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100均グッズで丸々1匹の魚を三枚おろしにする方法【覚えておくと重宝する初心者でも出来る魚の捌き方】

健啖隊ブラックバスを釣って食う の草分け系YouTuber
閲覧に関するご注意:この記事には魚の解体シーンの写真が掲載されています

比較的大きな魚が丸々1匹手に入ったので自分で調理したい。

魚釣りをする人や、身近に釣人の知り合いが居る人などは時にはこんな事も有るのではないでしょうか? 今回は丸々1匹の比較的大きな魚を、お刺し身、焼き魚、煮魚などの食材として使える状態にまで捌く方法を、初心者にも理解しやすいように写真を多用して詳しく解説していきます。使う道具もプロの調理人が使うような特殊で高価な道具は避けて、入手が容易で安価な100均の調理器具を使って、難しい技も必要ない誰でも出来る簡単で安全な方法で捌いてみます。

●使う道具はまな板以外は100均グッズ

  • まな板(これだけは100均の薄く軽い物だと使いづらいので厚手の物を)
  • ウロコ落とし
  • 文化包丁
  • 刺身包丁
  • 調理ハサミ

●捌く手順や方法は初心者向きの安全で簡単な方法

  • ウロコを落とす
  • 頭を落とす
  • 三枚おろし(背骨を取り去る)
  • 柵取り(小骨や皮を取り除く)

今回、この記事の写真の魚は磯釣りなどで釣れる事が多い「メジナ」を例にしていますが、真鯛とかスズキ(シーバス)などでもやり方は基本的に同じです。

●手順:その1【ウロコを落とす】

それでは1匹丸のままの魚を捌いていきましょう。まず初めにウロコを取り去ります。使う道具は100均のウロコ落としです。例え調理の行程の途中で皮を取り去るのであってもウロコは事前に取り去っておいた方がその後の調理が格段にやりやすくなります。ウロコを取り去る時は尻尾の方から頭の方に向けてウロコ落としで擦ってウロコを取り去るのですが、ウロコ落としを動かす方向は下の写真の矢印の方向です。

小刻みに矢印方向にウロコ落としを動かしながら尻尾から頭の方へとウロコ落としをゆっくりと進めていきます。ウロコ落としを小さな幅で小刻みに動かすのがコツです。大きなスパンで動かすと取れたウロコが周囲に飛び散ってしまいます。

●手順:その2【頭を落とす】

ウロコが取れたら頭を切り取ります。使う道具は100均の文化包丁と調理ハサミです。頭の後ろにある胸ビレの直ぐ後ろ側(下の写真の黄色線の部分)を文化包丁で切っていきます。

この部分には硬く太い背骨が通っていますので素人には1回で頭を切り落とすのは無理ですし危険を伴います。安全第一で数回に分けて作業していきます。

まずは胸ビレの後ろ側の上半分の身(背側の身)を切ります。切っていくと硬い背骨に当たりますので切るのはここまででOKです。

背側の身が背骨まで切れたら、そのまま包丁を上の写真の矢印の方向に切り進めて腹側の身を切っていきます。腹側の身には肋骨がありますが上の写真のような角度で切っていくと肋骨の間を切る事ができます。但し、腹側の身は内臓までは切らないようにします。これは、この次の工程で頭と一緒に内臓を取り除く為です。

上の写真のように腹側は身だけ切って内臓までは切れていません。ここまで出来たら魚を裏返して反対側も同じように行います。

両側が同じように背から腹にかけて切れたら背骨を調理ハサミを使って切り離します。下の写真のように頭の上側の切れ込みから調理ハサミの刃が背骨を破断出来るところまで差し込みます。

背骨の破断にはかなりの力が必要ですので、下の写真のように必ず調理ハサミを両手で持った状態で背骨を破断します。片手を魚に掛けて作業すると調理ハサミの刃が滑った時に思わぬ怪我をする事があり危険です。

背骨が破断できたら、次は肛門から調理ハサミを入れて腹の下側を切り開きます。この時に調理ハサミで切るのは肛門の穴から下の写真の黄色矢印の部分までです。ここまで切れば、頭の切れ込みと腹の下の切れ込みが繋がり、頭と胴体は内臓のみで繋がった状態になるはずです。

胴体と頭をそれぞれの手で持って、胴体を押さえた状態で頭を持つ手を下の写真の水色矢印のように動かして頭をもぎ取ります。すると内臓は頭に付いた状態で頭と共に胴体から離れます。

これで頭と内臓が取り去れて下の写真のような状態になりました。骨や皮が付いていても問題ない料理、例えば焼き魚や煮魚などならこの状態で利用できます。

ここまでの行程は動画でもご視聴頂けます。約3分程の短い動画です↓

●手順:その3【三枚おろし】

お刺し身やフライなど骨が完全にない状態の方が良い料理にするなら頭と内臓を取り去った物を更に三枚おろしにします。使う道具は100均の文化包丁と調理ハサミです。下の写真のように頭と内臓を取り去った身の背の部分から背ビレに沿って包丁を入れて包丁の刃が背骨に当たるまで切っていきます。

魚の背骨の断面はひし形をしています。包丁の刃が背骨に当たるとそれ以上は切れませんので分かります。下の写真のように切れ込みを広げてみて、包丁の刃を切れ込みの奥に当てて滑らせてみれば背骨の手前まできれいに切れているか確認できます。

背側が切れたら魚を180度回転させて、腹側から腹ビレに沿って包丁を入れ、背骨の手前まで切れ込みを入れます。

腹側も背側と同じように切れ込みを広げてみて、包丁の刃を切れ込みの奥に当てて滑らせてみれば背骨の手前まできれいに切れているか確認できます。

背側と腹側に切れ込みが入ったら両側の切れ込みを下の写真のように持って開きます。

魚の身が背骨の一部分で繋がっているのが分かります。この繋がった部分に下の写真のように包丁を差し込んで切り離します。

これで魚の半身の、肋骨から下の部分を背骨から切り離すことが出来ました。この状態では魚の半身はまだ肋骨と背骨の部分(下の写真の黄色で囲まれた部分)で繋がっています。

背骨から肋骨を切り離す時には調理ハサミを使うと簡単で安全に作業できます。

肋骨を背骨から切り取る要領で切っていけば、いわゆる二枚おろしの状態になります。背骨が付いている半身も同じように作業して背骨を取り去ります。

これで2枚の半身と背骨の部分に分離することができました。いわゆる三枚おろしの完成です。

三枚おろしの行程は動画でもご視聴頂けます。約3分程の短い動画です↓

●手順:その4【柵取り】

三枚におろした身には皮、肋骨、血合い骨が付いています。この状態ではまだお刺し身の材料には適しません。三枚におろした身から皮、肋骨、血合い骨を取り去っていきます。これを柵取り(さくどり)と言います。プロは熟達の技で肋骨を包丁で薄くすき取りますが、素人の私達にはとても無理です。考え方を変えて、下の写真のように黄色い線に沿って肋骨の部分は身ごと切り取ってしまいましょう。

下の写真のような肋骨と皮付きの腹の身が切り取れました。この肋骨と皮が付いた身は焼き物や煮物の材料に利用できます。

肋骨が付いた腹の身を切り取ってしまえば、その後の調理は難しいものはありません。まずは皮を取り去ります。魚の皮を取り去る時は刃が薄くて長い刃物を使うと上手く作業が出来ます。今回は100均の刺身包丁を使います。

魚の皮は頭の方から尻尾の方に向けて取り去っていきます。

まずは下の写真のように頭の側の皮の端を指で押さえて包丁の刃を皮と身の間に入れていきます。

皮と身の間に包丁の刃が入って皮の端が少し剥がれたら、剥がれた皮をしっかりと指で摘みます。

下の写真の要領で皮を黄色矢印の方向に引っ張りつつ、包丁の側面をまな板に押し当てつつ水色矢印の方向に切り進めます。この時に包丁の刃を立ててしまうと皮が途中で切れてしまいます。皮を取り去る時のコツは、皮の方を引っ張る感じで、包丁の側面はまな板に押し当てて、この2点です。

皮を取り除いたら次は血合い骨を取り除きます。血合い骨は下の写真の黄色線で囲まれた部分(魚の側線にあたる部分)に入っていますので、この部分を細長く切り取ってしまいます。この作業は文化包丁でも刺身包丁でもどちらを使っても出来ます。

まずは血合い骨の部分を背側の身に残すように腹側の身を切り取ります。

次に下の写真のように背側に残した血合い骨の部分を細長く切り取ります。

ここまで出来たら柵取りが完了です。身には皮も骨も一切付いていない状態になりました。お刺し身やフライなどの材料に利用できます。

丸のままの魚1匹を捌く行程はそれなりに複雑ですが今回紹介した方法なら特別な道具や技術は必要ありません。ゆっくり慎重に行えば誰でも出来ると思います。尚、今回の調理では刃物類は100円ショップで購入した物を研ぎ直しなどはせずそのままの状態で使っています。皆さんも是非機会があれば挑戦してみて下さい。料理の幅が広がること請け合いですよ。

柵取りまでの行程は動画でもご視聴頂けます。約3分程の短い動画です↓

最後までご覧頂きありがとうございます!!

ブラックバスを釣って食う の草分け系YouTuber

「身近な場所でアウトドア・レジャーを満喫」が健啖隊のメインテーマ。ここでは様々なアウトドアシーンで知っていると役に立つ知識や情報を紹介します。特に魚釣りと釣った魚の調理・山野草・キノコは得意分野です。健啖隊の動画チャンネルでは釣ったブラックバスを料理して食べる動画はギネス級にたくさん公開しています。紹介した料理の数も一般的なソテーやフライから刺身やクサヤ干物まで汎ゆる料理を網羅しています。一度、健啖隊の動画チャンネルをご覧になれば必ずやビックリすると思います。尚、ブラックバスをどう捌けば美味しく食べられるかの要点は健啖隊が実践して見出した方法がウィキペディアでも掲載される程に認知されています。

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