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【宗像市】三郎丸地区で日本ミツバチを飼育♬養蜂で学んだことや感じたことを熱く語っていただきました!

kekko地域情報発信ライター(宗像市・福津市)

JR赤間駅北側に位置する三郎丸地区で、日本ミツバチを飼育する人がいると知り、ぜひ話をききたくて取材させていただきました。
宗像市三郎丸にお住いの山本卓史さんは、セミリタイヤして養蜂を初めてから5年になるとのこと。
日本ミツバチとのかかわりの中で、多くを学び感じることもたくさんあったといいます。
今回、赤間西地区コミュニティ・センターでインタビューさせていただき、飼育場へも案内していただきました。

◇日本ミツバチを飼育するきっかけ

山本さん提供画像
山本さん提供画像

物理学者のアルベルト・アインシュタインが言ったとされる「地球上からミツバチが消えたら人類は4年で滅亡するだろう」という言葉に、環境問題と食糧危機に対する深刻な警告とうけとめ、養蜂の大切さに気付いたという山本さん。
むかしお父様も退職後、養蜂を始められて頼まれて資料をさがした記憶があり、そのこともミツバチの飼育を始めた要因の一つになっているといいます。
きっかけの一つには蜂蜜を採取したいというのもあったが、いざ始めてみると奥が深く、気づかされることが多い世界におどろきの連続だそうです。

◇ミツバチへの愛情

山本さん提供画像
山本さん提供画像

今まで動物を飼った経験はないが、ミツバチを見ているとたまらなくいとおしくなるといいます。
幼虫にエサを与えるため、からだに花粉をたくさんつけて巣箱に運ぶ姿はとてもかわいいそう。
ハチの生態や習性を見るようになり、この年になってはじめて動物のかわいさを知ったと目を細めます。


蜂に刺されることはないのですか?という単純な質問にも答えてくれました。
油断していると刺されることはあっても、ハチの習性・生態を理解して付き合えば怖くはないそうです。
こちらが攻撃しないとわかれば、襲ってくることはないとのこと。

日本ミツバチは一度刺すと死んでしまうそうなので、刺されないようにしてあげないといけないですね。

◇養蜂の難しさ

西洋ミツバチは人によって品種改良された家畜種で、病気に強く飼育しやすいのにくらべて、日本ミツバチは人の手が加えられていない野生種です。
野生動物である日本ミツバチは、飼育するにも人のコントールは難しく、増やすのは困難です。
そんな日本ミツバチを山本さんは、愛情をもって根気よく飼育しています。
一つひとつ巣箱を手作りし、設置場所を工夫して何か所にも置いてていねいに準備を重ねても、巣箱にはいってくれるのはわずかだといいます。

寒さの中でも活動するミツバチ
寒さの中でも活動するミツバチ

飼育に成功しても課題は山積みです。
・夏は暑さで巣が柔らかくなり、巣落ちすることがある。
・近年増えた外来種のダニによる被害がある。
・繊細な日本ミツバチは、巣箱が少し移動しても戻ってこなくなる。
・スズメバチなどに襲われる心配がある。
・うまく越冬させなければならない。
山本さんは、さまざまな困難を乗りこえながらも、日本ミツバチを育てることに意義を感じるそうです。

◇養蜂とSDGs

山本さん提供画像
山本さん提供画像

ミツバチを育てていると、当然「蜂蜜」という副産物をえる楽しみはあります。

山本さん提供画像
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しかしそれ以上に、ミツバチが食物連鎖の基本を担っていて人類に大きく貢献しているというところに、飼育しようと思った一番の動機があると教えてくれました。
農作物の不作は天候の影響や栄養不足を考えがちだが、ミツバチの減少による野菜や果樹の受粉への影響が大きくかかわっているといいます。
このことをもう一度人々に認識してもらい、過剰な農薬散布などは避けてほしいとも。
アインシュタインの言葉はこのことを意味しているのですね。

◇三郎丸地区での養蜂の歴史

背景に見える城山
背景に見える城山

養蜂を始めて最近知ったことがあるそうです。
資料によると、明治にはいってここ三郎丸地区の生産物に「蜂蜜」という項目があり、ハチを育てて価値の高い蜂蜜の生産をしていたことがわかりました。

山本さん提供画像
山本さん提供画像

明治8年に蜂蜜5貫目(約19キログラム)という記録が見つかったことから、多分城山付近の自然豊かな環境を利用して、江戸時代から養蜂が行われていたのではと推察したそうです。
この地域だけに限らず日本各地で、蜂を飼育するという文化が根付いていたのだろうと、悠久の時の流れを感じておられるようでした。

◇これからの養蜂への思い

「父親が始めたころに比べ、ネット環境のととのった現代は情報も知識も得られやすくなったものの、奥の深い養蜂の世界は日々学習です」と楽しそうに話す山本さん。
地域の農家の方から、ミツバチのお陰で作物の育ちがよくなったと感謝の言葉をもらうこともあり、そんな時は何よりうれしいと笑顔を見せていました。

ミツバチ=蜂蜜といったイメージでしかとらえていなかったので、今回お話を聞かせていただいて、あらためてSDGsへの関連性にも気づかされました。
これからは、道ばたで出会うミツバチにも、より深い愛をもって接することができそうです。

◆養蜂に関連する情報について
養蜂に関連する情報については、赤間西地区コミュニティ・センターを窓口として、山本さんに連絡できますのでお問い合わせください。
宗像市赤間西地区コミュニティ・センター
所在地/〒811-4143 宗像市三郎丸5丁目2-24
電 話/0940-38-9506
休館日/毎週月曜日
利用時間/9:00~21:00












地域情報発信ライター(宗像市・福津市)

宗像市、福津市のあらゆる情報や魅力を余すところなく紹介、発信するライターとして活動して参ります。

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