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【京都市】下京区 『橋弁慶』にみる『五条大橋』と『松原橋』

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

♪京の五条の橋の上〜大のおとこの弁慶が〜♪

という、”わらべうた”があります。「五条大橋」近辺については過去に記述したのですが→ https://creators.yahoo.co.jp/kozushokairica/0100193419 実は本当の「五条大橋」は、今でいう「松原橋」だったと言われています。

当時の「松原通」は平安時代の「五条大路」であり、嵯峨天皇の勅命により橋が架けられたそう。

この地に架かっていた橋が「五条橋」で、見事な松並木から「五条松原橋」とも呼ばれたそうです。

安土桃山時代,豊臣秀吉が方広寺大仏殿の造営にあたりこの「五条松原橋」を「松原橋」、そして現在の五条通りにかかる橋を「五条大橋」と呼ぶようになりました。

鞍馬にある牛若丸の図
鞍馬にある牛若丸の図

伝説に謳われる牛若丸と弁慶の決闘の地といわれる「京の五条の橋の上」は、この「松原橋」のことです。

この橋を東へ進むと「清水寺」に行き着き、当時の「鳥辺野」という墓地があります。当時の参詣道でもありました。

「鳥辺野」までの道で、鴨川を「三途の河原」と通り過ぎ、途中、冥界へ通じると言われる井戸で有名な『六道珍皇寺』に一旦寄り、そこで閻魔様にお会いするという話を聞きました。

六道珍皇寺
六道珍皇寺

以前、能の発祥地である「新熊野神社」について記述しましたが、その能の演目に「橋弁慶」というのがあります。この演目では、「五条大橋」という「松原橋」での弁慶と牛若丸の出会いが描かれています。

日本三大祭りの一つである「祇園祭」の山にも、「橋弁慶山」というのがあります。五条橋で牛若丸と弁慶の出会いが舞台となった謡曲「橋弁慶」がそのルーツであるとされてます。

東山区岡崎地区にある能舞台で有名な『京都観世会館』では、4月22日(金)19時開演(18時開場)KYOTO de petit能『橋弁慶』が行われます。格安に90分でわかりやすく、実際の能楽師たちによる能体験ができるというイベント。

この機会に、お子様連れて能舞台がある京都観世会館で「能体験」はいかがでしょうか?

松原橋

京都市東山区宮川筋5丁目

京都観世会館
〒606-8344   京都市左京区岡崎円勝寺町44  
tel.075-771-6114

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。ジャーナリスト、写真映像家、イベントプロデューサー、特殊ツアーガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深める毎日。

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