Yahoo!ニュース

キャンプ場に野生動物を近づけない為に#4

KAGARIBI八ヶ岳南麓で夫婦セルフビルド生活

至る所で野生動物が出没するニュースをよく耳にするようになりました。イノシシ・シカ・サルは全国的に問題になっていますし、地域によってはクマが出てくることも。見学に行った物件でも、足跡やフンを多く目撃しています。イノシシとシカは実際に遭遇しました。なぜ、こんなに多く人前に姿をあらわす様になったのでしょうか。

◆野生鳥獣被害が増える訳

少し意外ですが、人が手入れをしなくなり荒れた山林・田畑が増えると野生動物が街に出没するのです。

人の行き来がない方が静かで動物にとっては住むやすいのかなと思っていました。しかし荒れ果てた山林は陽の光が入らなくなり木の実や餌となる作物も育たなくなります。飢えた動物たちは餌を求めて彷徨うようになり生息地近くの放置された耕作地で果樹の実を食べ、その味を覚えたらもっとたくさんある場所を求めてどんどん人に近づいてくるのです。

結果的に人間が『餌付け』をして野生動物を招き入れていたようなものです。家の近くの畑に柵をしても荒れた山や耕作地の改善を考えていかなければ解決しないのかもしれません。

物件に向かう途中に出会ったイノシシ
物件に向かう途中に出会ったイノシシ

◆野生動物の痕跡

土地探しをしていく中で「ここにはどんな野生動物が出没するのだろう」と気になるかと思います。イノシシは土を掘ったりするので分かりやすかったりしますが、サルやシカといった他の野生動物が出没するのかどうかを判断するのに便利なポイントが一つあります。

それは動物の「フン」の特徴を知る事

直接目撃しなくても普段どんな動物が行き来しているのかの判断材料になるので、土地探しの参考になるのではないでしょうか。ここに写真は載せませんがネットで「イノシシ フン」「鹿 フン」などで検索してみると出てくるので気になる方はチェックしてみて下さいね。

他にも野生動物の痕跡はたくさんあります。足跡はもちろん、寄生虫などの汚れを落とす為に泥を浴びる「ぬた場」や、木に体を擦り付けた跡、食べ残しなどの「食痕」、熊などは「爪痕」なんかも目印になります。そしてよく見かけるのが「罠」ですね。その罠の大きさによっても、どんな野生動物が生息しているのかイメージが出来ると思います。

よく見かける罠
よく見かける罠

◆キャンプ場と野生動物

人の手が入ると動物が寄り付かなくなる
焚き火をすると山火事と勘違いして逃げていく

このような話を経験者から聞いたりします。キャンプを始めた人が自然に興味を持ち山遊びをするようになったら、少しずつ山に人が入るようになり野生動物を集落から遠ざけ山奥の元いた場所へ帰すことができるかもしれませんね。何十年先になるかわかりませんが…。

適度な距離を保つには人がほどよく手を入れること
適度な距離を保つには人がほどよく手を入れること

逆にゴミを放置したりすると匂いに釣られて近くまできてしまいます。もう中身が入っていないお菓子の袋でも嗅覚が優れている動物は匂いを嗅ぎ取ってしまい、次は中身がある物を探そうとします。本来臆病だから大きな音がするところや人間には近づいてこないといいますが、一度人に慣れてしまうと警戒心は薄れるようです。

動物たちはただ、飢えを凌ぐ為に必死で餌を探しているだけで人を狙って傷つけている訳ではないでしょうが、やはり死傷者を出してまうと駆除という選択をしなくてはいけなくなってしまいます。人間だけの目線で駆除するのではなくうまいこと動物と共存していけたらいいと思います。

◆最後に

人の手が入らないから野生動物の被害が増える
人が手入れをすると野生動物が近づいてこない

手入れをすると木の実などの餌が増えるので一見矛盾しているようにも思えます。居住地と遠く離れた山の整備をする事でほどよく距離を保てるようになるのだと思います。

だから山を崩して開拓し動物が住んでいた場所を奪ってしまう事を問題視する方もいるでしょう。他にも、山の持ち主が高齢で手入れできない・所有者がわからない山林が増えているとか、ゴミ問題、動物の生態系のことなど。様々な事が複雑に絡み合って野生鳥獣の人への被害が増えているのだと思います。専門家ではないので詳しいことはわかりませんが、まずわたしたちに出来ることはゴミを放置しないことではないでしょうか。遊んだ後はキレイにして帰るだけ。不本意な『餌付け』をして野生動物をキャンプ場周辺や市街地へ近づけないことを意識していきましょう。

KAGARIBI ゆか

八ヶ岳南麓で夫婦セルフビルド生活

ハイエースに寝泊りしながらキャンプ場開拓を目指していましたが、とある理由でキャンプ場経営を断念。 今は山梨県の山の土地を購入し、自分達の家をセルフビルド中! 開拓を通して『自分で生きる力』を身につけ、自給自足生活を目指して第二の人生へ向けて挑戦していきます。

KAGARIBIの最近の記事