磯の珍味カメノテは今が旬 味はエビとカニの美味しさを併せ持つ 取り方と食べ方を紹介
カメノテとは
カメノテは甲殻類ミョウガガイ科に分類される磯の潮間帯に生息する生き物です。
形状が亀の手に似ている事からカメノテの名が付きました。
潮が引いて海中から出た状態のカメノテは動かないので植物のようにも見えますが立派な動物です。
潮が満ちて海中に入ると爪のように見える部分が開いて中から紫色の羽のような蔓脚(まんきゃく)と呼ばれる器官を海中に展開してプランクトンなどを捕食しています。
動物ですがフジツボなどと同じように一度岩などに付着すると一生その場所から動く事は出来ません。
ほとんど流通する事はありませんがカメノテを食べる食文化は日本各地にあるようです。
食べ方は今回この記事で紹介しているような茹でて食べる他に、汁物の出汁取りに使う等が多いようです。
味は「エビとカニを足して2で割った」などとも言われており思った以上に美味しいものです。
カメノテに限らずですが、地域により自然保護や漁業権の関係で磯で採取して良いもの採取出来ないものがそれぞれ決められています。
カメノテも地域によって採取が許可されている場合とそうでない場合があります。
詳しくはその地域の役所や漁業協同組合などで確認が取れるはずです。
カメノテを取る時のコツ
カメノテの食の旬は晩春から初秋で、特に産卵が始まる直前の6〜7月は食味が一段と良くなると言われています。
天気が良く、風や波が弱い日の日中で、引き潮の時間帯が採取に適した時です。
採取に際して注意することは、磯の潮間帯はいろいろ危険な状況も多いので安全には万全を期す事です。
磯ブーツ等のスパイクの付いた履物、海に転落した時の安全策としてフローティングジャケットを着用します。
磯の岩には貝殻など手を傷つける物がたくさんあります。
手袋は必ず装着します。
採取にはヘラ状の金具を使います。
下の写真のような100均商品の分解できる調理ハサミなどがあるとカメノテ採取には便利に使えます。
食べる目的で採取しますので出来るだけ大きなカメノテを見つけて取るのが良いでしょう。
但し、取りやすい場所に居るとは限りませんので、無理をせず安全な場所に居るなるべく大きいカメノテを探して採取します。
大きなものなら5個も取れば一人分の酒の肴には充分な量になります。
カメノテを調理する
カメノテを調理すると言ってもただ茹でるだけです。
持ち帰ったカメノテは周りに付いた汚れなどを水で軽く洗ってから鍋に入れます。
鍋にカメノテが浸かる程度の水を入れます。
小さじ1杯の塩を加えます。
火に掛けて沸騰したらそのまま5分間茹でます。
茹で上がったらザルに移します。
この時に茹で汁は捨てずに別の鍋などで受けるようにします。
茹で汁には良い出汁が出ているので、適当に薄めて汁物などに使えます。
ザルに上げた茹でたカメノテは、粗熱が取れたら出来上がりです
皮を剥いて食べる事ができます。
カメノテの皮の剥き方
茹で上がったカメノテの皮を剥く時のコツは、下の写真のように持って矢印の方向に力を掛けます。
するとカメノテの爪の部分が開きます。
開いた爪の部分から爪と共に皮を剥がす。
このようにすると簡単綺麗に中身を取り出すことが出来る。
取り出した中身は全て食べる事が出来ます。
皮と爪の部分は食べることは出来ませんので廃棄します。
爪の部分に入っていた黒紫色の部分が海中でプランクトンなどを捕食するために展開する蔓脚(まんきゃく)と言う部位です。
この蔓脚の部分は食感的にはややボソ付いていますが、それもカメノテの持ち味として美味しく頂けます。
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