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【格付け風】ワイン通なら高級ワインを目隠しで見分けられるか!?検証してみた

KOZE(こぜ)ワインマニアワイン初心者向け情報ライター

※お酒は20歳になってから

ワイン通なら高級ワイン、秒で当てられるはず。

13万円のワインを目隠しで当てるイベントに行きました。

場所は東京・東銀座のワインショップ兼ワインバーのブラットギンザ。こちらのお店、ワインショップと角打ちバーが併設したワインショップ。東銀座という好立地ながら、900円~1,200円/杯程度でいいワインが飲めるお店です。

この日はイベントのため、大賑わい。

通常は立ち飲みスペースと、これとは別にカウンターがあり、落ち着いてワインが飲める良店です。この日は、同店の周年イベント。完全赤字で超高級ワインが原価以下で飲めちゃう、という先着予約制のイベント(※)を見つけ、そちらに参加しました。

(※)通常、以下の高級ワインはメニューに載っておらず、今回は事前会費制の特別イベントでした。

飲み比べる一覧

【フランス】シャトー ラフィット ロートシルト 2020 約13万円

【アメリカ】ハイツ マーサズ・ヴィンヤード 2016 約5万円

【オーストラリア】フレーザーギャロップ 2018 約6千円

【チリ】モンテス クラシック カベルネソーヴィニヨン 2022 1,500円

この4種。13万円、5万円、6千円、1,500円。これをラベルを見ずに飲み比べ、どれがどのワインか当てるという内容です。

泣く子も黙る、フランス・ボルドー地方の超有名ワイン。
泣く子も黙る、フランス・ボルドー地方の超有名ワイン。

本命はもちろん【フランス】シャトーラフィット ロートシルト2020 13万円

このワインは、超有名なワイン。とても簡単に解説すると、お正月の格付けチェックでGACKTさんが飲むワインです。この銘柄そのものの古い年号が、定期的にお正月番組に登場しています。今回は、そんな凄いワインの年号の新しいやつです。

ということで、著名、かつ13万円の高級ワインなど、「一発でわかって当たり前」とすら思っていますが…

この日は伏兵、ハイツ マーサズ・ヴィンヤード 2016という5万円の高級ワインが用意されています。

100万円と5千円の見分けがつくのは一流芸能人。では、13万円と5万円の差はわかるのか??と言われると…。ともあれ、めったにない企画です。早速やってみましょう。

なお、ワインは事前にこのような袋に入れられていますので、カンニングは出来ません。

グラスに注がれるも、わからない

ずらっとグラスに注がれたワイン。一つはボトル13万円。
ずらっとグラスに注がれたワイン。一つはボトル13万円。

ずらっと並んだ4種のワイン。左から①②③④の順です。これを全部銘柄含め当てていきます。

まず、こうして見てみると、なるほど…どれも高そうに思えます。有資格者はワインを見るときに、「外観(見た目)」「香り」「味わい」に細分化して可能性をつぶしていきますので、それぞれ簡素に追っていきましょう。

外観(見た目)

まず、色味は①~④ほぼ同じ。ワインの原料のブドウの品種で、ワインは色調に差が表れますが、今回は4種とも主たるブドウ品種が同じでカベルネソーヴィニヨンという品種です。つまり色は似る傾向にあります。また、古いワインは色が変化しますが、生産年も4種が比較的近いためこれも不可。難問です。

香り

①のワイン…鉄や書斎のような高貴な香り。ミントのようなハーブの香り。

②のワイン…土のような香り。わずかに革製品。

③のワイン…革製品やベルトの香りが強い。ローストしたコーヒーの香り。

④のワイン…香りは控えめ。果実の香り、埃のような香り。

まず、③のワインはチリのワインで確定としました。チリのワインは鮮烈に革製品の香りが出る傾向が強いからです(日照量の多さと言われます)また、②のオーストラリアも土っぽい香りが出る傾向にあるため、③ほどではないにしても、②はオーストラリアでしょう。②オーストラリア 6千円、③チリ 1,500円、としました。問題は①④です。

味わい

①のワイン…やや酸があり、凝縮感もある。鼻に抜ける香りが上品。

④のワイン…強烈な渋みで後まで残る。深みがあり、ジワリとくる木樽の香り。

途中確信を持った②③は、口に含んでも印象が変わらず、変更はしませんでした。

①と④の比較ですと、①は上品で「陽」のキャラクター、④は風格のある「陰」のキャラクターに感じます。違いはあれども、どちらもおいしい。

悩んだ挙句、イベントのワインとは全く別のワインを別注して、少し時間稼ぎもしました。

通常、フランスの高級ワインは、熟成・年数の経過によりその真価を発揮すると言われます。格付けチェックで古いワインが出るのはフランスの高級ワインは、長期熟成出来る、という前提が成せる業です。実際、④の方が長期熟成に向いてそうです。

ただ…改めて飲むと…①の高貴な香りと上品さが美味しい。「もしや、天下のラフィット(13万円)のワインともなれば、年数が経ってなくても上品なのでは…??」と想像が入ってしまいます。

結果当方の回答は

①のワイン…13万円のフランス。シャトーラフィット 2020

②のワイン…6千円のオーストラリア。

③のワイン…1千円台のチリ。

④のワイン…5万円のアメリカ。

としました。果たして結果は

むむ…これは…!!

①のワイン 【不正解】

記)13万円のフランス。シャトーラフィット2020

正)5万円のアメリカ。ハイツ マーサズ・ヴィンヤード 2016【不正解】

②のワイン【正解】

記)6千円のオーストラリア フレーザーギャロップ

正)6千円のオーストラリア フレーザーギャロップ【正解】

③のワイン【正解】

記)1千円台のチリ モンテス クラシック カベルネソーヴィニヨン【正解】

正)1千円台のチリ モンテス クラシック カベルネソーヴィニヨン【正解】

④のワイン【不正解】

記)5万円のアメリカ。ハイツ マーサズ・ヴィンヤード 2016

正)13万円のフランス。シャトーラフィット【不正解】

結論、13万円のワインがわかりませんでした。①は美味しかった。なお、この日は17名が参加され、見事3名の方が全問正解。すごい。

これは掘り出しもの!の声が周りから

しかし、この日は別の収穫がありました。③の1,500円のチリのワイン「モンテス クラシックシリーズ カベルネソーヴィニヨン」についてです。周りの方から「もっと高いと思った」「間違えた」などの声が聞こえてきました。つまり、1,500円のワインをほかの三本、6千円~数万円のワインと間違えた、ということです。一部の方は、「これは5万円のやつかも」と思ったとも。

実際、当方は③のワインは「これはチリワインの香りである」と見切ったからこそ正解出来ました。値段というよりは、国で判別したということです。これをノーヒントで、グラスで並べられるとなかなかにして迷ったというのが正直なところです。これは面白い収穫で、掘り出し物としたいと思います。

今回の「モンテス クラシックシリーズ カベルネソーヴィニヨン」はYahoo!ショッピングほか、コンビニではナチュラルローソン等でも購入が可能。ネットでも販路多く購入出来ます。チリワインらしい果実味豊かでしっかりした味わいのワインで各所で高評価。ご機会あればぜひお試しください。(種類がたくさんあるので、モンテス クラシック、カベルネソーヴィニヨンというすべての文字列が入ったものをご確認ください)

●Yahoo!ショッピング内 リンク

モンテス クラシック シリーズ カベルネ ソーヴィニヨン 2022

https://store.shopping.yahoo.co.jp/e-felicity/1-montes-c-cabe.html?sc_i=shopping-pc-web-result-item-rsltlst-title

(Yahoo!ショッピング内 店舗名:フェリシティー)

●今回のイベントのお店

BRATT.GINZA (ブラットギンザ)

東京都中央区銀座3-14-1 銀座3丁目ビル 1F

営業時間:12:00 - 22:00(L.O. 21:00)

※通常はカジュアルな角打ちワインバー兼ショップです

※今回登場のワインは、低価格帯含め通常は置いてないようです。ご注意ください。

ワイン初心者向け情報ライター

日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート有資格。インスタ2.7万人、Twitter1.7万人、スレッズ1.1万人、Youtubeワインチャンネル1万人。ワインのSNSで総フォロワー6万人は日本トップクラス。ワインの飲み手を増やしたい、というモチベーションとともに、ワインがわからない方向けの初心者向けナビゲート記事を執筆。3千円以下のワインの啓発。南アフリカ産、スペイン産のワインを愛する。

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