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「脳が不安になる食べ方」はしないようにしています。本能と仲良く生きる【ほっとできる健康講話】

保健師ノンオイル料理研究家茨木くみ子保健師・ノンオイル健康料理研究家

こんにちは保健師・ノンオイル料理研究家の茨木くみ子です。
今日はわたしが普段、食事で気を付けていることをお話しさせていただきたいと思います。

わたしはできるだけ「脳の安心する食事・食べ方」をするようにしています。


なぜなら
昔、わたしは、脳を騙し、無視をし、脳を不安がらせたことで、とても苦しい経験をしているからです。


「脳を騙し、ごまかす食べ方」とは

ご飯代わりにキャベツで満腹になる?
ご飯代わりにキャベツで満腹になる?

カロリーの少ないものを食べて胃袋を膨らませ、あたかも満腹になったように思わせる。

  • こんにゃくをご飯に混ぜて量増ししたり
  • ごはんがわりに、寒天やキャベツの千切りを食べたり
  • えのきだけやズッキーニをパスタ替わりしたり。
  • ところてんをそうめんのように食べたり
  • 水だけ飲んで胃袋を膨らませる

「本脳を無視する食べ方」とは

  • 空腹感を無視してそのままにする。食べない。
  • 食べない上に、さらにカロリー消費の運動や脳を使う仕事などをし続ける。
  • 食べたいものを食べない 本能が求めるものではなく違うものを食べる。


わたしはダイエットでした。
自分の脳をごまかし、騙して、痩せようとしました。
始めは、するするっと3キロほど痩せました。
このまま理想体重まで簡単に痩せられるはずでした。
しかし、結果は散々たるものでした。
なぜなら脳の反撃が始まったからでした。

ダイエット以外でも、仕事などが忙しく食事を抜いてしまう人も多いと思います。

脳の不安はいろいろな症状となって出てきます。

・食べ過ぎ・ドカ食い・過食
せっかく夕方まで低カロリーなダイエット食で過ごせたのに、夕食を食べだら止まらない、満腹を通り越して食べてしまう。


・満腹感がなくなる
空腹感を無視して食べないと、やがて空腹感は消えます。
しかし満腹感もわからなくなって、食べ過ぎが起こるようになります。


・太りやすくなる
少ししか食べないのに太りやすく、痩せにくくなります。


・不眠
頭が動き、寝つきが悪くなり、やっと寝れても数時間で目が覚めてしまう。なかなか疲れが取れない。


・集中力の低下 精神不安
食べ物・食べることばかり考えて、集中して仕事や家事ができなくなりました。

本能と戦ってしまっていた・・・・

わたしが戦っていた相手は本能でした。

本能は経験や学習から獲得した知識によるものではなく、生まれながらにもっている生きる力のこと。
少しの学習や経験からの思い付きの行動が、本能に勝てるはずがなかったのです。
そのことに気が付いたとき、困った症状の意味が分かりました。

すべてがわたしの命を守るために脳がしてくれていたことでした。


本能の目的は、命を守り子孫を残すこと。
そして生命の終わりの時は死に導くこと。


空腹感を無視して食べないことは、脳はとても不安がります。

飢餓は人類が何度も経験してきた試練。
食べ物がない時でも生命を守るためのスイッチがあります。
それが
「飢餓・不安スイッチ」です。

飢餓・不安スイッチが入ると


・食べられるときにたくさん食べさせようとします。


・基礎代謝を下げて脂肪を蓄えようとします。   
全身の体温を下げ、少ないカロリーで命を守る低燃費モードにします。


・熟睡できなくなります。
空腹のまま寝続けてしまうと死んでしまうため、寝ないようにします。


・食べ物のことばかりを考えさせて食べさせようとします。


低カロリーな食べ物で胃袋を満たしても本能は満足してくれません。

   「騙されません!」
   「騙されません!」


こんにゃくや寒天や海藻で食事量を量増しして、胃袋は一杯になっても本能は満足してくれません。
それどころか胃袋は満たされているのに血糖値が上がらないことに脳は不安になってしまうのです。

脳にとっての満腹とは

脳も満足して満腹です。
脳も満足して満腹です。

満腹とは「胃袋が満たされること」ではなく
満腹とは「胃袋が満たされ+血糖値が上がること」


胃袋に程よく食べ物が入り、血糖値が上がると満腹中枢が刺激され、満腹の指令を出し食行動を抑制します。


脳が一番期待している栄養素は?

脳が一番期待している栄養はブドウ糖です。
脳はブドウ糖をいつも必要としています。
血糖値を24時間監視しコントロールしているのも
脳に安定供給するためです。

ですので、食後、血糖値が上がらないと、いつまでも食事は終わりにできないのです。
ものたりなさを感じ、そわそわさせます。
気づくと冷蔵庫を開けて、食べ物をさがして、食べさせようとします。

脳が安心できる食べ方

空腹になったら食べて、満腹になったら眠くなる。
これではまるで赤ちゃんですが、一番本能に従った食べ方とも言えます。

しかし人は社会生活する生き物なので、一日3回の食事時間を決めることが多いです。


食事時間を決めることで、食事の時間を脳が覚えてその時間に合わせてくれるようになります。
あとは脳の期待を裏切らずに、その時間にできるだけ食べてあげると
脳は安心し飢餓スイッチはオフになります。

脳が安心する炭水化物の量はこちらの記事をご参考にしてください。
ダイエット中でも食べてほしいご飯(米飯)の量 太る量と痩せる量の矛盾


食後血糖値が上がることは悪いことではありません。

食後に血糖値があがることを、とても怖いことと感じている方が多いようです。
しかし、食事後、血糖値が上がることは正常なことです。

血糖値の上昇=肥満 でもありません。

血糖値の上がりすぎは、確かに身体にはよくありません。
しかし恒常性(ホメオスタシス)によって、上がりすぎないよう調整してくれています。

(調整ができなくなり血糖値が上昇してしまうのが糖尿病です。)
食べ過ぎや空腹放置は膵臓にも負担をかけてしまいます。



本脳と戦わない生活は心地よい

本能(食欲、睡眠、排泄、性など)が関与しているところは、学問、知識より、感覚が大事だと、わたしは思います。
「空腹なら食べる」「満腹なら食べない」
一日の食事の時間をできるだけ決めて、食事時間には空腹になる量を食べてあげれば肥満予防もばっちりです。


そして 
眠い時は少し眠る。
遊びたいときは遊ぶ
頭が疲れたら、ぼーっとする。

本能の欲求をすべて従うことは難しいですが
無視し続けるのではなく
一つでも二つでも従ってあげるようにしています。

自分の体と心(脳)と戦わず、
仲良く生きたほうが、健やかで、心が晴れやかな日が多いように感じます。

YouTubeではバターオイルなしのふとらない身体に優しいレシピの制作動画を
Instagramではライブやレシピのショート動画・日々の試作など最新情報をご紹介しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

保健師 茨木くみ子

保健師・ノンオイル健康料理研究家

産業保健・特定保健指導・子育て相談などの相談業務を長くしてきました。また自身が過食症・摂食障害を克服し約-20kgのダイエットに成功その体験から日本人に合った健康な食生活は和食だったことを再確認。高脂質な洋食・中華・洋菓子・パンを日本人に合った低脂質な和食に近づけたレシピをご紹介しています。著書多数最新刊「ふとらないクリームのお菓子 」「ふとらない米粉のお菓子」【現在の活動】オンラインや自宅で料理教室にて健康情報や料理レシピを発信保健師業務は「うららか相談」にて個別相談を受けています。料理制作動画はYouTubeにてInstagramでは最新情報とライブをしています。

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