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正直、今年は「帰省したくない」という人に・心理学を活かした、帰省ストレスを激減させる方法

樋口智香子マナー・コミュニケーション講師

自粛期間を経て、久しぶりの帰省をする人も多いことでしょう。
楽しみにする人がいる反面、事情は人それぞれ。「実は、帰省したくない」「疲れる」「気が重い」と、帰省へのストレスを抱える人もいるようです。

そこでこの記事では、心理学的なアプローチによって、帰省へのストレスを減らす方法をご紹介します。

がまんがストレスを増強する

前提として、”言いたいことを言わず、がまんすることが最もよくない”と認識してください。

「帰省したくない」という気持ちを抱え、それを誰にも伝えないまま行けば、ストレスはつのり、さらに気が重くなります。

義両親、夫や妻、あるいは自分の両親など、相手が受け入れてくれるかどうかは別として、気持ちを伝えてみることで、健全な精神を保つことができるのです。

「帰省したくない」の上手な伝え方

まずは、相手に気持ちを伝えるというアクションをしましょう。
言いづらいことを上手に伝える方法をご紹介します。

アサーティブ・コミュニケーション

アサーティブ・コミュニケーションとは、相手も自分も尊重した伝え方です。

相手を責めたり、自分の気持ちを抑えたりせず、言い方を工夫することで、素直に伝えられるようになります。

具体的な事例でみてゆきましょう。

【事例】

夫と子供の3人暮らしの女性。
年末年始の休暇は3日間しかない。
貴重なお正月休み、夫の実家への帰省はせずに、たまには家族3人で旅行をしたい。

【良くないパターン3つ】

まずは、アサーティブではない伝え方をご紹介します。

×相手を責め、強く自己主張

「どうしていつもあなたの実家に行かないといけないの?気を遣って疲れるから、たまには旅行に行きたい!」

×相手優先、自分はがまん

「今年もあなたのご実家に行くのよね、準備するね。(本当は行きたくない・・・)」

×察してもらおうと作為

「姉は、家族で旅行に行くんだって。姪っ子はうちの子と同い歳なのよね・・・。」

いかがでしょうか。
これらの方法では、どちらかの気持ちを無下にすることになります。

【アサーティブな伝え方】

上手な伝え方、ポイントは3つです。

1.事実を伝える
2.気持ちを伝える
3.相手の気持ちも大切にする

では、先ほどの事例をあてはめましょう。

事実:「毎年、あなたの実家に行っているけれど、今年は、お休みが3日間しかないの。」

気持ち:「冬休みの思い出づくりもしてあげたいし、今年は3人で旅行したいのだけど、どうかな。」

相手の気持ちも大切に:「お義父さんお義母さんには、オンラインでご挨拶したり、旅行のお土産を贈るのはどうかな。」

いかがでしょうか。

自分の状況や気持ちを素直に伝えつつ、相手のことも考えて、選択の余地や代案を渡すという方法です。

帰省への視点を変えてみる

リフレーミング

もうひとつ、リフレーミングというスキルをご紹介します。

リフレーミングとは、物事に対する視点や捉え方を変えることです。

この場合で言えば「嫌なことでもポジティブな面にフォーカスしてみる」という方法。

もし気持ちを伝えても、結果的に帰省することになったという場合、嫌だと思いながら行けば、もっと辛くなります。
そんなときに、この方法を思い出してください。

例えば、以下のようにします。

「遠くて億劫」→「道中、読みたかった本を読める」

「気を遣う」→「今年は、気楽に過ごすことにチャレンジしてみよう」

「行っても退屈」→「ここぞとばかりに、だらだらしよう」

「高齢の親と、そりが合わない」→「親が元気なうちに会える」

ポイントは、無理やりポジティブにするのでなく「ま、これができるからいいか」ぐらいに、気楽に捉えることです。

行ったらとことん寝るとか、地元の美味しいものを食べに行くとか、自分に何かご褒美してもいいかもしれません。
嫌だという思考から、ふっと離れる工夫を、してみてくださいね。

まとめ

帰省ストレスを減らすために、2つの方法をご紹介しました。

まずは、がまんをせずに、自分がどうしたいかを相手に伝えてみること。それでも、結果的に行くことになったなら、ポジティブな側面を見つけてみること。

ご活用いただければ幸いです。

マナー・コミュニケーション講師

マナー・コミュニケーション研修講師。千葉県出身、元資生堂ビューティコンサルタント。NLP心理学とマナーをかけ合わせた独自のプログラムにより、セミナー・研修を実施。全国250か所から招致され、指導人数は延べ20000人以上。セミナー・研修の他、書籍の出版、コラム執筆、雑誌記事や教材監修など幅広く活動中。

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