歩き続けた武四郎。計算すると1日あたり平均60kmは歩いていたと言われています。北海道は、船や自分の足で周りましたが、どうしても自分では行けない場所のことは、アイヌの人に聞いて情報を集めていったそう。なかでも、びっしりと書き込まれた約9800点のアイヌ語の地名の緻密さには、驚嘆します。

「東西蝦夷山川地理取調図」
「東西蝦夷山川地理取調図」

アイヌ語の地名が記入されている
アイヌ語の地名が記入されている

こちらもおすすめ「蝦夷漫画(えぞまんが)」。画力も認められていた武四郎は、アイヌの人々の暮らしを絵で描き、人々に広く伝えるため、本を出版しています。

「蝦夷漫画(えぞまんが)」
「蝦夷漫画(えぞまんが)」

企画展

常設展の隣が、2ヶ月ごとにかわる企画展示です。

現在の企画展示テーマは「メナシのアイヌとともに生きる」。メナシとは、北海道の根室あたりの目梨地方のことを指しています。この土地のアイヌの人たちとの関わりと武四郎の活動にまつわる人物の紹介が学べる内容です。幕末の蝦夷地で、アイヌ語通訳をしていた加賀伝蔵、会津藩士の南摩鋼紀と共にアイヌの人々との共生を目指し、いかに向き合ったかを紹介しています。日本遺産「鮭の聖地」の物語の紹介もあります。メナシ地方で、鮭を採って加工して食べる文化が発達していったのもこの頃。別の展示室で、映像でその歩みを観ることもできます。

その他の様子

エントランスには、漫画・絵本・ゲームもあります。松浦武四郎にまつわるクイズがあり、筆者も挑戦してみたのですが、これが簡単なものから難しいものまで難易度が様々で面白かったです。正解しながら、松浦武四郎のように全国を双六形式で進んでいく形式です。大人も楽しめるので、ぜひこちらも挑戦してみてください。

松浦武四郎に関する冒険クイズ
松浦武四郎に関する冒険クイズ

松浦武四郎をいろんな側面から学ぶことができる「松浦武四郎記念館」。
企画展示「メナシのアイヌとともに生きる」は、11月26日まで。関連イベントもあるそうなので、ご興味ある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

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松浦武四郎記念館

住所
三重県松阪市小野江町383

電話
0598-56-6847

開館時間
9:00~16:30

HP
https://takeshiro.net

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ライター・デザイナー(津市・松阪市)

Uターン移住2年目。津と松阪のいいところ、紹介していきます。

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