創業から約半世紀！国道46号線沿いにある老舗ドライブインへGO！

国道沿いに残る、古き良き昭和の面影。

角館と大仙市協和の境目に、一軒の老舗ドライブインがある。創業から約半世紀を数える『いっぷくや』だ。急勾配な山道が続き、他に休憩スポットが見当たらないこのエリア。ひと息つきたいドライバーにとっては、まさに救世主的な食堂だ。

国道沿いにそびえる『御食事処 いっぷくや』の赤と青の文字。そのド派手な看板に導かれて扉を開けると、親切なご夫婦が迎えてくれた。昭和レトロな香りが広がる店内は、テーブル席に加えて小上りも完備。至ろところに年季を感じるが、掃除が行き届いており清潔感がある。じっくりと食事をするには良い環境だ。

入口付近には古き良き食堂には欠かせない漫画棚。……ってよく見るとそれを支えているのは昭和レトロなテーブルゲーム機だ。そんなノスタルジックな空間には、年配のお父さんに加えて、小さいお子さんを連れたママの姿も。昭和世代も、令和生まれのちびっ子も、みんなで仲良くいっぷくや。ちなみに店名とは裏腹に、店内は禁煙だ。

品書き

焼肉定食：980円、しょうが焼定食：980円、豚汁定食：720円、カレーライス：500円、ラーメン：500円、親子丼：680円など。

店内の雰囲気もさることながら、『いっぷくや』はその価格も昭和仕込み。ラーメンやカレーライスは令和の時代には珍しいワンコインだ。

そんな中、今回私が注目したのがウマいと評判の豚汁定食。牛丼チェーン店やトンカツ屋でよく見かける豚汁だが、メインディッシュに昇格しているケースは稀だ。果たして豚汁は主役になれるのか。今日はその答えを探そうじゃないか。

心も体も温まる冬の至福メシ！『いっぷくや』の豚汁定食とは？

噂の豚汁定食が登場。……って、豚汁がデカい。さすがこの定食の座長といったところ。そんな主役をサポートするのは、具沢山のきんぴらや鮮やかな卵焼き。彼らも良い仕事をしそうだが、まずはメインの豚汁からレッツイートだ。

おお、こいつは沁みるぜ。しっかり出汁の味を感じる豚汁の中には、超モリモリの具材がスタンバイ。豚肉は惜しみなく入ってるし、たくさんの野菜で栄養を摂れるのも嬉しい。こういうウマい豚汁を食べられる店って、案外少ないんだよな。そんなことを思いながら、生卵を白飯にドゴン。今日は久しぶりに卵かけご飯だ。

温かい豚汁を啜りつつ、新鮮な卵をまとった白飯をかき込む。そして見逃せないのが、脇役の小鉢だ。派手さはないけど、ひと手間かけているのがわかる。長年愛され続ける秘訣って、こういうことなんだろうな。なんて思いながら、漬物をポリポリ頬張り、最後に豚汁を飲み干して今日もごちそうさま。

「ごっつぉさん」「せば、まだ来るがら」

国道46号線沿いの老舗ドライブインには、お洒落なBGMもなければ、テレビもない。その代わりに聞こえてくるのは、お客さんのそんな声だ。

腹が減ったら、いっぷくや。昭和の時代から変わらぬ、温かくて美味しいご飯がそこにある。