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産後の不調は誰にでも襲いかかる

理学療法士/ケイシー理学療法士、骨盤底筋指導士、マタニティヨガインストラクター

こんにちは!理学療法士ケイシーです。

今日は「産後の不調」をテーマにお話します。

無事に出産を終えた産後

女性にはどんなことが起こるのでしょうか?

産後のトラブル

膣や後陣痛による痛み、マタニティブルー、

全身疲労感、抜け毛、肌荒れ、腰痛、

尿漏れetc…色んな不調が女性を襲います。

膣や後陣痛、疲労感は出産による物理的な

ストレスから生じますが

その他の不調は主に、

本来女性の精神面や身体面を

守ってくれていた「エストロゲン」と呼ばれる

女性ホルモンが、出産するとともに

一気に減少することで起こります。

女性ホルモンの変化とは

エストロゲンは、

  1. 幸せを感じるホルモンを出やすくする
  2. 髪の毛や肌のつやを保つ
  3. 関節を保護する
  4. 筋力や骨量を維持する

など多くの役割をもって存在しています。

それが失われることで

「私に子供なんて育てられるの?」

「子供がかわいいと思えない」

といった精神的な不安定さを感じたり

「髪の毛が毎日すごい量抜けていく」

「やっとメイクできるのに肌荒れがひどい」

などといった状態に陥ります。

妊娠後期には満足に動くことも

難しくそもそも女性の身体を

支える筋力は低下状態にあります。

出産後の苦労

そこから、さらに出産というストレス

で全身的な疲労が生じ

それでも待ったなしで育児は

始まります。

申請しなければいけない書類、手続き、

周囲への連絡、お金や仕事のこと、

正解が分からない育児、

遠くゴールの見えない生活のはじまり。

そこに、疲労と痛みと精神的な

不安定さとが押し寄せて

女性らしさを司るホルモンが出ず

産後のふくよかな身体により

モチベーションもどん底状態。

そんな中でお母さんたちは本当に

よく頑張っていますよね。

「デブ」「劣化した」

産後の女性に心無い言葉を

かける、知識と想像力のない

己を恥ずべき人種は令和では

絶滅したと信じています。

さて、

このエストロゲンの急激な低下

これに関しては実は、予防できません。

エストロゲンは出産後数か月過ぎ

生理が再開するとともに徐々に

戻ってきます。

しかし、「産後の筋力低下」

「疲労感の軽減」

「マタニティブルーの予防」

これらに関しては、実は

予防することができます。

産後の不調の中で予防できること

産後の筋力低下や疲労感、

マタニティブルーには実は

妊娠中もしくは妊娠前からの運動習慣

関わってきます。

妊娠中から運動をしていた人たちは

マタニティブルーになりにくいという

研究データがあるんです。

また、

妊娠中から、適度な有酸素運動や

ストレッチを生活に取り入れることで

ベースの筋力や体力が上がり

産後の疲労感は軽減し

腰痛や肩こりが生じにくくなります。

ちなみに、

運動中はβエンドロフィンという

幸福を感じるホルモンが

出るため、産後に運動を始めても

効果はあるかと思いますが

そもそも運動習慣がない人が

産後のボロボロの状態で運動を

一から始めるのは、私の理学療法士の

経験からしても難しいと思います。

以上の理由から、できれば妊娠前、

もしくは妊娠中から適度な運動を取り入れ

「産後の自分に投資をすること」

それが、産後の不調を予防する近道です。

ですが、産後の不調の多くは

避けられないものであるということは

変えようのない事実です。

その事実を、パートナーを含めた

周囲の人が理解してあげることが

産後の不調の緩和になにより大切だと

考えています。

不調に寄り添い、時間をつくり、

優しい声をかけ、家事や育児を担い、

しんどいパートナーを支える。

そんな時間を積み重ねていくことで

改めてわが子の顔を愛おしいと

眺める心の余裕が生まれる。

そんな風に思います。

それでは今日はここまで!

読んでくださって

ありがとうございました。

理学療法士ケイシー

理学療法士、骨盤底筋指導士、マタニティヨガインストラクター

病院で理学療法士をしているケイシーです。【理学療法士とは】Physical Therapist(PT)ともよばれます。主に体に障害を負った人をリハビリし日常に送り出したり、運動の指導、体のメンテナンスなどをする仕事です。ケイシーは現在、【妊娠中や産後の女性の体のケア】と【入院中の患者様のリハビリ】【予防医学】を専門としています。ここでは、病院で働いてるからこそ話せる小話や、心と体を健やかに保つことの大切さ、日常生活に役に立つ医学情報などについてなどざっくばらんにお話ししていきます。

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