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魚釣りのベテランが伝授する岸から手竿でワカサギを釣る方法【初心者でも簡単に出来る冬の釣り】

健啖隊ブラックバスを釣って食う の草分け系YouTuber
ボートに乗らず岸から手竿でワカサギを釣る方法

ワカサギ釣りと言うとボートや氷に穴を開けての釣りを思い浮かべますよね。

でも岸から釣竿を使って釣る事も出来ます。

岸からワカサギを釣る方法は使う釣り竿別に2つのやり方があります。ひとつはリール竿を使って、仕掛けを沖合に投げて少し遠くに居るワカサギを釣る方法。これは過去の健啖隊の記事で紹介しましたので、気になる方は健啖隊の過去の記事からご覧になって下さい。

今回はリール竿ではない、いわゆるリールを使わない(浦島太郎や恵比寿様が担いでいるような)昔からある普通の釣竿(これを手竿と言います)を使っての釣りを紹介します。使う道具や仕掛けと仕掛けの準備方法、使う餌と餌の付け方、実際に釣り時のコツなどを、魚釣りが初めてと言う方にも分かりやすいようにかなり噛み砕いて順を追って説明していきます。初心者の方が聞き慣れない釣り用語などは出来るだけ出てきたその場で解説説明するようにしています。

● 釣り竿を選ぶ時のポイント

手竿(てざお)での釣りはリール竿のように仕掛けを遠くまで投げて釣ることが出来ません。少しでも広い範囲を釣ることが出来るように全長の長い竿を用意しましょう。とは言うものの、長い釣り竿は重量がそれなりにあり、長さゆえに風を受けるとかなりの抵抗になります。ワカサギ釣りには重さ、使いやすさのバランスを考慮して長さ5m前後の釣り竿を選ぶのが良いでしょう。

5m前後の長目の釣り竿がお勧め
5m前後の長目の釣り竿がお勧め

● 仕掛けを選ぶ時のポイント

使う仕掛けは釣具店で売っている一般的なワカサギ釣り専用の仕掛けならどれでも大丈夫ですが、特に釣りの経験が少ない方は、なるべく針の数が少なく全長の短い仕掛けを選んだ方が、釣りの最中に仕掛けが絡むトラブルを回避できます。

針の数が少ない物の方が使いやすい
針の数が少ない物の方が使いやすい

5〜7本針で仕掛けの全長が1m以内の物を選ぶと宜しいでしょう。仕掛けの針数や長さは写真に示したように仕掛けの台紙に表示されていますので、購入時に確認しましょう。

全長が短い物の方が使いやすい
全長が短い物の方が使いやすい

● 道糸を選ぶ時のポイントと道糸の長さ

釣り竿と仕掛けをつなぐ釣り糸の事を道糸(みちいと)と言います。あまりにも細すぎると絡んだり切れやすくなる関係で扱いが難しくなります、逆に太すぎると特に冬は寒さで柔軟性が失われる関係で釣りをする時の操作性が悪くなります。手竿でのワカサギ釣りならナイロンの1.5号くらいを選ぶとのが良いです。

道糸はナイロンの1.5号
道糸はナイロンの1.5号

道糸は糸巻き状のスプールに巻かれて50mとか100mとかの長さで販売されています。まずは道糸を釣り竿の先に繋いだらスプールに巻かれた道糸を必要な長さだけ引き出して切って使います。

まずは道糸を釣り竿の先端につないで必要な長さに切って使う
まずは道糸を釣り竿の先端につないで必要な長さに切って使う

この道糸を切る時の長さはとても大切で、必ず使う釣り竿の長さよりも出来上がった仕掛け全体の長さが少しだけ短くなるように切ります。ワカサギ釣りなら仕掛けを含んだ全長が釣り竿より30cmほど短くなるように切ります。(下の式を参照)

釣り竿の長さ ー(仕掛けの長さ+30cm)= 道糸の長さ

5mの釣り竿に62cmの長さの仕掛けを使うなら

500cm ー(62cm+30cm)= 408cm → 約4mです。

センチ単位まで厳密である必要はありませんが大体上記の式を参考にすれば間違いないです。

● 道糸に仕掛けをつなぐ時に大切なこと

切った道糸の末端に輪の形の結び(チチワ結び)を作ります。このチチワ結びに仕掛けのスナップ付きスイベル(スイベルは撚り戻しの事)を繋ぎます。ワカサギ用の仕掛けには両端にスナップ付きスイベルが取り付けられていますが、道糸側とオモリ側と必ず指定があります。道糸をつなぐ側は取り出し口とかここから取り出すとか書かれてる事が多いです。このつなぐ側は大切で、これを間違えると針が付いている枝スという極細で短いハリスが下向きに垂れ下がった状態になってしまい、餌が水中で自然な動きをしてくれません。こうなると釣果が極端に悪くなってしまいます。

道糸の末端のチチワ結びに仕掛けの取り出し口側のスナップ付きスイベルをつなぐ
道糸の末端のチチワ結びに仕掛けの取り出し口側のスナップ付きスイベルをつなぐ

● オモリの重さはとても大切

仕掛けのもう片方にはオモリを取り付けます。

仕掛けのもう片方のスナップにはオモリをつなぐ
仕掛けのもう片方のスナップにはオモリをつなぐ

このオモリはナス型1号を中心に重さ別に数種類用意するのが良いです。風が強い日や流れがある釣り場では重めのオモリを使うと仕掛けの操作がやりやすくなります。但し、オモリは重くなるほど仕掛けや餌の動きが不自然になり魚から警戒されやすくなります。魚が釣れない時にオモリを軽くするだけで釣れるようになる事もあります。オモリはその日の釣り場の状況に合わせて使いやすい一番軽いオモリを選ぶことが大切なポイントです。

魚釣り用のオモリの重さは号数で表示される(1号は約4g)
魚釣り用のオモリの重さは号数で表示される(1号は約4g)

オモリを繋ぐまでが終わったら仕掛けの準備は完了です。繋いだ仕掛けの末端にはオモリがあり、その位置は下の写真のように釣り竿より少し短めに仕上がっている筈です。

仕掛けは釣り竿より短めにセットする
仕掛けは釣り竿より短めにセットする

● ウキは使わず道糸に目印を付ける

ワカサギ釣りではウキは使いません。その代わりに道糸の途中に小さな可動性の目印を付けます。下の写真のような専用品もありますが普通の毛糸で代用もできます。毛糸で代用する時はなるべく目立つ色が良いです。道糸の途中に結んで使います。この目印は結んだ後に必要に応じて動かして位置を調整しますので強く結ぶ必要はありません。

目立つ色の毛糸などの目印を道糸に結ぶ
目立つ色の毛糸などの目印を道糸に結ぶ

● 目印の位置を調整する方法

ワカサギは水底近くを群れで泳いでいます。この群れが居る水深に常に仕掛けがあるようにする事はとても大切で、仕掛けが目的の水深にあるか否かは道糸に付けた目印の位置で把握します。そのような事から釣り場の水深に合わせて目印の位置を事前に調整しておきます。調整の手順は、まず釣りをする場所にゆっくりと仕掛けを投入してオモリを着底させます。このオモリが着底した状態で道糸をピンと張った時に目印が水面から少し出ているような状態になるように調整します。

目印の位置を調整する
目印の位置を調整する

目印は簡単に動かせますので、この調整を何回か行って釣り場のどの位置に仕掛けを入れても水面から目印が出ているようにします。釣り場を大きく移動した時には常にこの目印の位置調整を行います。

目印を動かして位置を調整する
目印を動かして位置を調整する

目印の位置が決まったら針に餌を付けて釣り開始です。

● 使う餌と餌の付け方

使う餌は釣果やコストや入手性の良さを考えれば釣具屋さんで普通に購入できるサシや赤虫などの活餌(虫エサ)がベストです。生きた虫などが苦手な方は、麺のような形状の人工的な餌や、餌を付けなくとも釣れる疑似餌針などもありますのでそれらを選択します。ここでは活き餌のサシを使う前提で説明します。ちなみにサシとは釣り餌用に衛生的な設備で人口培養されたハエの幼虫の事です。無着色の白いものや食紅で赤く着色した赤いものが白サシ、ベニサシの商品名でオガクズ入りの小袋で1袋200円前後で販売されています。1袋あれば一人1日分の釣り餌として間に合います。

オガクズと共に販売されているサシ
オガクズと共に販売されているサシ

針に付ける時は下の写真のように尻側をチョン掛けします。サシは良く見るとタケノコ型をしていて太い方が尻、細く尖った方が頭です。釣り餌用のサシは衛生的に培養されているので汚くはありませんし、噛み付いたりもしませんので人間には何の害もありません。

サシは尻をチョン掛けする
サシは尻をチョン掛けする

● 釣る時の竿の操作とコツ

全ての針に餌を付けたら、クレーンゲームの感覚で仕掛けをゆっくりと釣り場に投入してオモリを着底させて釣り開始です。

まずはオモリを着底させる
まずはオモリを着底させる

オモリが着底したら直ぐにほんの少しオモリが浮き上がるように竿先を上げます。水底からオモリが数センチ離れればそれでOKです。この時の離れ具合は道糸に付けた目印で確認します。

水底から数センチオモリが離れた状態を維持する
水底から数センチオモリが離れた状態を維持する

とにかくワカサギは水底近くに居ますのでオモリが水底から大きく離れてしまうと仕掛けも上に上がってしまいますので釣れません。常にワカサギが居るであろう水底近くに仕掛けを持っていく事が大切です。この仕掛けの水深を保つことをタナ取りと言います。タナ取り次第でワカサギが釣れるか否かが決まります。もう一つ大切なことはワカサギの習性に由来する事ですが、ワカサギは動く餌に反応してそれを食べようとします。餌を水中で上下に数センチ動かして、あたかも水中を泳ぐ微生物のような動きを与える事も大切です。このような理由からオモリを水底に着底させたままでは餌が水中で静止してしまいワカサギからは不自然な物として警戒されてしまいます。

竿先を数センチのスパンでゆっくりと揺するように動かす
竿先を数センチのスパンでゆっくりと揺するように動かす

竿先を小刻みに数センチ上下に動かすと仕掛けの針に付けたサシが水中で少し動きます。動かし続けるのではなく、数回動かしたら10秒ほど静止する、のような間欠的な動きの方が効果があります。この餌を動かす行為を誘いと言います。その日のベストな誘いのパターンを見つけることもワカサギ釣りで釣果を伸ばす大切なポイントです。

● ワカサギが針に掛かった後の操作のコツ

ワカサギが針に掛かると暴れます。小さいながらもその感触はかなり明瞭です。暴れる時のプルプルッと言う感じの振動が、仕掛け→道糸→釣り竿→竿を持つ手、へと伝わってきます。この時、道糸に付けた目印も上下に不規則に動いたり震えるような不自然な動きをするのが確認できる筈です。

ワカサギが掛かると目印の動きと手元に伝わる感触で確認できる
ワカサギが掛かると目印の動きと手元に伝わる感触で確認できる

ワカサギが掛かったら、魚釣りでよく耳にするアワセの動作は必要ありません。(アワセとは魚の口に釣り針を確実に刺すために魚が掛かった瞬間に竿先をほんの少し煽るように動かす動作の事です)。ワカサギが掛かってプルプルッと言う感触を感じたら、ただゆっくりと竿を立てて仕掛けを上げるだけでOKです。ワカサギは口の周辺が弱い魚ですので、アワセの動作をしたり、素早く竿を上げたりすると口切れと言って針から外れて逃げられてしまいます。とにかくゆっくりと竿を立てて仕掛けを手元に持ってきます。

ワカサギが針に掛かったら釣り竿をゆっくりと立てて仕掛けを上げる
ワカサギが針に掛かったら釣り竿をゆっくりと立てて仕掛けを上げる

仕掛けが水面上に上がったら直ぐに釣れた魚を掴もうとすると、ワカサギ仕掛けは針数が多く針も小さく鋭いだけに魚が付いていない針が手や衣類に刺さる危険も多いです。魚が付いた仕掛けのままぶら下げて岸の安全な場所まで移動してから魚を外します。

釣れた後は仕掛けの針を手に刺さないように注意する
釣れた後は仕掛けの針を手に刺さないように注意する

ワカサギ釣りは水域に若干の濁りが入っている時、曇っている日、早朝と夕方が狙い目です。群れで行動するワカサギは釣れ始めると初心者でも短時間でまとまった数が釣れる事もあり楽しい釣りです。

冬には岸からでも10cm前後の良型のワカサギが釣れる
冬には岸からでも10cm前後の良型のワカサギが釣れる

ワカサギは春に生まれて翌春に産卵して死ぬ1年魚です。ワカサギ釣りに適した時期は春に孵化した稚魚が5cm前後に成長する6月頃から産卵が始まる翌年の2月頃までの約9ヶ月程の期間です。特に12月〜翌年2月位は10cm前後にまで成長した良型のワカサギが釣れる季節です。この時期のワカサギは大きいので数はそれほど釣れなくても天ぷらのほかフライや塩焼きでとても美味しく食べる事が出来ます。

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ブラックバスを釣って食う の草分け系YouTuber

「身近な場所でアウトドア・レジャーを満喫」が健啖隊のメインテーマ。ここでは様々なアウトドアシーンで知っていると役に立つ知識や情報を紹介します。特に魚釣りと釣った魚の調理・山野草・キノコは得意分野です。健啖隊の動画チャンネルでは釣ったブラックバスを料理して食べる動画はギネス級にたくさん公開しています。紹介した料理の数も一般的なソテーやフライから刺身やクサヤ干物まで汎ゆる料理を網羅しています。一度、健啖隊の動画チャンネルをご覧になれば必ずやビックリすると思います。尚、ブラックバスをどう捌けば美味しく食べられるかの要点は健啖隊が実践して見出した方法がウィキペディアでも掲載される程に認知されています。

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