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【京都市】東山区 牛若丸ゆかりの「義経地蔵」が桜の名所「インクライン」に♪

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都市の東山区にある蹴上(けあげ)の「インクライン」は、全長582mの世界最長の「傾斜鉄道跡」を言います。

琵琶湖からの水を引くだけでなく、物流運搬の手段としても利用されていた琵琶湖疏水は、蹴上のあたりでは高低差が約36mもあり、急斜面のため船を運航するのが困難になります。

そこで、水路とは別にゆるやかな傾斜地を地面に作り、荷を積んだ船を台車に乗せて運ぶシステムを作ったのがインクラインです。

琵琶湖疏水に関しての過去記事は下記ご参照ください→

速報!3月28日現在の蹴上インクラインと琵琶湖疎水記念館の桜♪

「琵琶湖疏水」と「映画の街・京都」の関係

この辺りは約90本のソメイザクラが有名で、桜シーズンになると全国から写真撮影に来る人たちで賑わいます。

「蹴上」という名前がこのエリアに残った理由の一つに、面白い話が残っています。

平安時代、平家打倒を目指す義経は「鞍馬寺」から下山し、奥州に向けて出発。途中、「日向大神宮」へ立ち寄った際に、日ノ岡峠で平家武者である関原与一重治(せきはらよいちしげはる)とその従者9人とすれ違いました。そのとき、重治一行の馬が跳ね上げた泥水が義経の直垂(ひたたれ)を汚しました。義経は激怒し、従者9人を切り、重治の耳と鼻を削ぎます。自分の軽率な行動を悔いた義経は、9体の石仏を作って彼らを弔いますが、うち6体は消失。残った3体のうち1体が「義経大日如来」として、現在「蹴上」の地(インクラインの始まり)に祀られています。

日向大神宮については過去記事をご参照ください→ 開運厄除けの神『天の岩戸』日向大神宮

『義経地蔵』は、座高約90の阿弥陀仏で。高さ約1.6mの舟形光背を背負い鎌倉時代の作と伝わります。

ぜひ、インクラインらで写真を撮影しながら「義経地蔵」を探してみてください!

義経地蔵
〒605-0044 京都市 東山区東小物座町

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。ジャーナリスト、写真映像家、イベントプロデューサー、特殊ツアーガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深める毎日。

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