JR東郷駅日の里口を出て右手に目を向けると、平屋でガラス張りのシンプルな建物が細長く続きます。
ここは誰でも自由に利用できるコミュニティスペース「CoCokara（ここから）ひのさと」で、2016年にオープンして以来、今や地域住民にとってなくてはならない場所です。
とはいえ、これまで日の里を訪れることはあっても、立ち寄ることはなかったのでその実態を知りません。
今回、どのような活動をしている場なのか知りたくて、取材させていただきました。

◇「CoCokaraひのさと」の外観

平屋造りの建物はガラス張りになっており、よく人の動きがみえて、活動的な場所といった印象があります。

JR東郷駅日の里口にでて、右手に見える建物です。

横長に伸びる建物は「チャイルドハウス」「在宅介護センターミモザ」の表示があるので、複合的に施設が共存していることがわかります。

目のまえはバスローターリーでバス停もあり、まさに “ここから日の里” が始まる場所のようです。

◇「CoCokaraひのさと」の館内拝見

中にはいってみると、明るく開放的な広い空間を、目的ごとにわけて使用されているように見えました。

正面にある事務所では、スタッフが対応してくれます。
「CoCokaraひのさと」を運営しているのは特定非営利活動法人まちづくり宗像で、ここを拠点に市民主体のまちづくりのための活動をしているとのこと。
活動に関する相談や情報の提供、人と人との交流を促進するなどを目的に、まちづくり活動に尽力しているそうです。
今回は、館長の宮崎さんに色々教えていただきました。

「CoCokaraひのさと」はJR東郷駅出てすぐという立地の良さから、人が交流するのに最適な場所なので、さまざまな教室や講座、展示会やミニコンサートそして交流会なども行われています。

特に予定がなく時間や場所が空いていれば、中高生・大学生の自習室として開放されています。

駅に近いことから、学校帰りの児童と仕事帰りの保護者が、ここで時間を待ち合わせて帰宅するのにも便利です。
小さい子どもたちのためのスペースもあり、絵本などの貸し出しもしてくれるとのこと。
大きい子も小さい子も、自分の居場所があるというのは、大きな安心感につながりますね。

この奥は「チャイルドハウス」という独立した託児所になっています。

◇パンや手作り品などの販売も

館内では、焼き立てパンや野菜・果物・その他食品や飲料も販売されていて、仕事帰りや子供と立ち寄った時など購入できて便利です。

館内での飲食は自由なので、知り合いがあつまって茶話会や、自習する学生が食事をするのも可能です。

この日売り切れていたのは「ひのさとまんじゅう」です。
日の里みやげを作りたいと、地元中学生の発案によりうまれたお菓子で、鎮国饅頭で知られる宗像の和菓子店「鼓家」の協力で製造し販売しています。
毎週火曜日に納品されるそうなので、売り切れる前に今度は購入して、食べてみたいものです。

その他にも手作り品の販売コーナーが設けられ、世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の観光資料・記念グッズなども販売されています。

◇そのほかの取り組みも

館内に設置されていたジオラマのようなものに気づき、興味をもちました。
これは日の里一丁目の2棟の団地解体にともない、将来こんな日の里にしたいという思いから日の里学園8年生がつくった「日の里大通りの将来像」の模型だそうです。

入り口から近い場所に試乗もできる「電動車椅子セニアカー」が展示されています。
高齢化の進む現代、こういった配慮のある取り組みは、地域で歓迎されると感じました。

ここには電車やバスの待ち時間に、少しの間おとずれる人も多くいるそうです。

この日もバスを待つ間、温かいコーヒーをもとめて来館者がありました。
カプセル式コーヒーメーカーで入れたコーヒー（税込み100円）をのみながら、この場所があってとても助かっているとベンチにすわって利用者は話します。

「CoCokaraひのさと」の名称はオープン時公募して、駅から地域へとここから広がっていくといったイメージからつけたという小学生の案が採用されたそうです。
・日の里団地再生の拠点
・若い世代を呼び込む場
・駅前の賑わいを生む場
・多様な個人や団体が協力する場
・情報共有と発信の場
以上5つの役割を担いながら活動の拠点となる「CoCokaraひのさと」は、子どもからシニアまで一丸となって、やりたいことを“カタチ”にしてここから広がっていくところだといいます。
こんな素敵なスペースをもっと活用して、宗像市を盛り上げてゆければと心から思いました。