Yahoo!ニュース

その気になる症状の原因は「春だから」かもしれません 春に体調不良が起こりやすい理由とその対策

保健師ノンオイル料理研究家茨木くみ子保健師・ノンオイル健康料理研究家

こんにちは、保健師・ノンオイル料理研究家の茨木くみ子です。
今日は春に起こりやすい体調不良について、お話させていただきたいと思います。

昔から「木の芽どきは体調を崩しやすい」と言います。
普段、元気な方でも、春は疲れやすく、身体がだるく感じたり眠気を感じやすい季節です。

わたしは長く保健師として相談業務に従事していますが、春はほかの季節に比べで相談者が多く、大忙しの季節です。
相談内容は、肌荒れ、頭痛、鼻炎、喘息、倦怠感、めまい、抑うつ・不安感・動悸・不眠や過眠など多岐に渡ります。
春は精神的にも不安定になりやすく、心身の弱いところが症状となって、いつもより強く出やすい季節です。

春はなぜ体調を崩しやすいの?

春の体調不良の原因は自律神経の乱れと考えられています。

自律神経とは、身体の調整をしてくれている神経です。
私たちの身体には、交感神経(戦いの神経)と副交感神経(休息の神経)があり、バランスをとりながら、身体を調節しています。
血圧、体温、呼吸など、意識しなくても自律神経が調整してくれているおかげで、私たちは生きています。
普段あまり意識せずに過ごしていますが、春は体の中で調整しなければいけないことが多く、大忙しなのです。

〇冬仕様から夏仕様の身体に変更している

春は冬仕様の体(体温を維持しエネルギーを蓄える)を夏仕様(体温を放散させ、代謝を上げる)に変えています。 そのほか冬の間に溜め込んだ老廃物を体外に出そうとしています。

〇気温と気圧の変動に対応

春は三寒四温、温かい日と寒い日が繰り返されます。気温の変化は自律神経に大きな負担をかけます。毛穴を開け閉めして体温調節をしたり、汗をかく準備を始めるのも春です。

冬は体温を放散させないよう、身体を緊張させていましたが、気温が上がり、温かくなると体がゆるむため、血圧が下がり、低血圧の人は、めまいが起こりやすくなります。

春は気温のほか、気圧の変化も激しく、高気圧と低気圧が頻繁に入れ替わります。気圧の急激な変化は頭痛や耳鳴り・耳閉感などの原因になります。

〇環境の変化に緊張することが増える

日本では、春は卒業・進学・就職・転勤・転職など、環境が変わる季節でもあります。
自分や家族の環境の変化は気を遣うことも増え、緊張感やストレスに感じやすい季節です。

〇花粉症がある方は、症状や薬の副作用に体力を取られてしまいます。

春の不調対策

春の不調や症状はあわてずに、のんびり対応していきましょう。

ひどい症状を放置することをお勧めしているのではありません。不安な時はホームドクターに相談して不安を解消することもおすすめです。

そして普段の延長線上にある症状は、
「春はいろいろな症状は出やすい時期だから」と、おおらかに構え、無理せず過ごしていると、よくなることが多いです。

自律神経をいたわり調えましょう

〇日光に当たる

朝起きたらカーテンを開けましょう。
朝起きたらカーテンを開けましょう。

私たちの体は、太陽の光を浴びることで、体内リズムを整えています。
朝起きたら、カーテンを開けて日光をたっぷり浴びてください。夜、熟睡に導くホルモンが出やすくなります。

また精神を安定させる幸せ物質のセロトニン(脳内の神経伝達物質の1種)は日光を浴びることで合成されますので、昼間の散歩もおすすめです。

〇ストレッチや入浴で緊張した体を緩めましょう。

冬場は寒さや運動不足で身体は固くなっています。暖かくなって関節は緩んでも筋肉が固いままだとバランスが崩れ、ぎっくり腰や背中や肩の関節を傷める原因になります。
春はストレッチ等で体を柔らかくすることがお勧めです。
ぬるめのお風呂にゆっくりつかり、新しい環境で緊張した心もほぐしてあげましょう。

〇深呼吸

深呼吸は自律神経のバランスを整える特効薬。いつでもどこでも気軽にできます。一日に数回、ゆっくり息を吐き、ゆっくり吸いましょう。

〇腸内環境を整える食事

脳と腸とは互いに情報を伝達し合い、双方で作用しあう関係です。「脳腸相関」といいます。
腸内の善玉菌が増えると、副交感神経の働きが高まり、反対に悪玉菌が多く、腸内環境が悪いと、自律神経のバランスが乱れやすくなります。

自律神経のバランスを整えるためにも腸内環境を整える食事がお勧め。善玉菌を増やす食事は何といっても和食です。特に朝ご飯は大切です。

〇運動で血流を促し自律神経の調整を

ジョギング、ウォーキングなど心拍数がすこし上がる程度の運動は、血液循環がよくなり、全身に張り巡らされた自律神経系の活動を調節してくれます。

血流が良くなることで脳の細胞にも酸素と栄養が運ばれ、ストレス解消や自律神経の調整に役立ちます。

〇睡眠時間の確保

睡眠不足の翌日は高血圧になりやすいなど、睡眠と自律神経は大きく関係しています。自律神経を整えるためにも、いい睡眠を取ることはとても大切です。
必要な睡眠時間は個人差はありますが、一般的には6〜7時間の睡眠が必要と言われています。

お花見、森林浴など、春は私たちにたくさんの元気を与えてくる季節です。春の不調とうまく付き合い、楽しい時間をお過ごしください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

YouTubeやInstagramでは、バターオイルなしの身体に優しく、生活習慣病予防になる健康的なレシピをたくさんご紹介しています。是非ご参考にしてみてください。
フォローもどうぞよろしくお願いします。

茨木くみ子

関連記事

ダイエット中でも食べてほしいご飯(米飯)の量 太る量と痩せる量の矛盾

保健師が勧める「花粉症で苦労しないための食事」 知って得するアレルギーと油の関係

ダイエットを繰り返しても痩せられなかった保健師がふとらない体になれた!その食べ方と献立とは

保健指導歴30年の保健師が悪玉コレステロール対策で実践していること。毎日食べている血液サラサラ食品

茨木くみ子

保健師・ノンオイル健康料理研究家

産業保健・特定保健指導・子育て相談などの相談業務を長くしてきました。また自身が過食症・摂食障害を克服し約-20kgのダイエットに成功その体験から日本人に合った健康な食生活は和食だったことを再確認。高脂質な洋食・中華・洋菓子・パンを日本人に合った低脂質な和食に近づけたレシピをご紹介しています。著書多数最新刊「ふとらないクリームのお菓子 」「ふとらない米粉のお菓子」【現在の活動】オンラインや自宅で料理教室にて健康情報や料理レシピを発信保健師業務は「うららか相談」にて個別相談を受けています。料理制作動画はYouTubeにてInstagramでは最新情報とライブをしています。

保健師ノンオイル料理研究家茨木くみ子の最近の記事