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【神戸市兵庫区】兵庫津の歴史遺産が眠る「新川運河キャナルプロムナード」清盛くんにAR初代県庁舎も

斎信夫(いつき)WEBクリエイター/旅行ライター・エディター(神戸市)

イオンモール神戸南(兵庫区)の真ん前を流れる新川運河。明治8年に神田兵右衛門(こうだひょうえもん)により開削された運河ですが、この運河沿いの入江橋~大輪田橋間には、全長350mの「新川運河キャナルプロムナード」が整備されています。お買い物のついでに、港町神戸の原点となった大輪田の泊があった頃に思いを馳せながら、ちょっと散策してみてはいかがでしょう? 初代県庁舎がARで再現されるアプリもご紹介。

神戸市営地下鉄海岸線 中央市場駅を降りたら1番出口を出て、少し進むと「築島水門」が見えてきます。描かれているのは、平清盛が大河ドラマになったときに結成された「神戸・清盛隊」。2022年9月末で定期的な活動の休止を発表しましたが、イベントなどの開催時には出演。今も根強い人気があります。先日の節分では豆まきされてたようです。

ここを左へ進むとあるのが、「古代大輪田の泊の石椋(いわくら)」。平安時代の末期から鎌倉時代前期にかけて日宋貿易で栄えた頃の遺構とされます。

石椋とは石を積み上げた防波堤や突堤の基礎のことで、昭和27年の新川運河浚渫工事の際に発見されました。

このあたりは大輪田泊(おおわだのとまり)があったところ。

イオンモール神戸南前の入江橋には、兵庫地域のシンボル清盛くんが見守ってくれています。

このあたりは歩いてて気持ちいいですね。

プロムナードには、兵庫運河、新川運河の歴史について書かれた案内板があります。

兵庫運河は、明治29年から開削が始まり、明治32年12月に開通しました。高松町、材木町、南逆瀬川町を通り、明治8年に完成した新川運河に達する本線と、東尻池町から南に延びる支線の5つの運河の総称が「兵庫運河」。この時に掘った土砂つくられたのが神戸長田区沖の人工島の苅藻島(かるもじま)です。

神戸で人工島というとポートアイランド、六甲アイランドですが、明治の頃から人工島があったのですね。

運河の総延長距離は6,470m、水面積の合計が約34haと、日本最大級の規模を誇っています。

この方が、神戸発展の父、神田兵右衛門(こうだひょうえもん)さんです。以前「パワーみなぎる「和田神社」神使いの蛇が圧巻!鳥居も見応えあり」の記事でご紹介した和田神社には、神田兵右衛門さんの顕彰碑があります。

神田兵右衛門さんは、明親館など神戸市内十数か所の学校を建設、新川運河、兵庫運河の築造、水道の敷設などの功績があり初代神戸市会議長をはじめ多くの公職にも就いていました。

プロムナードにはこんなモニュメントもあります。夜間にはライトアップも行われ、色とりどりの光が運河の水面に反射して幻想的な雰囲気になるそう。

近くには「兵庫城跡」の碑があります。新幕府が1868年(慶応四年)にこの城跡の一部に兵庫鎮台を設け、幕末に機能した兵庫津奉行所が勤番所となり明治になるまで続きました。そして勤番所は兵庫県庁へ。つまり、最初の兵庫県庁の地となったのがここ。

最初の県庁舎を復元した兵庫津ミュージアムの「初代県庁館」は、こちらの記事でご紹介しています。

ここではスマートフォンアプリの「初代兵庫県庁舎ナビ」をインストールしてみましょう。初代県庁舎がARで再現されます! さらに兵庫津周辺の街並みの移り変わりを元禄期・江戸末期・現在で切り替えることもできます。

初代兵庫県庁舎ナビのインストールはこちらから! 説明ページはこちら
iOS用 初代兵庫県庁舎ナビ
Android用 初代兵庫県庁舎ナビ

一番端にあるのが「大輪田水門」です。

反対側の大輪田橋から見ると、 兵庫区のキャラクター ハートンが描かれています。

いかがでしたか?「新川運河キャナルプロムナード」。
短い区間ですが、見どころたっぷり。歴史が好きな方には特に訪れていただきたいところです。この先には、「清盛塚」や昨年、博物館施設である「ひょうごはじまり館」がオープンした「県立兵庫津ミュージアム」もあるのですが、それはまたの機会に。

基本情報

名称:新川運河キャナルプロムナード
住所:神戸市兵庫区切戸町
アクセス:地下鉄海岸線中央市場前駅から徒歩約6分

神戸市 神戸港の発展 新川運河キャナルプロムナード
Feel KOBE キャナルプロムナード(兵庫運河・新川運河)

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WEBクリエイター/旅行ライター・エディター(神戸市)

兵庫県西宮市生まれの神戸育ち。テクニカルライターを経て、1998年より会社を設立しWEBクリエイター、フリーライターとして活動。数々の旅行関連サイトを企画・運営。LINEトラベルjp元編集者兼ライター。沖縄と北海道が大好きで6年半沖縄市に在住。海外は特に台湾が好きで渡航回数10回以上。「週刊日本の島(デアゴスティーニ)」専属ライター&フォトグラファーとして沖縄、兵庫、瀬戸内等の33の島の記事を執筆。こちらでは地元神戸市の魅力を、時には動画を交えてお伝えしていきます。X(旧Twitter)、Instagramでも、神戸の最新情報や記事でのこぼれ話、その他の旅行ネタなども発信。

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