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栄養・食の情報に不安にならない考え方と保健師・ノンオイル料理研究家の一日三食の献立と食べ方

保健師ノンオイル料理研究家茨木くみ子保健師・ノンオイル健康料理研究家

テレビの健康情報や週刊誌の記事、友達の話など、食事や栄養の情報は巷に溢れています。
「チョコレートは身体にいい」「ココナッツオイルでダイエット」などなどいろいろな情報が日々出てきます。

どんな食べ方が身体にいいのか、今のご自身の食事や栄養バランスなどに不安に感じる方も多いと思います。

穀物(糖質)一つとっても「食べないほうがいい」という医師・専門家もいれば、やはり「食べたほうがいい」という医師・専門家もいます。

保健師の私でも、有名な医師の話や最新の論文などを読んだとき、不安になることがあります。

しかし、どんな情報が入ってきても、私には立ち返る場所、冷静に頭を整理する
基本となる考え方があります。
今日はそれをご紹介させていただきます。

一つ目は「食性」です。

★「食性」

食性とは動物が生まれもって運命付けられた食べ方のことです。

牛や馬などの草食動物は草を食べることを運命付けられています。

カルシウムたっぷりの牛乳を出す牛は小魚や乳製品は食べません。(子牛の時は母親から乳をもらいます。)

反対にライオンやヒョウなどの肉食動物は肉食で野菜は食べません。(猫が毛玉を吐くために草を食べることと同じ行為はあります。)

彼らには栄養学はありません。
もちろん一日三食など決まった食習慣もありません。
空腹・満腹の本能の指令のまま食べています。

では人間の食性は?

動物学的には「雑食」に分類されます。

食育の父と言われる石塚左舷は「穀食」と言っています。

動物の「食性」は歯を見るとわかります。

人間の歯は永久歯が32本。

奥の臼歯はうすのような形で穀物をすりつぶすための歯で20本

前歯(切歯)は野菜をかみ切るための歯で8本

犬歯は繊維の肉や魚を噛み裂くための歯で4本です。

人間の歯の大半は穀物をすりつぶす臼歯。

「穀食」という言い方は間違いではないと思います。

比率にしてみると7:2:1くらいでしょうか。

人の歯列
人の歯列

7:2:1を具体的な献立にすると多分このくらいだと思います。

わたしの一日三回の食事の写真になります。
料理家とは思えない、代り映えのしない食事で、お恥ずかしいのすが・・・・
「こんなありふれた食事でだいじょうぶなのね」とほっとしていただけると思います。
  (穀物7 野菜2 蛋白質1)くらい

〇朝ごはん(パン食も多いのですが、和食でご紹介します。)

朝食例
朝食例

ごはん・豆腐とほうれん草の味噌汁・納豆・漬物

〇昼食

昼食例
昼食例

 ごはん 玉ねぎと長いもの酢漬け 焼き魚少し 漬物

(酢漬け野菜はいろいろなレパートリーがありますがLDLコレステロール対策と便秘対策を兼ねて大抵毎日いただいています。)

〇夕食

夕食例
夕食例

ごはん 大根の味噌汁  鶏むね肉のきじ焼き(野菜添え) かぼちゃサラダ  時々ビール

わたしは朝ごはんにあまり野菜をいただかないため、お昼と夕飯に少し多めにいただいています。

お昼に魚を食べたら、夜はお肉や卵をいただくことが多いです。

栄養バランスは3~4日、総合的にみています。

(昨日は野菜やタンパク質が少なかったから、今日はしっかり食べよう程度のおおらかなバランスです。)

二つ目「栄養は大脳ではなく本能」が大事

★栄養は大脳で考えるものではなく本能が司っています。

動物には必要な栄養素を本能的に欲する仕組みがあります。

人間以外の動物は大脳で栄養バランスを考えて食事をすることはありません。

たとえ、毎日食べると決めた野菜の酢漬けも、

時として

「今日は食べたくない」と感じる日があります。
そんな日は、「体が余分です」と教えてくれていると思い、お休みしています。

反対に無性に食べたくなるものは身体が欲している栄養素です。

昔、ダイエットをしている頃、わたしはとても甘いものが好きでした。
しかし、ごはん(穀物)を食べるようにしたら、甘いものがあまり好きではなくなってしまいました。

それどころか、おなかが空いているとき以外は「何も食べたくない」と感じるようになりました。

また、菜食主義を試した時は、2か月経過した頃から、無性にお肉を食べたくなりました。
反対に豆腐や豆類は見たくなくなりました。

たぶん、本能は、「空腹」「満腹」「余分な栄養」「足りない栄養」などを

教えてくれているのだと思います。
それをできるだけキャッチするようにしています。

三つ目は「身土不二」

★長年、食べ続けてきた食べ物が身体にあっている 

日本人は島国で鎖国をしていたこもあり、純血に近い民族です。

近年少しずつ分かってきましたが

日本人の腸の長さ、腸内細菌の種類、インスリンの量や効き方など、欧米人とは違いがあります。

つまり「長年、食べ続けてきた食べ物が身体にあっている。」ということです。

お米を食べる国の人の腸内には肥満や糖尿病を予防する善玉の腸内細菌が多いこと(医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBIOHN)にて糖尿病患者と糖尿病でない人を比べた研究)や

海藻を分解して蛋白質を吸収し筋肉にできる腸内細菌がいることも

今、まさに「身土不二」の考え方が、科学的に解明されつつあります。

先祖代々、長く食べ続けてきたものに体が合うように変化して私たちの身体は出来上がっていることがよくわかります。

まとめ

私たち保健師は、国が掲げている食生活バランスガイドに沿って保健指導をさせていただくことが多いのですが、
食生活バランスガイドは日本人がもともと食べてきたものを大切にし
日本型食生活の推奨と身土不二の考え方も取り入れられています。

野菜が少し多くて食べきれないことは多々あるのですが・・・・

健康の食情報が氾濫する中、食生活に不安を感じた時、

わたしは情報をうのみにするのではなく、まずこの三点を参考に、しっかり考えてみます。

・その食べ物、食べ方、バランスは食性にあっているか

本能はどう感じるか 満足か 食べた後の心地よさはどうか(胃腸に負担をかけたり、食事後ほかのものが食べたくなるような食べ方は何か栄養が足りていない。)

身土不二  日本人がもともと食べてきた食べ物かどうか

すると答えはおのずと出てきます。

食の情報に不安になりやすい方、ご参考になると嬉しいです。

わたしはバターオイルなしの食生活をかれこれ30年続けてています。なぜノンオイルの食生活を続けているのか、脂質は足りているのか、30年続けた身体の変化、身体に必要な脂質量や、わたしのお勧めする脂質の種類と摂り方については、下記の記事をご覧ください。

「保健師が油抜き生活を30年続ける訳とよかったこと お勧めの脂質の摂り方 揚げないとんかつレシピ」

YouTubeInstagramでは、バターオイルなしの身体に優しいレシピをたくさんご紹介しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

茨木くみ子

保健師・ノンオイル健康料理研究家

産業保健・特定保健指導・子育て相談などの相談業務を長くしてきました。また自身が過食症・摂食障害を克服し約-20kgのダイエットに成功その体験から日本人に合った健康な食生活は和食だったことを再確認。高脂質な洋食・中華・洋菓子・パンを日本人に合った低脂質な和食に近づけたレシピをご紹介しています。著書多数最新刊「ふとらないクリームのお菓子 」「ふとらない米粉のお菓子」【現在の活動】オンラインや自宅で料理教室にて健康情報や料理レシピを発信保健師業務は「うららか相談」にて個別相談を受けています。料理制作動画はYouTubeにてInstagramでは最新情報とライブをしています。

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