【秋田県大仙市】創業40年超!船岡温泉郷で愛される人情食堂『ラーメンハウス協和』とは?
船岡温泉郷で出会ったポツンと食堂『ラーメンハウス協和』とは?
ラーメンストーリーは突然に。
先日大仙市協和の温泉施設へ向かうため車を走らせていると、一軒のラーメン屋が目に留まった。船岡温泉郷に建つポツンと食堂だが店名は秋田でよく見かけるラーメンショップ……じゃなくてラーメンハウス。こいつは気になるってことで、ぶらりラーメン下車の旅。私は昭和感が漂う大仙市協和のラーショ……じゃなくてラーハウのその扉をあけた。
店内に入るとタオルをねじり鉢巻きにした店主のお母さんが迎えてくれた。年齢は70代ぐらいだろうか。こちらのお母さんがひとりでこの店を切り盛りしているようだ。
古き良き食堂で過ごすお盆前の昼休み。私の横で餃子を食べているお父さんはお墓の掃除帰りで、カウンター脇に設置されたテレビから聞こえてくるのは甲子園の実況中継だ。私はアサヒビールの小さなコップで水を飲みながら、カウンター横の品書きに目をやった。
品書き
みそラーメン:700円、塩ラーメン:700円、醤油ラーメン:700円、みそバターラーメン:750円、みそバターコーンラーメン:800円、みそチャーシューラーメン:900円、塩チャーシューラーメン:900円、醤油チャーシューラーメン:900円、手作り餃子:400円など。
今日はがっつり肉気分、みそチャーシューラーメンで決まりだ。珍しくあっさりとメニューが決まった私だが、ふと隣の常連さんをチラ見するとこんな声が聞こえてきた。
「やっぱり餃子うめなぁ」
……マジすか。その2秒後、私は追加で餃子を注文した。
サービスの小鉢も嬉しい!昭和から続く人情食堂の手作り餃子とみそチャーシューラーメンとは?
最初に到着したのは餃子だ。ついでにサービス精神が旺盛な店主のお母さんに導かれて、2種類の小鉢もあわせて登場。一気にテーブルが賑やかになった。
お母さんお手製のささげと漬物に箸を伸ばし、こんがりと焼かれたニンニク強めの餃子を頬張りながら夏をゆく。ふと周りを見渡すと、日曜日の店内はお客さんで賑わっている。ひとりで接客と調理をこなすお母さんを心にかけて、食べ終わったラーメンを座敷から厨房付近に運ぶお客さんの姿もあった。
いよいよメインの「みそチャーシューラーメン」が到着。思いのほかサラサラ飲めるスープの中にメンマやモヤシが潜む王道スタイルだが、このラーメンで特筆すべきは麺の上に敷き詰められたチャーシューマウンテンだ。おNEWなラーメン屋さんではなかなか見ないビジュアルだが、とにかくこのチャーシューが柔らかくて旨い。
味噌と生姜の風味を纏った極上チャーシューと麺を交互に食べながら、時々餃子や漬物を挟む。これが昭和から続く老舗食堂での正しいスタイルだ。……と言えるかはわからないが、私のお腹は心ともども大満足である。
ふとカウンターから厨房を覗くと「ヨイショ!」と声を出して二人前のラーメンが乗ったお盆を持ち上げる店主のお母さんが見えた。額から流れる汗を首にかけたタオルで拭う姿は勇ましくもある。
「ごっつぉさん」「おいしがった」「せば、まだくる」
こんな言葉が何度も行き交うラーメン屋さんはそうない。店主の愛情とたしかな味、そして豊かなお客さんが織りなす夏のラーメンハーモニー。
船岡温泉郷の老舗食堂は人情があふれている。
【店舗情報】
ラーメンハウス協和
住所:秋田県大仙市協和船岡字中庄内上段64-1
営業時間:11時~15時(※夜の営業は要問合せ)
定休日:無し(臨時休業の場合有り)
電話番号:018-893-2758