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【京都市】中京区 『祇園祭』呪術僧である山伏が御神体『山伏山』で神仏習合を感じる♪

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

日本三大祭りの一つである『祇園祭』。7月1日から『祇園祭』に関わる神事やイベントが行われています。

古くは平安時代から行われてきた『祇園祭』で、『高津商会』の小道具たちも少しお手伝いをさせていただいております。

『山伏山』という山が山伏町に飾られます。山に飾る御神体(人形)が山伏の姿をしているのでこう呼ばれています。

この『山伏山』の歴史は古く、応仁の乱以前にも巡行の記録があるそう。

「祇園祭」山伏山の護摩焚きが路上で行われるので、私も毎年訪問させてもらってます。

「聖護院門跡」の山伏が護摩壇で奉納された護摩木を焚き上げ、家内安全・無病息災・祈願成就などを願います。

「山伏山」の御神体の山伏は傾いてしまった八坂の塔(法観寺)を法力で直してしまったという山伏・浄蔵貴所(じょうぞうきしょ)をモデルにしているそう。

平安時代の僧で、比叡山の呪術憎とも言われる浄蔵貴所

今では、東山区清水八坂上町にある「法観寺」の五層の「八坂の塔」(高さが46メートル)は東山のシンボル!それを法力で直すとは!

また、浄蔵貴所が熊野で修行していた際、父が危篤という知らせを受けて京に戻ったが、死に目には間に合いませんでした。しかし土御門橋(つちみかどばし)で父の葬列と出会って、「父の魂を戻して欲しい」と読経したところ父は一時的に息を吹き返して、最後の対面をすることができました。その後土御門橋は一条戻橋(いちじょうもどりばし)と言われるようになったとも言われています。

例年7月15日に行われている護摩焚きでは路上に青竹で囲んで斎場を設け、祇園祭山鉾巡行(前祭)の安全を祈願します。

聖護院門跡の山伏が参詣し、また八坂神社の神職による清祓いと六角堂・頂法寺の僧侶による法印(ほういん)も行われ、神仏習合を感じられる特別な山。

山伏は山に伏して山修行することから山伏(山臥)と言われています。また山伏は仏道修行を積んだしるしである験(げん)を修めた者ということから修験者(しゅげんじゃ)とも、修験道(しゅげんどう)の行者とも言われます。ちなみに山修行や山岳信仰に密教(仏教)が習合したのが修験道と言われているそうです。なお修験道の祖は役行者(えんのぎょうじゃ)・役小角(えんのおづの)とされています。

左手に刺高数珠、右手には斧を持ち腰には法螺貝をつけている山伏の姿をした御神体。

そこには、絢爛豪華な飾りが見れました。

御神体のお姿は(山伏達が修行のため、紀伊山地の大峰山に入る)大峰入りの姿を表しているそう。

今年は4年ぶりに行われる、前祭の山鉾巡行(7月17日)の順番では『山伏山』が一番に決まりました。

「山伏山」のご利益は火除け・雷除け、その「山伏山」で神仏習合を感じながら参拝できるのは嬉しいでね♪

「山伏山」

京都市中京区室町通錦小路上ル山伏山町

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。ジャーナリスト、写真映像家、イベントプロデューサー、特殊ツアーガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深める毎日。

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