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「五月病」とはマスコミがつけた?医学的には「適応障害やうつ病」放置しないで診療内科に相談しよう!

栗栖成之防災士×探偵ライター
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新社会人や新入生に対して心配されるのが「五月病」です。では、五月病とはどのような病気を指して呼ぶのでしょう。

所説ありますが、最もポピュラーなのが「憂鬱(ゆううつ)になる」ことで体調を崩す結果となり、学校や会社にいけない状態を指します。ところが「五月病」との医学的な病名は存在しないのです。

医学的な病名は存在しない!五月病はマスコミが付けた名前

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「五月病」って病気のように報道されていますが、実は医学的には存在しない病名です。

1960年から1970年代に起きた学生運動が終息し、1970年以降に大学に入学した学生が目標を失って、多くの学生に無気力感がまん延してしまいました。この社会的な現象をマスコミが切り取って「五月病」と名付けて報道したのが、名前の由来のようです。

五月病(さつきびょう)ってどんな病気?

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「五月病ってどんな病気?」と問われると、5月のゴールデンウイーク後に「気分が憂鬱(ゆううつ)になる」「身体がだるい」「気力がなくなる」など、ほとんどが精神的なもので、その結果、会社や学校に行けなくなる病気のことです。

どんな人がなりやすいの?

では「どんな人が五月病になりやすいの?」と聞かれると、次のような人は注意が必要のようです。

  • 環境の変化に対応しづらい人
  • 周囲の変化を敏感に感じ取る人
  • 他人の機嫌を気にかけて気を遣いすぎる人
  • 悩みを相談できる相手がいない人
  • 愚痴をいえる親しい相手がいない人

このように、環境の変化に対応できず、1人で悩みを抱え込んでしまう人は要注意です。

五月病の症状はさまざま

五月病の症状はさまざまで、主な症状を挙げると次のようになります。

  • 理由もなく疲れやすい
  • 頭痛がする
  • 仕事や勉強、家事がスムーズにこなせない
  • やる気がでない
  • 憂鬱(ゆううつ)な気分が続く
  • 何に対しても興味がわかない
  • 常に不安感がある

「五月病」は医学的には「適応障害やうつ病」と診断される

五月病を精神科や診療内科で医学的に診断すると「適応障害」「うつ病」などの病名で診断されます。では、先に説明した五月病の症状は勘違いなのかというと、そうではなく、症状は確実に存在しているのです。

ただ、ストレスなどによって「うつ状態」となり、その場に適応しなくなる精神的な病気になってくるので、完治させるのは少々厄介になってきます。

「五月病」は誰でもかかる精神疾患!専業主婦の方も要注意

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先に「五月病にはどんな人がなりやすいのか」で、環境の変化に対応できない人は要注意とお伝えしていますが、そうでない人も五月病にかかる可能性はあります。

誰にでも心配ごとがあり、常にストレスを感じながら生活しています。従って、仕事にも学校にも行っていない専業主婦の方でも、五月病になるのは珍しくないのです。

また、5月に起きるから「五月病」とマスコミが命名していますが、医学的な病名となる「適応障害」や「うつ病」は、5月に限って発病する病気ではなく、いつでも発病する心の病です。

この観点から見ると、五月病の元である精神疾患は1年中発病する可能性があり、また年齢や職種に限定されることなく誰でも患う病気といえるでしょう。

「五月病」を治す方法は、心療内科や精神科への通院がベスト!

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五月病を治す方法としてもっともおススメなのは、心療内科や精神科に通院してカウンセリングを受けて、薬を処方してもらうことです。

書籍やネット上にはさまざまな五月病対策が公開されていますが、心の病を自力で治すのはムリがあります。そもそも、ストレスなどを自分で払拭できる人なら、五月病にはかかりませんからね。

「色々試したけど役に立たなかった」と言われる人が多いのも、自分では治せない病気であるためで「五月病だから・・」と、放置してはいけません。

心の病気を治すのが心療内科や精神科ですから、通院しカウンセリングを受けてアドバイスをもらい、薬で少しずつ治していくのがおすすめです。

防災士×探偵ライター

これまで、洪水・土砂災害・地震・津波・高潮など、あらゆるハザードマップを作成。2017年に防災士とひょうご防災リーダーの資格を取得。2014年からWEBライターとして活躍し、現在では経験と資格を活かしてさまざまなメディアに多ジャンルにて記事を投稿中!フリーでの執筆活動をメインにしつつ、探偵として地域の困りごとも解決している。

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