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身近な草地などにも生える美味しいきのこ ナラタケモドの特徴と調理例を豊富な写真で詳しく紹介

健啖隊ブラックバスを釣って食う の草分け系YouTuber

ナラタケモドキはキシメジ科のキノコです。

森や林の朽木や古い切り株などに生えますが、身近な草地などでも埋もれた朽木などに生えることも多い比較的良く見かけるキノコです。

ナラタケモドキは身近な草津などでも良く見かける
ナラタケモドキは身近な草津などでも良く見かける

同じキシメジ科のナラタケに似ていますがナラタケモドキは柄にツバが無い事で識別できます。

尚、名前のモドキとは漢字では擬と書き「似ているけれど違う物」と言う意味です。

ナラタケモドキの特徴

ナラタケモドキは下の写真のように多数のキノコが集まって株状になって生える事が多いです。

株になって生える
株になって生える

傘の色は明るい茶色、傘の表面中央付近には少鱗片が密集しています。

傘の表面にヌメリはありません。

傘の表面にヌメリは無い
傘の表面にヌメリは無い

胞子の色は白に近い明るい灰色をしています。

この胞子の色は採取後にキノコの傘をヒダを下向きにして黒い紙の上に1日ほど置いていくと確認できますが、採取時でも傘がやや成長した状態なら、株の下になっているキノコの傘の上に胞子が溢れていますので、その色で概ねの胞子の色は確認できます。

胞子の色は白
胞子の色は白

柄にツバは無く、傘の裏にあるヒダの間隔はやや粗く、ヒダが柄に接する部分は柄に直接付くような状態になっています(ヒダのこの状態を直生と言います)

柄にツバはなく、ヒダはやや粗で柄に直生する
柄にツバはなく、ヒダはやや粗で柄に直生する

ナラタケモドキは古い切り株や倒木、立木、地中に埋まった木などに株状になって生えます。

草地などで地面から直接生えているように見えても、生え際を掘ってみると、必ず地中には埋もれた枯れ木が有り、そこから生えているのが確認できます。

ナラタケモドキは枯れ木に生える
ナラタケモドキは枯れ木に生える

ナラタケモドキに限らずですが、キノコを採る時は地上部だけを切り取るのではなく、キノコの特徴を失わないように生え際の部分まで全てを採取するようにします。

これは採取後に種類を見極める為にはとても大切な事です。

種類を見極める為にもキノコの特徴を失わないよう根本の部分まで全て採取する事が大切
種類を見極める為にもキノコの特徴を失わないよう根本の部分まで全て採取する事が大切

尚、キノコの本体は地上部に出たいわゆる我々が言う所のキノコ(これを子実体と言います)では無く、地中や枯れ木の中に広く巡らせた菌糸なのです。

よって、地上部のキノコを全て取り去ってしまっても、菌糸が残っていればキノコは絶える事なくまた生えてきます。

ナラタケモドキの調理例

持ち帰ったら株になったキノコをバラバラにします。

ナラタケモドキはやや脆いので丁寧にバラします。

株をバラバラにする
株をバラバラにする

1本づつになったら、ここで各部の状態をもう一度良く観察しておきます。

調理の前にもう一度良く観察しておくとキノコに対する知識が深まる
調理の前にもう一度良く観察しておくとキノコに対する知識が深まる

こうすることでキノコの特徴がより詳しく分かり、以後のきのこ狩りの時に活かせます。

柄の根元は切り落とす
柄の根元は切り落とす

柄の根元の部分は汚れが有る事が多いので切り落とします。

適当な容器に水を入れてキノコ全体を暫く浸しておきます。

適当な容器に水を入れて浸す
適当な容器に水を入れて浸す

こうする事でキノコの中に虫が入っている場合でも、中に居る虫を追い出すことが出来ます。

15分くらい浸しておく
15分くらい浸しておく

野生のキノコには少なからずや虫が入っている事が多いです。

キノコの中に居る虫の多くはキノコバエの幼虫である事が多いですが、このキノコバエの幼虫など、キノコに入っている虫自体に毒はありません。

水に浸け終えたらキノコをザルにとって水気を切ります。

水に浸し終えたら水気を切れば下処理が完了
水に浸し終えたら水気を切れば下処理が完了

天ぷらや味噌汁の具などにするのが一般的ですが、ナラタケモドキは比較的収穫量が多くなるキノコです。

たくさん取れた時は簡単に作れて日持ちする佃煮風の煮物にするのがお勧めです。

醤油、酒、味醂で佃煮風に煮る
醤油、酒、味醂で佃煮風に煮る

弱火で焦がさないように汁気が煮詰まるまで煮れば出来上がりです。

弱火で煮詰めれば出来上がり
弱火で煮詰めれば出来上がり

ご飯のおかずにも酒の肴にもイケるナラタケモドキの煮物。

ナラタケモドキの煮物
ナラタケモドキの煮物

キノコ狩りに役立つ知識 (キノコの部位や状態の名称)

  • 柄(え):地表から伸びるいわゆる棒状の部分。この最上部に傘が付く種が多いが、柄自体が判然としない種もある。
  • 鍔(つば):柄の中間に付く刀の鍔のような形のもの。種によって形状や付き方が異なる。鍔が無い種も多い。
  • 襞(ひだ):傘の裏側に付くヒダ状の部分。ここで胞子が生産される。柄との境界の形状は種類を判定する決め手のひとつになる。ヒダではなく管状になっている種もある。
  • 直生(ちょくせい):ヒダと柄の境界の形状のひとつ。ヒダが柄にどのように付いているかを示すもの。キノコの種類によっては他に、隔生、離生、上生、湾生、垂生などの状態がある。
  • 傘(かさ):柄の最上部に付く雨傘状の部分。円形の種が大半だが、ヘラ状、サンゴ状など傘とは言えないような変化に富む種も多い。
  • 鱗片(りんぺん):傘や柄の表面がささくれだったような状態。キノコの種類により鱗片状になる部位が異なる。
  • 単生(たんせい):キノコの生え方のひとつ。単独で1本だけで生える状態。
  • 束生(そくせい):キノコの生え方のひとつ。数本が集まって株になって生える状態。
  • 輪生(りんせい):キノコの生え方のひとつ。数本が列になって輪を描くように生える状態。

これらの特徴、その有無などはキノコの種の同定に役立ちます。

最後に、ナラタケモドキと似た毒キノコはたくさんあります。

野生のキノコを食べる時は十分な知識と確実な同定そして自己責任で!!

最後までご覧頂きありがとうございます。

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ブラックバスを釣って食う の草分け系YouTuber

「身近な場所でアウトドア・レジャーを満喫」が健啖隊のメインテーマ。ここでは様々なアウトドアシーンで知っていると役に立つ知識や情報を紹介します。特に魚釣りと釣った魚の調理・山野草・キノコは得意分野です。健啖隊の動画チャンネルでは釣ったブラックバスを料理して食べる動画はギネス級にたくさん公開しています。紹介した料理の数も一般的なソテーやフライから刺身やクサヤ干物まで汎ゆる料理を網羅しています。一度、健啖隊の動画チャンネルをご覧になれば必ずやビックリすると思います。尚、ブラックバスをどう捌けば美味しく食べられるかの要点は健啖隊が実践して見出した方法がウィキペディアでも掲載される程に認知されています。

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