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どうせなら拭ける方が良くない?ダイソンも参入して掃除機は水拭き必須の時代へ

木村ヒデノリテックジャーナリスト/兼業主夫

 水拭きできる掃除機が予想以上に快適でした。

 テックジャーナリストで兼業主夫のヒデです。お掃除ロボットにも標準搭載になってきた感のある水拭きが掃除機業界でも脚光を浴びています。ダイソンが水拭き機を出したことでもこの流れが加速していますね。

 今回紹介するのはTinecoのFLOOR ONE S7 Pro。Tinecoはお掃除ロボットで有名なエコバックスの子会社です。アメリカに住んでいた頃はリンサークリーナーをはじめ、こうした水拭きやスチーム家電はかなり身近だったんですが、最近になってようやく日本にも浸透してきました。

水拭きとゴミ吸いが同時にできるTineco FLLOR ONE S7 Pro
水拭きとゴミ吸いが同時にできるTineco FLLOR ONE S7 Pro

このタンクに掃除後の汚水が溜まっていく
このタンクに掃除後の汚水が溜まっていく

LEDが大画面で綺麗なのも好印象、マニュアルを見なくても操作がわかりやすい
LEDが大画面で綺麗なのも好印象、マニュアルを見なくても操作がわかりやすい

 日本は室内土足ではないですし、ソファにもカバーをかけるなど「汚れない」を気にして生活する文化です。それを考えると今まで特段必要とされてこなかったのは納得できます。でも私からすると「クイックルワイパーは使うのになぜ水拭き掃除機を使わないの?」という印象でした。「まずはしっかりゴミを吸って、その後水拭き」という感覚はわからないでもないですけどね(笑)

 実際、ゴミを吸いながら水拭きできて綺麗になるならその方が断然効率がいいじゃないですか。このS7 Proはそういう趣旨の製品です。今回は国内発売前に使わせていただきましたが、最後にデメリットもちゃんと書いていますので読んでください。

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ゴミを吸う、床を拭く、が1つになった

 使いはじめは私もちょっと躊躇しました。髪の毛が落ちているところを水拭きしちゃって大丈夫なのかな...結局汚れが広がらないかな...などなど。でも使ってみたらこれ以上便利なものはありません。なんと液体まで吸えるんですからね。

ウェット、ドライ関係なく吸えるのが便利
ウェット、ドライ関係なく吸えるのが便利

 特にこぼした牛乳など、子供が失敗することの多いものをすぐに綺麗にすることができる点は非常に便利だと感じました。うちで使っているHooverのリンサークリーナーでも吸えることは吸えるんですけどね。

Hooverのバッテリー式リンサークリーナーもかなり重宝している
Hooverのバッテリー式リンサークリーナーもかなり重宝している

Hooverのリンサークリーナーは通常のブラシ以外に、ペットの毛用ブラシ、液体汚れ用ワイパーが付属
Hooverのリンサークリーナーは通常のブラシ以外に、ペットの毛用ブラシ、液体汚れ用ワイパーが付属

牛乳がこぼれてしまってもワイパーブラシでこの通り、簡単に綺麗にできます
牛乳がこぼれてしまってもワイパーブラシでこの通り、簡単に綺麗にできます

 S7 Proなら拭きながら吸える、かつ充電ステーションに置いてあるのですぐに使える、というのは便利だと思いました。

ステーションにいつでも使える状態で置いておけるのは便利、スペースもそこまで取らないし見た目もスタイリッシュ
ステーションにいつでも使える状態で置いておけるのは便利、スペースもそこまで取らないし見た目もスタイリッシュ

モード選択もできるが、基本的にどんな状況でも考えずに掃除できてしまうのがいい
モード選択もできるが、基本的にどんな状況でも考えずに掃除できてしまうのがいい

絞りながら拭くから汚れ戻りしない、セルフクリーニングも優秀

 クイックルワイパーなどと違って、常に清潔な水を供給し、絞りながら拭けるというのもいいなと思いました。汚れた水はすぐに絞られて吸われていき、二回目の回転時に残りません。最近はロボット掃除機でも水拭き機能はありますが、常に清潔な状態で拭いているわけではないのでこの仕組みは好印象でした。

常に洗浄しながら拭けるのが他の水拭き製品にはない利点
常に洗浄しながら拭けるのが他の水拭き製品にはない利点

汚い水を搾って吸引しながら新鮮な水を供給し拭くので汚れ戻りがない
汚い水を搾って吸引しながら新鮮な水を供給し拭くので汚れ戻りがない

 さらにS7 Proは給水タンクに電解モジュールがついているので、供給される水がpH6.5以下の酸性電解水(次亜塩素酸水)になります。これは各種病原細菌や食中毒菌、ウイルスに強い殺菌効果を持つと言われているので子供がいる家庭などでは安心度がより高いですよね。その水が常に供給されながら水拭きできるんですから尚更です。これはS7 Proでしか実現できない清掃方法なので購入判断する際の重要な要素になるでしょう。

専用の洗剤のほか、水自体も電解水にできるのが良い。拭いた後の香りも殺菌された感のあるものだった
専用の洗剤のほか、水自体も電解水にできるのが良い。拭いた後の香りも殺菌された感のあるものだった

  水拭き機器で気になるのは清掃後の雑菌の繁殖や臭いですが、これも心配ありません。2ヶ月程度使っていますがセルフクリーニング機能のおかげで今のところブラシからの臭いを感じたことがありません。使い終わってステーションに戻すとセルフクリーニングの選択肢が表示されるので実行すると同じく電解水でブラシが綺麗になります。

ステーションに置くとクイック or ディープでブラシを洗浄できる
ステーションに置くとクイック or ディープでブラシを洗浄できる

 この時優秀なのは、ブラシを綺麗にするけど水が下に滴るようなことがない点。ブラシを綺麗にした水は全て汚水タンクへ吸い込まれるので、ベースステーションが水浸しになるようなことがありません。最後に汚水タンクの水を捨てて終了。この時細かいゴミはフィルターに阻まれて水と混ざりませんし、タンクも水でゆすげばすぐに綺麗になります。

セルフクリーニング時の汚水も全てタンクに吸い取られるので便利
セルフクリーニング時の汚水も全てタンクに吸い取られるので便利

 掃除後のメンテも楽だったのがかなり好印象でした。

このフィルター部で細かいゴミはキャッチされるので汚水タンクも綺麗にしやすい
このフィルター部で細かいゴミはキャッチされるので汚水タンクも綺麗にしやすい

掃除後のメンテや綺麗さを保つのはかなり容易な印象だが、ステーションには清掃用のブラシや予備パーツなどが装備されている。常に綺麗な状態で掃除を始められるので安心感が高い
掃除後のメンテや綺麗さを保つのはかなり容易な印象だが、ステーションには清掃用のブラシや予備パーツなどが装備されている。常に綺麗な状態で掃除を始められるので安心感が高い

自走式だから楽だけど、重さはやや重いか?

 本体は自走式になっていて、前や後ろへの動きを感知して補助してくれます。そのおかげでかなり軽い掛け心地。床に置いて掃除している分には重さを感じることはほぼありません。

ローラーが前後の移動を電動自転車のように補助してくれるので本体の重量とは裏腹に軽々床拭きできる
ローラーが前後の移動を電動自転車のように補助してくれるので本体の重量とは裏腹に軽々床拭きできる

 ただ、2階へ運ぶなどスイッチを止めてフロア間を移動する際には重さが気になるかもしれません。

そこそこの容量のバッテリーを含むため、本体を持ち運ぼうとするとやや重い感覚はある
そこそこの容量のバッテリーを含むため、本体を持ち運ぼうとするとやや重い感覚はある

 もう一つ気になった点は、汚れが乾いていると若干長く当てていないと落ちない点です。ブラシを前後に動かすのではなく、回転しているブラシを当て続けるような擦り方をしないと完全に乾いた汚れは落ちませんでした。

湿り気のある汚れには最強だが、乾いて残った汚れには工夫が必要
湿り気のある汚れには最強だが、乾いて残った汚れには工夫が必要

 ただS7 Proは汚れによって水の吐出量を変えてくれるのでこの点は便利。床の汚れも自動感知してくれるので、あまりにもひどい汚れでなければ容易に落とせます。玄関など土足部の床も室内に続けて綺麗にできるので、そういった利便性は他の製品にはない体験だなと思いました。

綺麗さを大画面モニターで表示してくれるので掃除しやすい
綺麗さを大画面モニターで表示してくれるので掃除しやすい

オートモードはパワーや水量も自動調整してくれるので広い範囲を掃除したい時にもバッテリーが長持ちする
オートモードはパワーや水量も自動調整してくれるので広い範囲を掃除したい時にもバッテリーが長持ちする

床に寝転ぶことも多い日本の住宅には意外とピッタリ

 今まで埃が落ちていなければ綺麗だと思っていた日本の住宅も、水拭きすると結構汚いことが多いです。それを考えると、掃除の度に水拭きもでき、かつ除菌もできるとなればS7 Proはかなり有効な選択肢と言えるのではないでしょうか。

除菌しながら常に綺麗な水で拭けるのは唯一
除菌しながら常に綺麗な水で拭けるのは唯一

 木村家も次女が8ヶ月でこれから床で遊ばせることも多いと思うのでS7 Proで綺麗にできれば安心だと思っています。子供は食事をこぼすことも多いですし、子育て世帯にはもってこいの製品ですよ。

公式サイト
Tineco
販売サイト
FLOOR ONE S7 Pro & S7 Lite

テックジャーナリスト/兼業主夫

バークリー音楽大学映画音楽作曲科卒。ガジェットレビュワー/兼業主夫。家事育児をしながらレビュー記事や動画を作っています。ガジェット好きが高じて築50年団地をスマートハウスにリノベしたら沸騰ワード10で紹介されました。家事時短できる製品から育児に役立つハイテクおもちゃまで幅広く紹介していけたらと思っています。

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