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【お酒が弱い・飲めない人】場の雰囲気を壊さず上手にお酒を断る方法

樋口智香子マナー・コミュニケーション講師

「体質的にお酒が飲めない」「お酒が好きではない」「今は飲みたくない」など、状況は様々ですが、お酒を勧められても飲めないことがあります。
飲み会や取引先との宴席などでは、お酒を断ると、楽しい雰囲気に水を差してしまうのではと気を遣うことがあるかもしれません。
そこでこの記事では、相手の気持ちや場の雰囲気を損ねずに、上手にお酒を断る方法について、お伝えします。

飲めない・飲まないことに気がねは不要

そもそも、お酒を飲めない・飲まないことに負い目や気がねを持つ必要は、全く無いのだと思っておきましょう。
かつては”飲みニケーション”などという造語もあり、お酒を飲むことが人付き合いの潤滑油になるような風潮がありました。しかし、時代は変わったのです。

今は、多様性の時代です。個々のあり方を尊重しようという雰囲気が、濃くなっています。むしろ、同調圧力や、相手にとって不本意なことを強要するほうが批難される時代になりました。
これは、お酒も同様。飲まないことにネガティブな感情を抱く必要はなく、堂々としていればいいと思ってください。

飲めないことを明るく伝える

ありのままに、飲まない理由を伝えればOKです。
ポイントは、明るく堂々と伝えること。
飲めない事実と共に、明るくフォローのひとことを添えると好印象です。

「お酒が飲めないのですが、飲み会の雰囲気は大好きです」
「お酒が飲めない体質なので、私の分も楽しく飲んでくださいね」
「今夜は飲めないのですが、雰囲気だけで酔えてしまいます」

逆に「飲むと具合が悪くなるんです」とか「制限中なのです」といったネガティブ表現は、勧めた相手に気を遣わせてしまいます。
言い回しひとつで印象が変わりますので、ポジティブな表現を心がけてください。

もうこれ以上、飲めないときは

お酒の弱い人にとっては、次のお酒を勧められて困るという場合もありますね。ここでも「もうお酒は結構」というネガティブ表現は避けましょう。
「もう十分に楽しんだので、次は・・・」という意味合いの言い回しをするといいでしょう。

「もう、十分にいただきました」
「一回、休憩でソフトドリンクをはさみます」
「そろそろ、ソフトドリンクに切り替えます」

割りものならアルコールを調整するのもあり

ハイボールやサワー類など、割りものなら、あらかじめアルコールを少なめにして、薄く作ってもらうのもありです。
オーダーをするときに、お店の方に「お酒に弱いので、薄めに作ってください」と言えばいいでしょう。
または、状況にもよりますが、ソーダ水やトニックウォーターを別オーダーし、自分で調整しながら飲むという方法もあります。

そもそも、飲み会に行きたくないときは

飲み会を断りたい状況は、2パターンありますね。
ひとつは、別日ならいいけれど、その日は行きたくないというパターン。この場合は「先約がある」と伝えればいいでしょう。

先約は、自分との先約でもOKです。
例えば”今日は早く帰って家で過ごしたい”という事情も、自分との先約です。
「せっかくですが、今夜は先約があり残念です。懲りずにまた誘ってください。」と明るく伝えれば角が立ちません。

もうひとつは、飲み会そもそもが苦手で、今後も声をかけてほしくないというパターン。
この場合も、クッション言葉を添えて、やんわりと伝えればよいでしょう。「苦手」ではなく「得意でない」と、ぼかしたほうが、優しく伝わります。
例えば、こんな言い回しです。
「お誘いはとてもうれしいのですが、実は、お酒の席が得意でないのです。付き合いが悪く、申し訳ございません。」

以上、相手の気持ちや場の雰囲気を損ねずに、上手にお酒を断る方法について、お伝えしました。

マナー・コミュニケーション講師

マナー・コミュニケーション研修講師。千葉県出身、元資生堂ビューティコンサルタント。NLP心理学とマナーをかけ合わせた独自のプログラムにより、セミナー・研修を実施。全国250か所から招致され、指導人数は延べ20000人以上。セミナー・研修の他、書籍の出版、コラム執筆、雑誌記事や教材監修など幅広く活動中。

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