Yahoo!ニュース

【京都】左京区 足利氏を虜にした『能』で歴史や文化を世界に広める『京都観世会館』♪

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

「能」という伝統文化をご覧になったことがありますか?

神社仏閣での「奉納能」や、能舞台や能楽堂の多い土地柄、「能」が身近にありながら、京都人でもしっかりと見たことがないという人が多いのでは。

その中でも、京都を拠点とする観世流シテ方能楽師の本拠地として、多くの自主公演・各家の定期能・個人主催公演・狂言会・素人発表会などを開催している『京都観世会館』は、戦前から平安神宮の大鳥居の近くにあり、定期的に能楽や狂言の普及に尽力されています。

観世流シテ松野浩行氏(左)
観世流シテ松野浩行氏(左)

まず「能」とは室町時代に生まれ、能面と呼ばれる仮面を用いて行う歌舞劇。

江戸時代までは、「猿楽(さるがく)」、あるいは「猿楽の能」と呼ばれていました。

観阿弥(かんあみ)と世阿弥(ぜあみ)の親子による大和の「猿楽」一座は、京都に上京して将軍足利義満に認められ成功を納めます。世阿弥による能楽の理論書「風姿花伝(ふうしかでん)」もよく知られますね。

能楽を大成させた能役者の観阿弥(かんあみ)・世阿弥(ぜあみ)は多くの演目をつくり、今日でも伝統芸能として存続しています。

京都で能に関係するエリアについて以前に記事にしたことがあります。

伝統芸能である能の観世流の拠点地であった『観世稲荷社』→https://creators.yahoo.co.jp/kozushokairica/0100180574
平安京遺跡『二条公園』と妖怪『鵺』伝説→https://creators.yahoo.co.jp/kozushokairica/0100198888

その「能」の舞台を短で見られるのが、「京都観世会館」です。

9月10日(土)に松野浩行氏による「頼政」をはじめ、河村晴久氏による「楊貴妃」そして林宗一郎先生による「一角仙人」などの演目が行われる『SHITE シテ。』が行われます。

『源頼政(みなもとのよりまさ)』は、妖怪「鵺退治」を帝から命じられたと伝えられた人です。宇治の源平合戦で自刃した源頼政の回向を話す老人、その人が頼政の幽霊だという話です。

能『楊貴妃』は、玄宗皇帝と楊貴妃の悲しい恋の物語、そして『一角仙人』は、鹿から生まれ、額に一本角が生えている仙人が龍神を閉じ込め、干ばつが続き困った帝が美しい施陀夫人を一角仙人の元へ送り酔わせて神通力を弱め、龍神に雨を降らせるという話。

どれも、とっても興味深い内容ですね♪

映画やドラマの小道具たちを扱う『高津商会』でも、能面などを多く揃えてます。また、ホテルのオープニングレセプションなどで『高津商会』の甲冑が飾られた前で、能舞をしてもらったこともあります。すごい迫力で海外のお客様たちを圧巻、拍手喝采でした♪

京都を代表する伝統芸能である「能」を広める為に若手の能楽師たちも頑張って様々な催しをされているそうです!ぜひとも、お誘い合わせの上、気軽にお越しください、とのことです♪

京都観世会館
住所:〒606-8344
京都府京都市左京区岡崎円勝寺町44

電話:075-771-6114

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。ジャーナリスト、写真映像家、イベントプロデューサー、特殊ツアーガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深める毎日。

高津商会RICAの最近の記事