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世界初認定、ゲーミング特化プロジェクターが1.5mで100インチとか色々すごいことになってるよ?

木村ヒデノリテックジャーナリスト/兼業主夫

 1.5mで100インチ、最大120インチまで、応答速度とリフレッシュレートは最高4.2ms・240Hzだって!?

 こんにちは、テックジャーナリストで兼業主夫のヒデです。最近プロジェクターの進化がめざましくてワクワクしてます。今回試したViewSonicのX2-4Kは世界初XBOX認定を取得したゲーミングプロジェクターです。

前モデルX1-4Kと比較して圧倒的短焦点になっており、レンズも魚眼感が出ている
前モデルX1-4Kと比較して圧倒的短焦点になっており、レンズも魚眼感が出ている

USB-Cコネクタで映像伝送できたりと機能性もよく考えられている
USB-Cコネクタで映像伝送できたりと機能性もよく考えられている

排熱は横からなので、設置場所を考えやすい
排熱は横からなので、設置場所を考えやすい

3点吊、そこそこ軽量なので天釣りする場合も器具が安価に済んでGOOD
3点吊、そこそこ軽量なので天釣りする場合も器具が安価に済んでGOOD

 XBOXと組み合わせると1440pと4K解像度とはいかないものの、120Hz/8.33msの高速リフレッシュ/応答でプレイができる点が認定の理由。FPSだけでなく、RPGやスポーツゲームを大画面プレイするにはもってこいの仕様になっています。

HDR10対応や色域カバー率も満足いく性能でした
HDR10対応や色域カバー率も満足いく性能でした

 さらに1.5mで100インチが映せるというのは激レアな仕様で、探してもそんなプロジェクターは意外とありません。4K UHDの解像度と高輝度・高コントラスト、HDRの色再現性も相待って実は日本の住宅で最も使いやすいプロジェクターなのでは?と期待感が高まりました。

この距離でこのサイズがこのクオリティで出せるのはX2-4Kだけ
この距離でこのサイズがこのクオリティで出せるのはX2-4Kだけ

 今回はX2-4Kをお借りしてレビューしていますが、XBOX SeriesXは自腹購入しています。(応答速度は関係ないですが、ゆくゆくはMicrosoft Flight Simulatorをやろうと思ってます。しかし久々に買ったゲーム機がこんなに高いとは...苦笑)

私の記事ではYahoo!ニュースの規約に準ずる範囲で企業から製品の提供や貸し出しを受けて書いています。しかしながら、実際に使ってみて記事を書く基準に達していないと感じられた製品、また良いと思う点よりも大幅に悪い点が上回る製品に関しては全て返却して記事化を見送っています。企業からの報酬等も一切ありません。

1.5m/100インチ表示できるのが強い

 壁から近くに置いて大画面表示したいなら超短焦点プロジェクターでいいじゃん!と思っている方、これが意外とそうでもないんですよ。例えば同じViewSonic製の超短焦点プロジェクターであるX2000L-4Kはレーザー式超短焦点で画質や再現性は圧倒的に良いんですが、100インチを映すのに23cm壁から離す必要があります。

状況によってはものすごく良い製品なのでこれはまた別でレビューします
状況によってはものすごく良い製品なのでこれはまた別でレビューします

 X2000L-4Kもレビューさせてもらっていて、これはこれで条件が合えばものすごく良いんです。ただ、いかんせん日本の住宅は狭い。戸建てなら間違いなくこちらをおすすめしますが、ワンルームなど狭めの集合住宅でも大画面を楽しみたいですよね。

 そんな時におすすめなのがX2-4Kです。例えば長方形の部屋に設置するとします。もし短辺に窓がないのであれば部屋の距離を活かせるのでベッド、コーヒーテーブル、ソファのような配置で100インチの大画面設置が可能です。この場合、ベッド横の壁は持て余していることが多いので便利ですね。

絶妙な距離感で大画面が出せるX2-4K
絶妙な距離感で大画面が出せるX2-4K

戸建ての自室でもこんな感じのレイアウトで100インチ楽しめるのはかなり良い。ラグを敷けばベッドの下を通してロボット掃除機の邪魔にならないように電源も引き回せる
戸建ての自室でもこんな感じのレイアウトで100インチ楽しめるのはかなり良い。ラグを敷けばベッドの下を通してロボット掃除機の邪魔にならないように電源も引き回せる

こういう下から高さが少し上がった2段目のあるコーヒーテーブルだと設置しやすいし、ゲーム機も一緒に置ける
こういう下から高さが少し上がった2段目のあるコーヒーテーブルだと設置しやすいし、ゲーム機も一緒に置ける

DIYできる人ならこういうテーブルを加工して設置しても面白い
DIYできる人ならこういうテーブルを加工して設置しても面白い

 同じような状況で超短焦点を設置しようとすると、壁から23cm+本体の奥行き33cmの56cmがデッドスペースになります。集合住宅でこのスペースを取れる物件が意外と少ないのが日本の現状です。

一般的なテレビ台が35〜45cmくらいの奥行きなので、56cmとなると結構手前にきて圧迫感が出てしまう
一般的なテレビ台が35〜45cmくらいの奥行きなので、56cmとなると結構手前にきて圧迫感が出てしまう

 最初の例と逆に窓があって長辺の壁しか使えない場合もX2-4Kの機能性が威力を発揮します。左右かなり横からでも映せる台形補正機能と短焦点が相まって、ソファの横からも投影が可能。これによって大画面を楽しめる可能性がグッと広がります。(電源ケーブルの引き回しを考えるとこちらの配置の方が現実的)

この間取りは一般的なワンルーム物件にもよくあると思うこの広さで100インチ超の画面が使えるのは夢がある
この間取りは一般的なワンルーム物件にもよくあると思うこの広さで100インチ超の画面が使えるのは夢がある

こういうサイドテーブルならゲーム機を下に置いて、といった設置が可能
こういうサイドテーブルならゲーム機を下に置いて、といった設置が可能

サイドからでもしっかり台形補正できるので正面当社に比べて距離の節約ができる
サイドからでもしっかり台形補正できるので正面当社に比べて距離の節約ができる

 さらにX2-4Kの場合、光学で1.2倍までサイズ調整できるのもポイントです。超短焦点モデルだと、本体を物理的に動かさなければならないものがほとんどなので、設置後あとちょっと大きくしたい、といった微調整にも家具移動が伴います。

光学的サイズ調整ができるのも超短焦点タイプにはないメリット
光学的サイズ調整ができるのも超短焦点タイプにはないメリット

 一方でX2-4Kはレンズの調整ダイヤルを回せば大きさを1~1.2倍の間で変えられるので、限られた間取りでもサイズを合わせやすいのがメリットです。

 X2-4Kなら日本の住宅事情を考慮しても十分大画面の恩恵を享受できます。そういう意味で1.5m/100インチ表示は強いんです。

ゲーミング特化のスペックも魅力的

 先に誤解のないように解説しておきます。最大スペックである、4.3ms/240Hzの体験をするにはPCゲームで専用の設定をしたのち、1080pで表示する必要があります。

1080pとはいえ、240Hzでプレイできるのは興味深い
1080pとはいえ、240Hzでプレイできるのは興味深い

他のレビューでタイトルが4.3ms/240Hzを実現!みたいなものが多いので、読者が買ってから落胆しないようにここではしっかり明記しておきます。

 ただ、ゲーミング特化というのは本当で、かなりすごいスペック。対応のXBOXゲームでは1440pで8.33ms/120Hzのゲーム体験が実現できます。やってみた限り、こういうスペックを求められるFPSやレースゲーム、スポーツゲームに老いては1440pでも画質に不満を抱くことが少ないのでかなり満足のいくスペックという印象でした。(プロジェクターでは他に選択肢が現状ありませんしね...)

1440p/120HzでプレイしたF1(R)22、応答速度バッチリでめちゃめちゃ快適
1440p/120HzでプレイしたF1(R)22、応答速度バッチリでめちゃめちゃ快適

 また、PS5などXBOX以外でも4Kで16.67ms/60Hzに対応しています。ゲームによっては画質が高い方が満足感も高いですし、実際ほとんどのゲームでこのスペックなら十分満足できます。

STAR WARS ジェダイ:サバイバーTMは4K/60Hzで。こちらも驚くほどの解像感で満足
STAR WARS ジェダイ:サバイバーTMは4K/60Hzで。こちらも驚くほどの解像感で満足

 HDRや色再現性などのスペックも相まって、大画面でのゲームの満足感がすごい。特に緑が綺麗な印象でした。100インチ以上の大画面で様々なゲームが楽しめる体験は有機ELやminiLEDのテレビではなかなか難しい(高額になってしまう)し、狭い環境では設置場所が取れません。

X2-4Kで100インチに4K出力した画(上)と有機ELテレビ65インチに4K出力した画(下)
X2-4Kで100インチに4K出力した画(上)と有機ELテレビ65インチに4K出力した画(下)

プロジェクター出力だと4Kは粒状の見えかたで100インチと大きいながらもより高精細な印象(上)、有機ELなどテレビだとどうしても1つ1つの素子が見えてカクカクしてきてしまう(下)
プロジェクター出力だと4Kは粒状の見えかたで100インチと大きいながらもより高精細な印象(上)、有機ELなどテレビだとどうしても1つ1つの素子が見えてカクカクしてきてしまう(下)

なにしろこの距離でこの大きさになるのが便利すぎる、うちは50m2の狭小住宅なので実感度が高い
なにしろこの距離でこの大きさになるのが便利すぎる、うちは50m2の狭小住宅なので実感度が高い

 一方X2-4Kならソファ横の小さなテーブルにも置けるので、狭小大画面でゲームが満喫できます。これは唯一なんじゃないかなと思いました。

USB-C経由でNintendo Switchもプレイできて最高

 iPhoneやiPad、Mac(USB Type-Cビデオストリーミングをサポートする機器ならすべて)と1ケーブルで接続してコンテンツを投影できるのも便利。

USB-Cポートでの映像伝送ができるのも痒い所に手が届く神仕様
USB-Cポートでの映像伝送ができるのも痒い所に手が届く神仕様

 なかでもNintendo Switchをドックなしで直接接続してプレイできるのが優秀。これならコンパクトなスペースにゲーム機とプロジェクターをまとめて置きやすい。ハードにゲームをやらないよ、という人でもNintendo Switchはやる、という方も多いはず。ここまでゲームプレイに特化して開発されている点には非常に好感を持ちました。

Nintendo Switchがドックなしで接続できるなど、利便性が考え尽くされていて好印象
Nintendo Switchがドックなしで接続できるなど、利便性が考え尽くされていて好印象

Aladdin Xも選択肢としてはあるが...

 あえて残念なところを挙げるとすれば、排熱が割とある点でしょうか。こればかりは以前レビューしたJMGOのN1 Ultraに軍配。レーザープロジェクターなのにほぼファンの音がしないあの静音性が(いい意味で)異常だったとも言えますが...。価格はN1 Ultraの方が8万円ほど高額ですし、レーザー方式ですが焦点距離は長い、かつ光学サイズ補正はできないのでやはり今回紹介したような用途ではX2-4Kが頭ひとつ抜けていると思います。

静音性や画質は抜群だが、焦点距離が長いと設置場所に困る。50m2の我が家ではなかなかの難題だった
静音性や画質は抜群だが、焦点距離が長いと設置場所に困る。50m2の我が家ではなかなかの難題だった

 もちろんAladdin Xのようにシーリングライトと一体にする選択肢も狭小スペースならありますけどね...ゲームはこの応答速度や解像度でできませんし(代わりに話題のスイカゲームをはじめとしたアプリは使えますが)画質という意味ではX2-4Kの圧勝です。

実家ではAladdin Xを愛用しています。うちの両親のようにゲームは基本的にやらない、それ以外のニュースやテレビの視聴、設置場所の便利さを優先したいならAladdin Xはかなり優秀
実家ではAladdin Xを愛用しています。うちの両親のようにゲームは基本的にやらない、それ以外のニュースやテレビの視聴、設置場所の便利さを優先したいならAladdin Xはかなり優秀

焦点距離は30cm差があるし、シーリングの位置に依存してしまうのでそういう意味ではX2-4Kの方が自由度は高い
焦点距離は30cm差があるし、シーリングの位置に依存してしまうのでそういう意味ではX2-4Kの方が自由度は高い

同じ1.5mだとAladdin Xは87インチになる、これでも十分大きくはあるが...
同じ1.5mだとAladdin Xは87インチになる、これでも十分大きくはあるが...

 間取りによりますが、4畳の部屋でも120インチサイズでゲーム三昧な部屋ができるかもしれません。設置の自由度が高いうえに高画質、ゲーミング特化と本当にワクワクした1台でした!

公式サイト
ViewSonic
販売サイト
X2-4K

テックジャーナリスト/兼業主夫

バークリー音楽大学映画音楽作曲科卒。ガジェットレビュワー/兼業主夫。家事育児をしながらレビュー記事や動画を作っています。ガジェット好きが高じて築50年団地をスマートハウスにリノベしたら沸騰ワード10で紹介されました。家事時短できる製品から育児に役立つハイテクおもちゃまで幅広く紹介していけたらと思っています。

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