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槙野智章の恩返し弾で、浦和レッズはホーム開幕戦で今季初勝利を飾れず

椛沢佑一浦和フットボール通信編集長(さいたま市)

アジアチャンピオンズリーグ(ACL)の日程の関係により、第9節のヴィッセル神戸戦が、埼玉スタジアムでの2022シーズンホーム開幕戦となった。今季から神戸に移籍したDF槙野智章が浦和との古巣対戦となった。

前半8分、神戸のFW大迫勇也をMF松崎快が倒したプレーがVARによってPK判定となり、このPKをFW武藤嘉紀が蹴るが、浦和のGK西川周作がビックセーブで防ぎ、事なきを得た。しかしその直後の9分、神戸がスローインの流れから左サイドを崩すと武藤嘉紀が、左足でボレーシュートを決めて先制。このゴールで試合が一気に動く。

12分には浦和レッズがカウンターの流れから、関根貴大が長い距離をドリブルで運び、深くえぐって入れたボールを、中央でMF松崎快があわせて同点弾。松崎は浦和移籍初ゴールとなった。さらに浦和レッズは18分には、コーナーキックから、フリックしたボールをMF柴戸海がゴールに押し込んで、2-1として一気に逆転した。その後も互いに決定機を作り出すが、ゴールを決めきることはできず、2-1で浦和レッズが1点リードして前半を折り返した。

今季から、昨季で引退した阿部勇樹の22番を背負う、柴戸海選手は「今季は、ゴールに向かっていくプレー。得点、アシストの部分は意識しています。セットプレイはチームとしても練習してましたし、色々なアイデアがある中の一つをチームとしてはイメージ通り出せたゴールだった」と、勝ち越しゴールを振り返った。

後半に入ってもアグレッシブな展開が続く中で、12分、浦和レッズのFW明本考浩がラフプレーによってレッドカードで退場となり、浦和レッズは10人でのプレーを余儀なくされる。

浦和レッズは、ここから最終ラインを5枚にして1点を守り切る戦いにシフト。それをこじ開ける神戸という展開が続く。我慢強く守る浦和だったが、86分、途中出場のMFアンドレス・イニエスタのクロスをDF槙野智章がヘッドで決めて、守りを固める浦和の守備をこじ開けることに成功。神戸が同点に追いついた。試合はこのまま終了して、2-2の痛み分けで試合は終了した。

古巣との初対戦でゴールを決めた槙野智章選手は「前がかりになって点を取りに行く姿勢を見せた結果が、最後のゴールに繋がった。イニエスタ選手は、動けばパスは出してくれる選手なので、クロスボールで決まったようなものでした」と、同点弾を振り返った。

浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督は「立ち上がりにPKを与えてしまって、その後の流れから失点があって難しい流れがありましたが、そこから反撃して松崎のゴールが生まれて、さらにチャンスから2点目もあり、松崎は3点目を獲ってもおかしくないという試合でした。最も試合の転換期となったのは明本選手の退場でした。退場の後もなんとか持ちこたえて、槙野のゴールやサンペールのシュートがバーに当たる場面以外は、そこまで形を作らせなかったと思います。ヴィッセル神戸のようなチームと対戦して負けないというのも大事なことだと思います。今日は勝ち点1を拾った試合だったと思います」と、試合を振り返った。

1分1敗スタートとなった浦和レッズは、今週末26日(土)に埼玉スタジアムで、ガンバ大阪戦との一戦で、今季初勝利を目指す。

浦和フットボール通信編集長(さいたま市)

サッカーの街と人を応援するFANZINE「浦和フットボール通信」編集長。フリーマガジンを年5回発行。ウェブサイト「浦和フットボール通信」「浦レポ」「埼玉サッカー通信」で、浦和レッズの情報から、埼玉のサッカー情報、サッカーの街の情報を発信しています。また「浦和フットボール映画祭」など、サッカーイベントなどもプロデュースしています。

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