Yahoo!ニュース

【札幌市中央区】水道記念館で水について学ぶ無料ツアーと実験に参加。いくつになっても学ぶって面白いっ!

いろは地域情報発信ライター(札幌市担当)

いろはです。今回も記事をお読みいただきありがとうございます。

みなさんは、知れば知るほどに面白くなってくることってよくあると思いませんか。今回は以前ご紹介した札幌市水道記念館での無料見学ツアーと実験に参加して、とても為になり面白かったのでご紹介したいと思います。

藻岩山を背景に、ダクタイル鋳鉄管(札幌水道局で使用している最大の水道管と同じ口径の管)の展示<噴水広場にて> 近くで見ると迫力ありました。こんなに大きな管の中を水が通るなんて驚きです。
藻岩山を背景に、ダクタイル鋳鉄管(札幌水道局で使用している最大の水道管と同じ口径の管)の展示<噴水広場にて> 近くで見ると迫力ありました。こんなに大きな管の中を水が通るなんて驚きです。

札幌市水道記念館

ここは入館料も体験も全て無料の施設となります。

噴水広場では水遊びもできるんですよ。暑い時は気持ちよさそうっ

無料で参加できるものは2つ

❶記念館内、水の工場にて『水の実験教室』(当日参加/定員各時間毎4名:対象小学生以上)

所要時間は約15分です。服も汚れることもないのでそのまま参加可能です。

❷藻岩浄水場内部見学ツアー(当日予約/定員30名)

こちらは、案内員の説明を聞きながら浄水場内部の貴重な見学ツアーとなり、所要時間は約30分です。

※開始時間は記念館にお問い合わせください。記念館受付にて当日予約です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

では❶水の工場にて

『水の実験教室』体験レポート

実験室の机の前に集合です。大切な注意事項を聞いてから、いよいよ実験スタートです。

1人ずつ机の前に立ちます。

目の前にはある日の濁った川の水が入ったビーカーがあり、そこへスタッフの方が実際に使用している’消石灰(水で溶いたもの)’を入れてくれます。

藻岩浄水場は川の水から水道水を作っています。今回浄水場と同じやり方で同じ薬を使用し、水をきれいにしていきます。
藻岩浄水場は川の水から水道水を作っています。今回浄水場と同じやり方で同じ薬を使用し、水をきれいにしていきます。

消石灰は水の調子を整え、次に入れる薬の効き目をよくするために入れます。
消石灰は水の調子を整え、次に入れる薬の効き目をよくするために入れます。

入れ終わると、さぁ!かき混ぜます。始めはゆっくりしっかりかき混ぜます。濁りの元は泥だそうです。

そして、PACという凝集剤を入れます。これは接着剤の役割をするので、泥の粒同士がくっつき大きくなって沈殿しやすくします。ポイントは早く混ぜる⇒ゆっくり混ぜる・・・とスタッフの方の声かけに合わせて頑張るところです。

しばらくすると、あれほど濁った水が、薬の力によって透明になり、時間と共にフロックが沈殿していきます。ビーカーの向こう側が見えるほど水が透明で驚きました。

フロックとは?
水の濁りの粒の固まりです。

沈殿したフロック
沈殿したフロック

次にろ過します

ビーカーの水をろ過装置に通してフロックを取り除きます。粒の大きさは一番小さい物で0.6ミリほど。

小さい粒の砂です。

ろ過中です。慎重に流し込んでいるところです。

ろ過中はこぼさないようにと思ってちょっと緊張しました。
ろ過中はこぼさないようにと思ってちょっと緊張しました。

ろ過装置の層を見ると、上から下へと砂の粒がだんだんと大きくなっています。実際に使用しているろ過装置でもこのようになっているそうです。

落ちてきた水はビーカーの中でキラキラして見えます。
落ちてきた水はビーカーの中でキラキラして見えます。

これで透明な水にろ過されました。このままでは細菌などが含まれていて飲めないので、消毒の為の塩素をほんの少し入れて水道水の完成ですが、今回はろ過するところまでが実験となります。これは仕組みが分かりやすくて、とてもいい体験になりました。

因みに、札幌市では元々水がきれいなので、塩素の量も他の都市に比べると少ないそうですよ。これは誇るべきことですね。

さぁ、実験をして学んだ後は、この体験を踏まえた上で

❷藻岩浄水場内部見学ツアーへ・・・

待ち合わせは受付の前。ここからツアーがスタート。案内員の方のお話を聞きながらついて行き、外へ出ていくと・・・面白い物が!

グラニットボール

重さ約1トンの石が、水圧で浮いてくるくると回っているモニュメントです。触ってもいいということで、挑戦!指三本で止めたりも出来ました。軽自動車くらいの重さだそうです。見えませんよね~。水の力って不思議です。

お子様も楽しそうに触れていました。
お子様も楽しそうに触れていました。

藻岩浄水場

普段は入れない建物です。

ここから札幌市水道記念館を見ると、下記の写真の左側となります。右側の建物は発電所となります。

取水場から水を運んでくる際の高低差を利用して発電した電気は、記念館などで使用し、余った電力は北電さんへ売電しているそうです。ここで電気をまかなっているんですね。
取水場から水を運んでくる際の高低差を利用して発電した電気は、記念館などで使用し、余った電力は北電さんへ売電しているそうです。ここで電気をまかなっているんですね。

さぁ、浄水場の中に入ります。

モニターで浄水施設から水道水が家庭に届くまでを画面にて予習して学びます。

豊平峡ダム、定山渓ダムから流れてきた水は取水場から取り込まれ⇒浄水場へ

浄水場内での水はどのようにキレイになっていくのかな?

①混和池・フロック形成池:水の濁りを取るために薬を入れて、フロックを形成
②沈でん地:大きいフロックを沈めて取り除く
③ろ過池:細かい砂の層に通して水をきれいにする
④塩素混和池:塩素を入れて水を消毒する

ここまでであれ?と思いませんか。実はこの①~④の工程は水の工場『水の実験教室』で行った工程と同じなのです。実験を体験したことで、水の浄化工程がとてもよく理解でき、見学中も面白いほど内容が分かりました。小さな実験でしたが、巨大な施設で同じ事が行われていると思うと感慨深いものがあります。なので、浄水場ツアーの前に水の実験教室へ参加してみてはいかがでしょうか。

さぁ、浄水場内の実際の池へ

大きなフロックが浮いていました。実際のフロックを見つけると先ほど『水の実験教室』で体験したばかりなので、身近に感じ嬉しくなりました。

①フロック形成池

フロキュレーターと整流壁(穴のあいた壁で水の流れを一定にするもの)でここではフロックを大きく成長させています。因みに整流壁は記念館内の壁で見ることができ、アクアタウンやサイエンスパークで実際に触ったり確かめることが出来ます。実際に見ると穴の大きさに驚きですよ

フロキュレーターが見えた!写真では見えにくいのですが、実際にはよく見えます。やはり巨大でした。

②沈殿池

沈降傾斜管という管が池の中に見えます。現地で実物が展示中なので見て触ることができるのですが、意外にも柔らかい素材(硬質塩化ビニール製)でした。水が傾斜管内を通ることでフロックを早く沈めることができるそうです。

③ろ過池

水に残った小さなフロックを取り除く場所。深さは2.7mあります。粒子の細かい砂が上部にあり、下へいくほど砂の径が大きくなり砂利に。ここを通ることでろ過され、水が透き通る程にキレイになっていくのですね。

これを見て『水の実験教室』でのろ過装置を思い出しました。
これを見て『水の実験教室』でのろ過装置を思い出しました。

ここで内部見学は終わり、始めのモニター画面の場所へ戻ります。

浄水場の中はひんやりしていました。水を扱うからなのでしょうか。
浄水場の中はひんやりしていました。水を扱うからなのでしょうか。

ツアーを通してより水がどのようにしてキレイになり、各家庭にやってくるのかということや、24時間水の管理を行っているからこそ、常に蛇口から水が出て、安心して生活が送れるのだと知ることができました。

因みに、取水してから飲める水になるまで約4時間ほどかかるそうですよ。遅いか早いかどう思われますか?いろはは早いと感じました。

そして、ツアー終わりには素敵なものをいただきました。

すっごく嬉しかったです。2018年の北海道胆振東部地震時に停電し水を公園まで汲みに行きましたが、容器がなくてペットボトルで何度も汲み往復しました。これだったら6Lも入るし、なんと言ってもリュック機能もあるんです。とても機能的な容器をいただきました。早速この夏は使用して確かめてみたいと思います。ありがとうございます

備えあれば憂いなしですよね。

さて、ここまで体験やツアーについてのご紹介でした。この夏はお子様と、そして大切な人と、お友達と訪れて体験して楽しんで学んでみるのはいかがでしょうか。いろはのオススメスポットです。

【取材後記】

札幌市水道記念館の関係者の方へ。とても為になるお話をたくさんご説明していただきありがとうございます。色々な事情で全てを盛り込めませんでしたが、その部分は訪れた方が体験して楽しまれると思います。いろははこの場所がとても気に入っています。また是非伺いたいと思います。

※札幌市水道記念館豊平峡ダムをご紹介しています。良かったら読んでみてください。

豊平峡ダムから豊平川を通って浄水場へ水が流れてくると思うと水が愛おしく思えます。因みに札幌の水の98%を豊平川から供給しているそうです。

【施設情報】
施設名 /札幌市水道記念館
住所 /札幌市中央区伏見4丁目
電話番号 /011-561-8928
入館無料
開館期間 /4月15日~11月15日(令和5年)
休館日 /月曜日(月曜が祝日の場合はその直後の平日)
開館時間 /9:30~16:30
アクセス /こちらよりご覧いただけます
無料駐車場完備
札幌市水道記念館HP /こちらです
噴水広場・カナール広場通水のお知らせ//5月13日(土)より、噴水広場・カナール広場の通水を開始<詳細はHPでご確認ください>

※こちらの情報は、2023年6月の取材時のものです。

※最新情報は、HPにてご確認のほどご来館ください。

地域情報発信ライター(札幌市担当)

こんにちは。北海道が大スキな’’いろは’’です。 札幌を中心に、時間があれば北海道をあちこち旅して、出会いと発見に感動するたびに北海道は無双で最高なものばかりに出会います。のんびり景色を楽しみながらの散歩も大好き! 札幌ではふらっと立ち寄ったり、発見したワクドキなものを中心に発信していきたいと思います。よろしくお願いします。

いろはの最近の記事