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【秋田県横手市】秋田三大かつ丼の一角がここに!横手市十文字の名店『吉兵衛』とは?

KANEYANWEBライター/地域クリエイター(大仙市・横手市)

創業38年!横手市十文字の愛され食堂『吉兵衛』とは?

何度目の青空か。

真冬の秋田では珍しく晴れ間が見えた2月某日、私は乃木坂46の初期の名曲を聴きながら横手市十文字に向かって車を走らせた。やがて車は十文字の中心部を離れて、民家が並ぶ小さな集落へ。見えてきたのは十文字エリアの愛され食堂『吉兵衛』だ。

味処 吉兵衛
味処 吉兵衛

創業から38年を誇るこの老舗食堂だが、実は「秋田三大かつ丼」の提供店としても知られている。ちなみに、この聞いただけでも腹が減ってきそうなパワーワード「秋田三大かつ丼」の顔ぶれは、初期乃木坂46のエース・生駒里奈さんの出身地由利本荘市にある『いときん食堂』、仙北市角館にあった『日之出食堂』、そしてここ横手市十文字にある『吉兵衛』だ。

……って、どうやら角館の『日之出食堂』はすでに閉店しているようだ。もはや都市伝説に近いこの「秋田三大かつ丼」だが、私はその真意を確かめるため老舗食堂の紫色の暖簾をくぐり抜けた。

秋田三大かつ丼の一角とは如何に?
秋田三大かつ丼の一角とは如何に?

ご夫婦で営む吉兵衛。昭和の雰囲気が漂う店内に入ると、さっそく「味の宝石箱や~」でお馴染みの彦摩呂さんのサインがお出迎え。かつ丼以外にも幅広い食堂メニューが揃っており、店の奥には漫画喫茶並みの大量のコミックが鎮座。まさに古き良き大衆食堂という面持ちだ。

噂のかつ丼以外にも豊富なメニューが並ぶ
噂のかつ丼以外にも豊富なメニューが並ぶ

店の奥には大量の漫画本が鎮座
店の奥には大量の漫画本が鎮座

品書き

品書き(丼類、カレー・ピラフ、一品料理、飲み物)
品書き(丼類、カレー・ピラフ、一品料理、飲み物)

丼類

玉子丼:500円、親子丼:550円、牛丼:600円、カツ丼:650円、肉丼:650円、とりかつ丼:550円、えび丼:700円、天丼:800円

カレー・ピラフ

カレーライス:550円、ドライカレー:550円、チキンピラフ:550円、エビピラフ:650円など。

一品料理

焼き魚:600円、揚げ物:600円、天麩羅:900円、かつ煮:550円、野菜炒め:450円

丼物は全体的にリーズナブルで、人気のかつ丼も650円と財布に優しい価格設定だ。酒飲みの私としては一品料理が注文できるのも嬉しい。焼き魚揚げ物などメニューがざっくりしているのが気になるが、そこは昔ながらの食堂のご愛嬌だ。

品書き(麺類、定食)
品書き(麺類、定食)

麺類

ラーメン:450円、みそラーメン:600円、辛口ラーメン:550円、みそチャンポン:700円、チャーシュウメン:650円、天麩羅うどん:700円、焼きうどん:500円、焼きそば:500円、200円ラーメン:200円など。

定食

焼き魚定食:700円、焼き肉定食:900円、トンカツ定食:1,100円、魚フライ定食:700円

ラーメンうどん焼きそばと麺類もひと通り揃っている『吉兵衛』だが、特に気になるのが200円ラーメンなるものだ。まさに昭和の忘れ物と思えるような衝撃の価格設定。実はコイツも十文字の愛され食堂の名物のひとつだ。真冬の十文字でガッツリ男メシ。今回はかつ丼とあわせて、この200円ラーメンも実食といこう。

噂通りのウマさ!コスパ最強の『吉兵衛』のカツ丼を堪能せよ!

カツ丼:650円(味噌汁、キムチ付)
カツ丼:650円(味噌汁、キムチ付)

お待ちかねの「秋田三大かつ丼」の一角が味噌汁とキムチを連れてお目見えだ。ご飯を覆いつくすボリューミーでワイルドなカツを、ふわトロな卵が実家のオカンのような優しさで包み込んでいる。コレ、絶対にウマいやつやん。アラフォー独身男(私)の幸せとは何か。それはバレンタインデーに娘からもらうサプライズチョコレートではなく、目の前のかつ丼にがっついている瞬間だ。

ボリューミーだが飽きがこない絶妙な味付けが素晴らしい!
ボリューミーだが飽きがこない絶妙な味付けが素晴らしい!

主役のカツはやや甘めの味付けで、ご飯との相性が良い。細くスライスされたバイプレイヤーの玉ねぎも良い仕事をしている。絶妙な塩梅で卵をまとった厚みのあるカツを口に運び、その勢いでつゆだくのご飯をかき込む。幸せはかつ丼と共に。ちなみにプラス50円で大盛りも可能だが、普通サイズでも十分に満足できるボリュームだ。

秋田県で最も安い?『吉兵衛』の伝説メニュー「200円ラーメン」とは?

噂の200円ラーメン
噂の200円ラーメン

『吉兵衛』に来たら外せないのが、この200円ラーメンだ。あっさり系のスープの中に潜む中細ちぢれ麺は、喉ごしが良く200円とはいえなかなかのボリューム。具材はシンプルにネギだけだが、これだけでもお腹いっぱいになりそうだ。

これで200円は安っ!
これで200円は安っ!

もはやレジェンド級の200円ラーメン。味にパンチ力はないが、この「普通さ」がまた良い。カツ丼などのメインディッシュのお供に頼むのもアリだし、飲んだ後の〆の一杯にも重宝しそうだ。

十文字の住宅街で愛され続ける吉兵衛。私が訪れたのは午後2時過ぎと遅い時間だったが、その老舗食堂ではかつ丼やラーメンに舌鼓を打つ他のお客さんたちの姿も見られた。近くにあったら通いたい。お店の方の雰囲気も温かい吉兵衛は、そんな食堂の代表選手だ。

「秋田三大かつ丼」の称号に、偽りはなしだな。カツ丼とラーメンのダブル食いを完遂した私は出っ張ったお腹をちょっぴり気にしながら、こっそりとそう思った。

【店舗情報】
味処 吉兵衛
住所:秋田県横手市十文字町植田字羽場98-5
営業時間:11時~20時
電話番号:0182-44-3410
定休日:月曜日、火曜日

WEBライター/地域クリエイター(大仙市・横手市)

大仙市在住のWEBライター。趣味は酒場巡り。現在はYahoo!で地域情報を発信しているほか、秋田市のフリーペーパー「あおぽ」でグルメ記事の執筆や「大仙経済新聞」の運営にも携わっています。

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