Yahoo!ニュース

安心して混浴温泉に入りたい女性のための考察!バスタオル、水着、湯あみ着を使い比べてみた

泉よしか女子目線温泉ライター

温泉ライターの泉よしかです。

混浴だけどあの温泉に入ってみたい、でも心配。そんな時にバスタオル巻き、水着、湯あみ着などを着用して入る方法があります(施設が許可している場合に限ります)。

今回は筆者が具体的に使い比べてみて、バスタオル、水着、湯あみ着をそれぞれを着用して温泉に入った時の使い勝手や、その中でも特に湯あみ着をお勧めしたい理由を紹介します。

なぜ混浴?

日本には混浴文化といわれるものがあります。江戸時代以前の公衆浴場は混浴が一般的でした。しかし、現代においては混浴風呂は減る一方です。
大浴場が一つしかない施設でもみんながお風呂を使える、家族で一緒に大きなお風呂に入浴できる、年配の夫婦が助け合いながら入浴できる、混浴風呂にはそういったメリットがあるのも確かです。しかし時代とともに、時間による男湯と女湯の入れ替え、貸切家族風呂などに取って代わられてきました。

私が混浴でも仕方がない、混浴でも絶対に入りたいと思うタイプのお風呂は、足元湧出泉(温泉が自噴しているところに湯舟を作ったお風呂)、絶景の眺望があるお風呂、歴史的な建造物のお風呂、デザインが美しいお風呂などです。私と同じように、ここでしか入れない特別なお風呂なら、混浴というハードルがあっても入ってみたいと思う人はいるはずです。

バスタオル巻きで温泉に入るメリット・デメリット

厚みのあるガーゼ地のバスタオル、混浴対策だけでなく、普通の旅行用としても重宝します
厚みのあるガーゼ地のバスタオル、混浴対策だけでなく、普通の旅行用としても重宝します

テレビや雑誌で入浴シーンが登場するときに、一般的に使われるのがバスタオル。また温泉に入るつもりなら、比較的最初から持参している可能性が高いのもバスタオル。

もちろん多くの旅館やホテルのお風呂はバスタオル巻きで入浴することを禁じていますが、開放的な露天風呂、混浴のお風呂などの一部では、巻いて入っても構いませんと言ってくれる場合があります。

バスタオル巻きのメリット

  • 温泉旅行には最初から持参している人が多い
  • テレビや写真で見慣れているので違和感がない
  • お風呂らしい風情が保たれる。特に全身お風呂に浸かってしまえばタオルが見えないので自然な雰囲気

一方、実際に使う側としては使いにくい点もたくさんあります。

バスタオル巻きのデメリット

  • はだけやすい
  • 水を吸って重くなる(結果的に、よりはだけやすくなる)
  • 大きいので使用後にしぼるのが大変
  • 完全にお湯に浸してしまうと、なかなか乾かないので浴後が大変

はだけやすいというデメリットに対しては、風情は少し落ちますが、短辺の一つにゴムを入れた、プール用ゴム入りバスタオルを使うことで軽減できます。ただしその場合でも、水を吸うとかなり生地が重くなるので過信しないでください。油断すると下にずり落ちます。

なかなか乾かないことへの対策としては、速乾タイプの素材を使うことも考えられますが、体を拭く程度の水分ではなく、完全にお湯に浸してしまった後は、脱水機にかけない限りは綿パイルのバスタオル以上にいつまでも水が垂れる素材もあるのでオススメしません。

いろいろ試した私がバスタオル巻きでオススメするとしたら、ガーゼ地のタオルを選びます。軽くてコンパクトで絞りやすい。乾きも早い。ただし、透けない厚みと色柄のものを選んでください。

水着で温泉に入るメリット・デメリット

北海道の水無海浜温泉(満潮時は海に沈む温泉)は水着を着て入りました
北海道の水無海浜温泉(満潮時は海に沈む温泉)は水着を着て入りました

水着でお風呂に入ることには特に賛否両論あるかと思います。自分としてもデメリットの方が大きいと思いますが、水着でないと難しいお風呂(野湯など)も存在します。

水着着用でお風呂に入るメリット

  • 見られてもいいように作られた製品なので最も安心感がある
  • 服の下に最初から着用して、服を脱いでそのまま入浴できる
  • お洒落ができる

圧倒的な理由は安心感。はだけたりしないのは助かります。私はお洒落理由で水着を着てお風呂に入ったことはありませんが、水着着用が許されるお風呂なら、自分が好きな色・柄・デザインの水着で楽しむこともできると思います。

服の下に最初から着用できるのは水着ならではのメリットですが、じゃあお風呂に入った後の帰りはどうするのかという点は考えておく必要があります。

水着着用でお風呂に入るデメリット

  • 衛生面で問題あり。掛け湯で下半身を洗い流すことがほぼ不可能。
  • お風呂らしい風情に欠ける。プールみたいな雰囲気になってしまう。
  • 体にぴったりと張り付く素材なので、熱を逃がしにくい、すぐにのぼせてしまって快適ではない
  • 身体を締め付ける素材が多いので、リラックスできない

圧倒的なデメリットはやはり衛生面でしょう。そのため水着を禁じる混浴温泉は少なくありません。先に女湯で洗ってから入る場合や、混浴の手前に女性専用ゾーンがあり、そこで洗ったり掛け湯できる場合は水着も有りだと私は考えます。

湯あみ着(湯浴み着)で温泉に入るメリット・デメリット

筆者愛用の湯あみ着(湯原温泉のオリジナル「はんざきちゃん湯あみ着」)
筆者愛用の湯あみ着(湯原温泉のオリジナル「はんざきちゃん湯あみ着」)

バスタオルも水着も温泉入浴のために作られた製品ではないので、いろいろと使い勝手に問題がありました。そこでここ数年で温泉旅館などで急速に市民権を得つつあるのが「湯あみ着」という存在。混浴対策など、着用してお風呂に入ることを目的として開発された商品です。

湯あみ着着用で温泉に入るメリット

  • 身体のシルエットが出にくい、締め付けないので入浴中にリラックスできる
  • 水はけのよい素材なので、浴後も扱いやすい
  • バスタオルより、はだけにくくて安心(安心感は水着よりは少し劣る)
  • 水着やバスタオル巻きより掛け湯がしやすい

ほぼ、バスタオル巻き、水着着用で心配だった点は改善されます。もちろん決まった規格があるわけではないので、製品によってばらつきはあります。

湯あみ着着用で温泉に入るデメリット

  • 高い(滅多に使わない人には湯あみ着代が高いと感じる)
  • 風情が保たれるとはいいがたい(お風呂というよりはプールっぽい雰囲気)

結局いろいろ試してみて、一番おすすめできるのは「湯あみ着」でした。

ところで「湯あみ着」にもいろいろなタイプがあります。素材としては主にポリエステルなどの化繊と不織布があげられます。化繊の「湯あみ着」はお値段が張ることが多いのですが、よりコンパクトに畳めて耐久性が高い。洗濯機でガンガン洗ってもびくともしません。
一方、不織布は耐久性はポリエステルなどより少し劣り、畳んでもかさばりますが、お値段的にはお手頃なものが多いです。

デザインは大きく分けると、肩紐のあるなしに分かれます。肩紐があるタイプは安心感があり、まず入浴中にずりおちることがありませんが、あごぐらいまで浸からないと生地が見えてしまうこともあり、温泉らしい風情に欠けます。
一方肩紐がないラップタイプは、バスタオル巻きのように雰囲気は良いのですが、アジャスターなどでサイズを調節してもずり落ちるリスクがあります。

サイズ感がわかるように物差しを置いてみました
サイズ感がわかるように物差しを置いてみました

なお筆者は湯あみ着をジップロックなどのファスナー付きプラスチックバッグに入れて持ち歩いています。空気を抜けば、持ち歩きの時にかなりコンパクトになります。入浴後も同じ袋に収納すれば、荷物がぬれてしまう心配がありません。

どこで湯あみ着を手に入れるか

混浴の温泉などではレンタルや販売をしているところもあります。一度レンタルして使い勝手を確かめてから購入するのもいいでしょう。

ネットショップでも販売しています。このとき注意したいのは、「湯あみ着」で検索しても、館内着や湯上りのリラックスウェアも一緒に出てくることが多い点です。
パイル時の湯あみ着では、バスタオルと同様に完全にお湯に浸してしまうと扱いが難しくなりますし、トップスとボトムがセパレートになっているデザインでは、水着と同様に掛け湯が難しくなります。
あくまでも湯上がりではなく、そのままお風呂に入るのに適した商品を探すようにしてください。

ちなみに「湯あみ着」着用時の掛け湯ですが、筆者は胸元のゴムを少し伸ばして、「湯あみ着」の内側を流すようにして掛け湯しています。

混浴温泉でのマナー

わいた温泉郷 旅館 山翠の混浴露天風呂、宿泊者は湯あみ着を無料で貸してもらえる
わいた温泉郷 旅館 山翠の混浴露天風呂、宿泊者は湯あみ着を無料で貸してもらえる

そもそも「湯あみ着」を含めて、何か着たり巻いたりしてお風呂に入ること自体がマナー違反だという考えもあるでしょう。

しかし、万人が満足する方法はありません。混浴温泉には通称"ワニ"と呼ばれる、異性を見ることを目的としてやってくる人が後を絶たないという現実もあります。

また何か着用して入浴する側は、事前に全身をしっかり洗ってくる、その場で掛け湯をするなど衛生面に気を使い、使用する「湯あみ着」などは洗濯した綺麗なものを使用しましょう。

混浴でのバスタオル巻き、水着着用、湯あみ着着用、それぞれに関しては、まず入る施設が着用を許可しているかを確認いただいた上で、このお風呂に入りたいけど混浴だから難しいとあきらめていた人に、参考にしていただければ幸いです

女子目線温泉ライター

有名温泉から穴場の温泉まで、秘湯、旅館、ホテル、共同浴場、スーパー銭湯や絶景温泉など日本全国、思わず行ってみたくなる温泉やオトクな旅行情報を発信します。取材・執筆のご依頼は、公式サイト「子連れ温泉ガイド」メールフォームかSNSのメッセンジャーからご連絡ください。 温泉ソムリエマスター/温泉観光実践士/サウナ スパ健康アドバイザー/温泉ビューティー&ダイエットソムリエ

泉よしかの最近の記事