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【サウナ旅】新潟のスノーピークFIELD SUITE SPAに宿泊。一日中サウナを味わい尽くしてきた

まこたろサウナと水風呂を求めて旅をしています

「一度は行ってみたいなぁ……」とよだれを垂らしてチャンスを狙っていたこちらの施設に、一泊二日で行って参りました!

訪れたのは2022年12月上旬。当日は霧雨が降る空模様でしたが、翌朝には雪に変わってくれました。4月に施設がオープンしてから初めての雪という貴重な場にも立ち会えました。

宿泊したのはテラスに露天風呂のあるヴィラ・スイートです。まずはお部屋の様子を写真でご紹介!

客室を含めた施設全体の設計は隈研吾さんがされています
客室を含めた施設全体の設計は隈研吾さんがされています

床暖房のフリーリングには、全室なぐり加工が施されています。素足で歩いてみると、ふわふわした感触がとっても気持ちいい!
床暖房のフリーリングには、全室なぐり加工が施されています。素足で歩いてみると、ふわふわした感触がとっても気持ちいい!

内風呂は総檜造り。オープンからまだまだ時間が経っていないこともあって、檜の濃い香りが浴室に漂っています
内風呂は総檜造り。オープンからまだまだ時間が経っていないこともあって、檜の濃い香りが浴室に漂っています

かわいいサイズですが、テラス部分に露天風呂が設置されています
かわいいサイズですが、テラス部分に露天風呂が設置されています

湯上がりにはスノピ製のチェアで外気浴
湯上がりにはスノピ製のチェアで外気浴

「自然と一体化」がコンセプトのガラス張りの家

部屋に入りすぐに感じたのは、壁とドアが一切取り払われているプラン(設計)の心地良さです。外壁はすべてガラス窓になっており、室内にあるドアは出入り口の扉とトイレのものだけ。

そのため、周りの自然とシームレスにつながっている不思議な気持ちよさを与えてくれるのです。屋内にいながら外で過ごしている──そんな感覚なんですね。

「外から丸見えなんじゃないの……?」という心配は御無用。お部屋の周囲は木製の塀で囲われているため、覗かれることもありません!

こちらのお部屋も含めて、施設全体の設計をしたのは世界的な建築家である隈研吾さん。隈さんの設計といえば木材を使ったルーバーが特徴的ですが、こちらの施設はただの木材ではなく、新潟県の木材を使った薪を使用しています。その数はなんと1万5千本。この施設のために約1年かけてじっくり乾燥させたのだとか。


3種類の薪がランダムに並ぶ庇(ひさし)
3種類の薪がランダムに並ぶ庇(ひさし)

スノーピーク本社やキャンプ場に隣接する形で建っているこの施設は、まるで自然と一体化しているように見えることをコンセプトに設計されたそうです。

インタビューで隈さんは、「普通のリゾートにはない、野性味のあるものにしたかった。スノーピークの野性味とは、木を薪にし、それを燃やし、自然というものが火を通して人間の中に入っていく──というもの。それを建物全体に伝わる形にしたかった」と仰っています。

こうして写真だけ見てしまうと奇抜に見えてしまうかもしれませんが、実際にその場に立ち、過ごしてみると、自然との境目がなくシームレスにこの建物が溶け込んでいることを感じられるんですね。

なお、施設全体の特徴的な屋根の形状は、栗ヶ岳と一体化するようにデザインされたそうです。どこまでもテーマは「自然と一体化」というもの。壁に使われている赤土も、壁紙の和紙も、テーブルの素材もなにもかも地元の材料を使う徹底ぶりなのです。


画像は公式サイトから
画像は公式サイトから

外壁がなく、どこで過ごしていても目に飛び込んでくるのは窓の向こうにある自然──これは、東京は新宿という人の多いエリアで暮らしている僕にとってはこの上なく心地良いものでした( ˶˙˙˶)

ちなみに後述しますが、これらの情報はすべて施設のスタッフの方々から教えていただいたことです。食事の給仕をしてくれた方、受付の方、部屋まで案内をしてくれた方──携わる方々がこちらの施設の成り立ちであったり、特徴であったり、コンセプトを細かなところまで把握されており、それを自分の言葉として伝えてくれる……というところに本当に感動しました。



スペック以上に心地よい&灼熱天国な焚き火サウナ

荷物の紐を解いたら早速サウナにGOです。

フロントから階段を降りた先にある大浴場入口
フロントから階段を降りた先にある大浴場入口

男湯と女湯は入れ替え制になっているそうです
男湯と女湯は入れ替え制になっているそうです

パウダールームの様子
パウダールームの様子

右手のドアがサ室入り口、左側には水風呂。動線はシンプルですがよく考えられています
右手のドアがサ室入り口、左側には水風呂。動線はシンプルですがよく考えられています

サ室の右側には外気浴エリアへの出入り口があります
サ室の右側には外気浴エリアへの出入り口があります

サウナ室(サ室)のコンセプトは焚き火だそうです。その名の通り大きなikiストーブがサウナ室の真ん中に置かれており、それを取り囲むようにして席が配置されています。

スノーピークや隈さんが目指す「自然とは火である」をまさに体現しているサ室なんですね!


写真は公式サイトから
写真は公式サイトから

室温は90前後。サウナによく通われる愛好家の方だと「もう5度~10度くらいほしいなぁ」と思ってしまうかもしれませんが、ご安心ください。もし温度に物足りなさを感じたなら、入り口から入ってすぐ左手の座面に座ってみてください。こちらのサ室は中央のikiストーブの他に、入って左手の座面の壁にボナストーブが内蔵されているのです。

前からは巨大ストーブ、後ろからはボナストーブ……そんなサンドイッチ状態でセルフロウリュをすると、

「あ……ちょっと無理かも……」

と逃げ出したくなるくらい熱々になれます!



セルフロウリュ用に、1mはありそうな長いラドルとバケツに入ったアロマ水が用意されています。そいつでロウリュすると一気にサ室全体に灼熱の水蒸気が回り、体感温度は+10度超!

水蒸気の爆発力のためか、水をかける度に入口のドアが「バタン! バタン!」と一瞬動くのがなんとも恐ろしい光景なのです(嬉)

前面の大きなガラス窓から見える雄大な栗ヶ岳の景色を眺めながら限界まで耐えたら、転ばぬようにいそいそと座面から降りて退場。そしてお待ちかねの水風呂タイムでございます。これを……待っていた!


画像ではあまりわからないかもしれませんが、最深部は120cmもあるキンキン水風呂です。そばに置いてある桶でかけ水をしてから入るのもよいのですが、おすすめはぬるま湯シャワーで汗を流してからです。

好みにもよりますが、最初にかけ水で体を冷やしてしまうより、お湯で汗を流してから水風呂に入った方が気持ちよさが段違いなのです( ˶ ̇ᵕ​ ̇˶)

水温計がないためあくまで体感ですが、水温は15度前後でしょうか。サウナ愛好家の人は納得、初心者の人もギリギリ入れるという心にくい設定温度じゃないでしょうか。ちなみに足元が少しだけ滑りやすいので、手すりにつかまりながら入ってください。とくにサウナで蒸し焼きにされた後はふらふらしているのでご注意です!


水風呂から出たらすぐに体を拭き、外気浴スペースに移動です。露天に数え切れないくらいの椅子が用意されているので、もし混雑していたとしてもあぶれることはないと思います。


画像は公式サイトから
画像は公式サイトから

なお、僕は普通の椅子だとととのいづらいので、邪魔にならない端っこのスペースに自前のバスタオルを敷いて大の字スタイルで外気浴をしました。だいたいどこの施設に行っても、休憩はこの打ち上げられたトドみたいな格好でやっています笑

栗ヶ岳から吹き下ろされる少し強めの風が、水風呂でキリッと〆たあとの体を心地よく撫でてくれます。平日の日中ということもあり僕以外にはほとんど利用者さんがおらず、サウナも水風呂も外気浴も全部独り占めな贅沢も味わえました( ᵕᴗᵕ )

湯上がり処も充実しています

サウナのある大浴場を出てすぐ左手には、無料でくつろげる休憩スペースもありました。地元食材にこだわった食事もここで頂けるので、サウナのあとの腹ペコをここで満たしても良いかもですね!

ちなみにこちらの施設では上記の休憩スペースのイートコーナーの他に「雪峰」というレストランもあり、宿泊者の夕食・朝食はそちらで頂くことになります。

ミシュラン3つ星の名店「神楽坂 石かわ」が協力した夕食にご満悦

チェックインからダラダラと時間をかけながら5セットほどサウナを愉しんだあとは、お腹を鳴らしながら雪峰の個室に移動し夕食です。


「シェフの趣味がパン作り」のパワーワード。写真ではよくわからないかもしれませんが、あまりにも美味しすぎて3回はおかわりしました(恥ずかしい……)
「シェフの趣味がパン作り」のパワーワード。写真ではよくわからないかもしれませんが、あまりにも美味しすぎて3回はおかわりしました(恥ずかしい……)

これまで様々な旅館やホテルを巡ってきた僕たち夫婦でしたが、いまだに語り草になっているのがここの夕食です。というのも、とにかくもうすべての料理が仰け反るほど美味しかったんですね!

通常、コース料理ですと「本日のお品書き」がテーブルに用意されているものですが、ここではそれが無く。そのことを給仕のAさんに聞いてみると、

「こちらのコースでは、その日入った食材によってシェフが即興で献立を決めるためにお品書きがご用意できないのです」

とのこと。ちなみにこのAさんが凄まじかった……出てくる料理の食材やその調理法まですべて完璧に頭に入っていらっしゃるのです。

たとえば妻が料理に使われている野菜や、ちょっとした箸休め的な添え物を「美味しかったです。これはどこのお野菜ですか?」と聞けば、「ふふふ、よくぞ聞いてくれました」と自信に満ち溢れた表情で優雅に、そして詳しく掘り下げて解説してくださるのです。

Aさんが去ったあと、「Aさんて、料理人さんじゃないよね。どうしてあそこまで詳しいんだろ!?」と妻が驚きの表情を僕に向けていました。

冒頭でも少し触れましたが、こちらの施設に携わっているスタッフの皆さんの知識量が半端ではないのです。無理やりに頭に詰め込んだもの──というよりも、スノーピークが好きで好きでたまらなくて自分から覚えたのだろうことが伺えるのが、その語ってくれているときの嬉しそうなお顔からわかるんですね。

Aさんのようにすべての食材や調理法を完璧に、そして「聞いてくれて嬉しいなぁ」という溌剌(はつらつ)とした表情を他のスタッフの方すべてがしてくれるから、ついついこちらもあれやこれやしつこく聞いてしまいます。

床に施されたなぐり加工の気持ちよさを妻と語っていると「こちらは職人がひとつひとつ手彫りで丹精込めて彫ったもので~」とスッと添えてくれたり、テーブルの材質が「ちょっとおもしろいね」と僕が妻に言えば、「施設を建設するときに出た赤土を加工したものなんです」と解説してくれたり。

「あ、そこに気が付かれましたか! それはですね……」と、とっても幸せそうな顔で楽しそうに語ってくれるから、こちらもほっこりが止まりません!


「きっとここの皆さんは、スノーピークが大好きだから働いてるんだねぇ」

食事の後、レストランの前でコーヒー片手に焚き火に温まりながら妻がぼそっと呟いていました。僕もそう思います。サウナもお部屋も勿論良いのですが、なによりも素晴らしいのはここで働いている方々でした。

翌朝は雪景色に変化

朝起きると、昨日から降り続いていた霧雨が雪に変わっていました。今シーズン初めて見る雪です。そして、スタッフの方によると、2022年4月のオープン以来初積雪だそうです!


今回は宿泊での利用でしたが、もちろん日帰りでもサウナは使えます。なお早朝7時~9時までと、夜21時~22時までが宿泊者限定の入場となるため、混雑とも無縁です。この日はたまたま僕たち以外に泊っている方は一組しかおらず、朝も夜も完全貸切状態でサウナと温泉を愉しめました!

ちなみに、いまでも妻とは滞在したときの感動を折に触れて語り合っています。

サウナも水風呂も外気浴もとびきりに良かったです。しかし話題に上がるのは料理とスタッフの方々の溌剌(はつらつ)とした笑顔、そして誇りと自信に満ちた表情です。

記憶に深く刻まれる宿って実は箱の素晴らしさよりも、そこにいる人々が大きく影響していると思うんですね。心があたたかくなるのも、尖った神経がまるくなるのも、温泉やサウナだけでは足らず、決め手は「人」だと改めて感じました。いやぁ、スノーピークすごい!

絶対また行くどー!


▼Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS
https://www.snowpeak.co.jp/fieldsuitespa/hq/

──[日帰り利用]──
・営業時間:10:00 - 21:00
・利用料金:1,600円(スノピ会員:1,400円)
・タオルセットや館内着は無料です

──[宿泊利用]──
・Villa suite|220,000円~
・Villa junior suite|121,000円〜
・住箱|42,900円〜

・大浴場営業時間:7:00-9:00 10:00 - 22:00
 ※早朝7時~9時と、夜21時~22時は宿泊者限定

筆者プロフィール

ペンネーム:まこたろ


新宿区在住|執筆業|全国のサウナを月3くらいで旅しています|プロでも玄人でも通でもなく、ただサウナが好きなだけの永遠の初心者です|2022年に巡ったサウナは全国128施設|重複を含めると200件近く|こちらでは主に旅先で訪れたサウナの紹介や、おすすめのサウナなどを紹介していけたらと思っています。

■twitter
https://twitter.com/macotaro37

■Instagram
https://www.instagram.com/macotaro37

サウナと水風呂を求めて旅をしています

全国のサウナを月3くらいで旅してます|2022年に巡ったサウナは全国128施設|重複を含めると200件近く|プロでも玄人でも通でもなく、ただサウナが好きなだけの永遠の初心者です|こちらでは主に旅先で訪れたサウナの紹介や、おすすめのサウナなどを紹介していけたらと思っています。

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