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「お母さんだから我慢しなきゃ」とは全く思わない理由

理学療法士/ケイシー理学療法士、骨盤底筋指導士、マタニティヨガインストラクター

こんにちは。病院PTケイシーです。

本日は、「お母さんと我慢」

についてお話します。

「我慢」をすることについて

正しいかどうかはそれぞれの

価値観があると思います。

今日お話するのは、

あくまで「私」の結論です。

どういう理由なのか、今日はそんな

お話しをしていきます。

妊娠したら制限されるものって何?

最近、妊娠したら制限されるものについて

考える機会があり、

思いつくかぎり挙げてみました。

【妊娠したら制限されるもの】

①嗜好品・・・タバコやアルコール

これらは

子や母体の危険につながるため、

妊娠が判明したら

控えなければならないものと言われています。

②食べ物や飲み物

生ものはNGです。たとえばお刺身や明太子、

馬刺しやレアステーキ、そしてナチュラルチーズ

魅力的なものがたくさんですね。

妊娠中のお母さんは赤ちゃんという「異物」を

免疫力で攻撃しないよう、

感染に対する防御力が低い状態です。

そんなときに生ものを食べて

トキソプラズマという菌に

感染してしまうことで、流産や

赤ちゃんの重篤な障害に繋がってしまう

リスクになります。

ちなみに生卵もNGです。

生卵って生ものリストに

入りにくくないですか?(笑)

また、

コーヒーやカフェインを含む飲み物も

摂りすぎると赤ちゃんの成長に影響するため

量には制限があります。

③自分磨き

医療・美容脱毛や歯のホワイトニングなどの

美容整形全般は、胎児に影響を及ぼす

可能性を否定できないため

行うことができません。

また、ダイエットや体づくりなども

自由には行えなくなります。

自分の体を好きでいるために整えた身体が

妊娠によって崩れていくことに不安が募る方も

一定数いるだろうなと思います。

④趣味

海外旅行や、

夏は海でダイビング、冬はスノーボード、

スカイダイビングやサイクリングetc

色々あるかと思います。

海外旅行は

旅先でなにかあったときに対応できないため

おすすめされないことが多いですし、

お腹の子が危険にさらされる趣味は

控えなければなりません。

⑤仕事

私の理学療法士という仕事は、

患者様の体を持ち上げたり

歩行介助をしたりと体を使う仕事なので、

できることの幅は狭まります。

他にも重いものを運ぶ仕事や

長時間の立ち仕事など、疲労やストレス、

長時間の立ち仕事などでお腹が張って

赤ちゃんが苦しくなる可能性があるため、

仕事内容や量にも調整が必要になってきます。

ざっとあげただけでも

これだけのものを制限されます。

そして子が生まれれば

妊娠中より自由になるものもあれば、

不自由になるものもあり

やはり制限されることは

少なからずあるでしょう。

これは、母親に限らずですが。

母親になるんだから仕方ないよ

好きなことだけできてたのは独身だったから

そういった意見も多くありますし、私も

少なからず共感できます。

ですが、これらをふと立ち止まって眺めた時

「お母さんになったのでさよなら、

今までどうもありがとう」と

割り切れるものばかりではないと思いました。

生きるための術

私たちは、今こうして大人になるまでの間

家族や学校、そして社会に揉まれながら

苦い経験も含めて色んな、本当に色んな日々を

過ごしてきたと思います。

思い出しては顔をしかめたくなるような

つらい日々だってありました。

「なんで生きているんだろう」

「誰の役にも立っていない」そんな風に

自信をなくした日々もあったかもしれません。

でも、そんな日々を乗り越えるために、

乗り越えて「生きるために」

あがいて、試して、

挑戦して、そしてようやくして

生きるための術として掴んできたんです。

生きがいを、やりがいのあるものを、

満たされる時間を、そして誇れる自分を。

これらは、私たちの「足場」です。

もちろん、子供が生きがいになる人だって

居ると思います。状況に応じて生きられる人を

私は素敵だと思うし、尊敬もします。

では、そうでない人は?

ボロボロに崩れた足場では、

誰も支えられません。

私が私でいるための足場を失っては

どう生きていいか分からなくなってしまうと

思いません。

母親になって変わるべき部分

大前提として、

子供ができれば

物理的に使える時間やお金は変動します。

これは理解が必要な部分です。

好きなことのために際限なく投資することは

難しくなるケースが多いかもしれません。

なので、私たちは今まで以上に

考える必要があると思います。

なにに、どのように時間やお金をかけるか、

自分には何が必要で、

なにであれば妥協できるのか。

自分が今まで得てきた素敵なものを

一度並べて、眺めて

本当に必要なものをすくい取って

それを足場として守れるように

考えましょう。

人も、環境も、制度も、知恵も

色んなものを動員して

全ては「自分のために」考えること。

しいてはそれが、子供のためになり

家族のためになると私は思うんです。

我慢ではなく、深く検討し

あきらめるのではなく、工夫し

よりよく生きられるように

一緒に思考し続けましょう。

本日も最後まで読んでくださり

ありがとうございました。

それではまた。

 病院PTケイシーより

理学療法士、骨盤底筋指導士、マタニティヨガインストラクター

病院で理学療法士をしているケイシーです。【理学療法士とは】Physical Therapist(PT)ともよばれます。主に体に障害を負った人をリハビリし日常に送り出したり、運動の指導、体のメンテナンスなどをする仕事です。ケイシーは現在、【妊娠中や産後の女性の体のケア】と【入院中の患者様のリハビリ】【予防医学】を専門としています。ここでは、病院で働いてるからこそ話せる小話や、心と体を健やかに保つことの大切さ、日常生活に役に立つ医学情報などについてなどざっくばらんにお話ししていきます。

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