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【京都市】東山区 様々な有難い神様が鎮座されている『粟田神社』♪

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都には、他の地から京都へと繋がる「京の7口」と呼ばれる七つの街道があります。その東の出入口である『粟田口』に鎮座する『粟田神社』は、古来から東山道・東海道を行き来する人々が立ち寄る神社です。

街道を行き来する人たちは、旅の安全を願い、また無事に帰ってこれたときにはお礼参りをすることで、いつしか旅立ち守護・旅行安全の神として知られるようになりました。

私も、国内外問わずあちこち仕事でよく移動をするので、『粟田神社』には、よくお参りにきます。

また、スサノオノミコト・オオナムチノミコトを主祭神として祀り、厄除け・病除けの神と崇敬されています。『天台宗門跡青蓮院』の鎮守社として大切に祀られてきました。

その歴史は、平安時代、清和天皇の時代であった、876年に神祇官並びに陰陽寮より「この年隣境に兵災ありて、秋には疫病多いに民を悩ます」と天皇に奏上され、出羽守 藤原興世(ふじわらのおきよ)が勅命によって勧請したことに始まり、平安後期に天台宗の僧である忠尋(ちゅうじん)が再建したものとあります。

その『粟田神社』で行われる『粟田祭』は、毎年10月に行われる粟田神社最大の祭礼行事。「出御祭(おいでまつり)」「夜渡神事」「神幸祭・還幸祭(しんこうさい・かんこうさい)」と、「例大祭(れいたいさい)」が『粟田祭』です。

その中でも、有名なのが『夜渡神事』。「粟田大燈呂(あわただいとうろ)」が夜の街を練り歩きます。神事は神仏習合の形態で行われるので、『知恩院』の僧侶がお経を上げ、『粟田神社』の神職が祝詞を読むというありがたくも珍しい体験ができますよ!

本殿までの参道を行くと、本殿の多くの摂社や末社などがある境内に感動します。

その境内からみる東側からの京都の景色も圧巻♪

2017年円山公園にて
2017年円山公園にて

京都造形大学とのコラボで作られる粟田神社祭礼の「粟田大燈呂」は、円山公園に出張して飾られることもあります。

2022年撮影
2022年撮影

東山花灯篭」の際に飾られていた時には、夜は光がともりまた違う顔を見せてくれます。(過去記事参照→ 「惜しまれつつも今年最後の『東山花灯籠』」https://creators.yahoo.co.jp/kozushokairica/0100202254

また、『粟田神社』の末社である『鍛冶神社』は、映画やドラマの時代劇などで使われる小道具や刀剣などを扱う「高津商会』には大切な神社。『鍛冶神社』についての過去記事もご参照くださいませ。https://creators.yahoo.co.jp/kozushokairica/0100308205

第5代孝昭天皇の皇子・天足彦国押人命(あめたらしひこくにおしひとのみこと)を祖とする粟田氏により創建されたとも伝わる『粟田神社』は江戸時代までは「感神院新宮」「粟田天王宮」「粟田八大王子社」などと呼ばれていました。

江戸時代初期に京都・粟田の地で誕生した陶器である「粟田焼」の発祥の地でもある『粟田神社』。

摂社である『出世恵比寿神社』では、源義経が奥州に旅立つ前、源氏再興を祈願して、勇気をもらったという恵比寿様です。源氏再興を成し遂げたため、「出世恵比寿」「門出恵美須」と呼ばれて大切にされています。

毎年1月には、「出世えびす祭」が行われて賑わい、「笑う門には福来る」とばかりにその笑顔にほっこりします♪最古クラスの寄木造の恵比寿像で、最澄作との伝承があるとか…

刀剣の聖地であり、出世恵比寿、など御祭神の建速素盞嗚尊(タケハヤスサノオ)、大己貴命(オオナムチ)と共に様々な神々や伝承が残る場所です。紅葉が綺麗な穴場でもあるので、これからの紅葉の季節が楽しみですね♪

粟田神社
住所:京都市東山区粟田口鍛治町1
TEL: 075-551-3154

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。ジャーナリスト、写真映像家、イベントプロデューサー、特殊ツアーガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深める毎日。

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